原神勢の鳴潮体験記【鳴潮】


 最近、鳴潮というゲームを遊んでいます。
 オープンワールドのアクションRPGで、2024年5月にリリースされました。
 リリースされた時に始めていなかったのですが、「新しいオープンワールドやりたいな」と思い立ったので始めるに至りました。
 まだ始めたばかりではあるんですが、第一印象はまとまってきた感じがあるので、感想として書いてみたいと思います。原神プレイヤーとしての視点から書いているため、原神を遊んでいる方向けの説明になります。
 よろしくお願いします。


システム面で原神との類似点が多い


 全体的にシステムは原神とよく似ているところが多いです。
 ですから、原神を遊んだことのある旅人さんは始めやすいと思います。似ているがゆえに、システムを理解するまでが早いからですね。

 たとえば、「集音(ガチャ)では星3を引くと残振珊瑚、星4以上を引くと余波珊瑚がもらえて、それぞれをシーズンごとに物品と交換できて……」みたいな部分も、旅人さんなら「ああ、スターダストとスターライトね」と一瞬で理解できるかと思います。
 上の画像の月相観測パスも「610円で即時300個もらえ、2700個を30日に分けてもらえる」という細かい数値まで一緒なので、旅人さんは「空月の祝福そのままじゃん」と分かるかと思います。

 ガチャまわりの仕様も似ているので、すぐに理解できると思います。
 ただ、違う点もあり、「キャラガチャも武器ガチャも80連が天井」「恒常石で回せるガチャが恒常キャラガチャと恒常武器ガチャの2種類ある」「恒常武器ガチャは星5枠を事前に指定しておき、星5を引いた際はそれを確定で引ける。すり抜けはない」「限定キャラガチャと限定武器ガチャで石の種類が違う」とかでしょうか。
 ガチャ単体で見れば、原神よりも優しい気がします。スターライト交換で恒常星5キャラや限定星5キャラの凸も進められますしね。


 限定武器ガチャの星5はすり抜けないので、配布を除けば恒常星5武器は恒常武器ガチャ以外に入手手段がないようです。ただ、恒常星5武器も強いので、恒常ガチャ石は恒常武器ガチャを回すために使ってよさそうな感じです。恒常キャラは限定ガチャのすり抜けで手に入りますしね。



原神と異なる魅力的なオリジナル要素

 原神と比較して「いいな」と思うところもいくつかあります。


 まずはシンプルなところで、グラフィックが綺麗だと感じます。
 原神も綺麗ではありますが、2020年リリースと2024年リリースの差なのか、鳴潮の方が全体的に綺麗には感じます。わたしはあまりゲームでリアル系のグラフィックが好きではなく、路線としてアニメ系かつグラフィックが綺麗というのを求めているため、「欲しかったものが出てきた!」という感じで小躍りしていました。

 また、崖を走って登れるとか、ストーリーをスキップ出来たり台詞の再生を待つ必要なく送れる場合が多いとか、原神で不便に思っていた点を改善している例があったように思います。
 原神は「キャラの動きを伴う場面だと文字送りを早められない」という仕様だったんですが、鳴潮はキャラの動きを伴う場面でもすぐに文字送りできて、その場合は漫画でコマが変わったかのごとく、キャラが最後まで喋り終えた時点の位置関係やポーズまで一瞬で変化する、という仕様でした。原神もこうなってくれないかな?という感じのいい仕様でした。

 なお、スキップという、そのイベントの会話そのものを飛ばせる機能もあります。
 選択肢がある場合でも、それがただ見られる会話のバリエーションが異なるだけであれば(?)、選択肢ごとスキップできるようです。妖怪ウォッチシリーズではほとんどのイベントをSTARTボタンでスキップ出来ましたが、あれと似た感じですね。
 こちらはあまり使いませんでしたが、いい機能だと思います。たとえば配信で何度か見た後に自分でもやってみたくて始めた方の場合、序盤のイベントをもう1回見るのはおっくうだったりしますからね。これも原神に欲しい機能です。



戦闘が奥深くて楽しい

 戦闘に関して、原神と比べると行動の選択肢が多くなっています。
 「音骸」というのが原神でいう聖遺物にあたるものなのですが、これはフィールド上のモンスターを倒した際に手に入るドロップで、聖遺物の性質を持ちながらメインに指定した1つについては戦闘中にそのモンスターに変身して攻撃を行える機能がついています。

 つまり、聖遺物の種類ごとにワザが付いていて、キャラにそのワザを使わせられる、という感じです。カスタマイズ性が高いと個性を出しやすくてよさそうですね。まぁ、最適解はありそうですが、選択肢があることが大事です。わたしは原神でヌヴィレットを持っていますが、その時々の気分によって神里綾人やタルタリヤも使いますし、選択肢はあるに越したことはないですね。


 画面中央やや右で燃える武器を振るっているのが、音骸で変身した味方キャラです。
 属性を合わせる必要はなく、たとえば炎キャラで氷の音骸を使ったり、アタッカーで回復の音骸を使うこともできます。

 また、戦闘中のワザについても、キャラチェンジの際に「終奏スキル」「変奏スキル」という、交代元になった時のスキルと交代後になった時のスキルがそれぞれあったりして、全体的に原神よりもやれることが多めになっている印象です。回避後に使える回避反撃、相手の攻撃に合わせて攻撃することで弾いて体勢を崩せるパリィもあります。
 戦闘単体でいえば原神とゼンレスゾーンゼロを折衷しつつ+αした風合いで、演出的にはゼンレスゾーンゼロの方が外連味というか、華がある感じはしましたが、あれは戦闘が独立しているがゆえという感じで、オープンワールドの探索中にあそこまで派手な戦闘があると胸やけしそうな印象もありますから、個人的には鳴潮の戦闘はゲーム性と合っている感じがして非常に好感触でした。

 クイックスワップと呼ばれているテクニックも、やりこみ甲斐があってよさそうに感じました。
 クイックスワップというのは、そういう専用機能があるとかではなくて、「各ワザに、どのタイミング以降ならキャラ交代してもワザを最後まで出し切ってくれるか」というタイミングが設定されているので、それを活用して疑似的な同時攻撃を行う……というのがクイックスワップです。
 原神には無くて、ゼンレスゾーンゼロは似たようなシステムがありますね。たとえば、ほとんどのキャラの特殊スキルは入力した瞬間から発生保障があるため、入力した瞬間に交代すると、交代後のキャラを使えるようになりつつ交代元のキャラはフィールドに残って特殊スキルを出し切ってくれます。あれと同じです。

 ゼンレスゾーンゼロの時も思いましたが、いいシステムですよね。
 慣れたプレイヤーはこれを使って攻撃行動を圧縮し、時間あたりのダメージを増やすことで難関コンテンツをなるべく早くクリアできるようこだわることができます。
 一方で、別に使わないと戦闘が成立しないシステムとかではないですから、初心者の方やアクションゲームが得意でない方は全然使わなくとも問題なく遊べます。螺旋12層星9みたいな極限のやりこみコンテンツでは必須テクニックになるのかもしれませんが、基本的には使いこなせると楽しい選択肢の1つだと思いますね。



SF色が強め


 鳴潮は原神よりもSF色が強めです。
 武器なんかも、ファンタジーっぽい刀や魔導書というよりも、機械要素のある剣や飛行機械みたいな武器が多く、この点は好みがあると思います。わたしはファンタジー系の方が好きです。
 原神にも凛流の監視者みたいな飛行機械系の法器がありますが、鳴潮の増幅器(法器)は基本そっち系ばかりで、西風秘典みたいな武器は無いと考えておいた方がいいかと思います。氷菓の雅印はちょっとファンタジー風味ですけどね。

 原神も背景設定はSFっぽい部分が多いというか、まぁそもそもSFとファンタジーの線引きはそうハッキリしたものでもないとは思いますが、ただ一般に「ファンタジーっぽい」「SFっぽい」というイメージの話をするならば、原神はファンタジー寄り、鳴潮はSF寄りだと思います。



序盤のストーリーが難しい

 鳴潮、けっこうお話が難しいです。
 個人的には原神でも最序盤はファデュイとアビス教団の違いがよく分からなかったりしましたが、鳴潮は更に分かりにくく感じました。
 別に「精読してもチンプンカンプン、言語明瞭意味不明」というわけではないんですが、あまり強い興味のない序盤の時点から専門用語を連発されて理解に労力を要求されると、わたしとしては目が滑ってしまいがちでした。

 思えば、原神のモンドは導入として受け入れやすかったように思います。
 中国モチーフの国である璃月は2つ目の国なのですが、中国モチーフだけあって全体的に用語が難しいというか……ローカライズの都合でもあるとは思うんですが、いかにも中国語っぽい単語が頻出するのですよね。日本語ではあまり見ないような漢字が出てきたりして。
 まぁ、原神のモンド時点でも日本語であまり見ない漢字といえば「霧氷花の花蕊」とかありましたけどね。(「蕊」は日本語でも使いますが常用外で、漢字検定準1級で出る漢字です)
 ただ、モンドはヨーロッパモチーフなのでキャラの名前や用語も基本的に横文字が多く、和製RPGっぽい感じでスッと受け入れやすかったように思います。


 一方、鳴潮は最初の第1章から中国モチーフの地域で過ごすことになるので、最初から璃月と同等かそれ以上のチャイナフレーバーが訪れます。テクニカルタームの多さもあって、より難解に感じやすかったですね。
 まぁ、横文字なら平易に感じるかと言われれば必ずしもそうではなく、原神のスメールでも「マハールッカデヴァータ」とか「クラクサナリデビ」とか言われると「いまなんて?」という感じでした。ただ、序盤に「ガイア」「ジン」「アンバー」みたいなスッと頭に入りやすい名前で来られると親しみやすくてよかったですね。


 1章ストーリーでよく出てくる女の子も、なんだかパンダみたいな名前をしています。というより、パンダに女の子みたいな名前をつけているのでしょうけど……
 原神は七国を旅するという設定でしたから、国ごとに名前や用語の感じが全然違いましたが、鳴潮はどうなのでしょうね。1章の舞台は今州という中国っぽい地域でしたが、今州も結局は瑝瓏という国の一地方でしかないようなので、2章以降も瑝瓏での冒険が続くのであれば、用語面でしばらく変化は無いのかもしれませんね。



わたしのパーティ


 こんな感じのパーティで冒険しています。
 恒常星5で焦熱アタッカーのアンコ、恒常星4で凝縮サブアタッカー?の散華(さんか)、限定星5で回折ヒーラー/バッファーのショアキーパーです。


 アンコは増幅器使いの焦熱アタッカーです。原神のクレーっぽいですね。
 記事の冒頭にも貼りましたが、アンコの共鳴解放(元素爆発)のカットインがかわいいので、アンコメインにしています。共鳴解放で自己強化状態になり攻撃しまくるという、原神でいうところのセノみたいなアタッカーであり、使っていて楽しいです。

 ゲージが溜まると使える重撃が2秒くらい溜めて放つ大技なのですが、この大技も溜めモーションに入った時点で発生保障がつくため、クイックスワップを活用しやすくていい感じです。


 散華は「氷属性の刀使い」というのがわたしの好みなので使っています。
 共鳴スキル(元素スキル)や共鳴解放で地面から氷を生やすことができます。また、重撃は刹那の見斬りよろしくタイミングよくボタンを離すことで強力な攻撃を放ちつつ、地面から生やした氷を炸裂させてダメージを与えます。氷属性って見た目が綺麗でいいですよね。氷というか、凝縮属性ですけれども。

 共鳴解放も共鳴スキルも一瞬でスパッと斬ってくれて短時間でダメージを出すことに優れつつ、共鳴解放・共鳴スキルのクールタイムは暇になりやすいので、そのぶんメインアタッカーの出場時間を確保しやすいという、サブアタッカー適性の高いキャラですね。
 設置物を自身で能動的に起爆する、という点では凝光や八重神子っぽいですが、使用感としてはややティナリに似ています。武器は弓ではないですが、元素スキルも元素爆発も短めで、かつ元素スキル使用後に強化重撃を放つ、クールタイムが暇なので他のアタッカーを併用する、という点で通じる部分があります。


 ショアキーパーは限定ヒーラーです。
 恒常星5ヒーラーのヴェリーナも持ってるんですが、せっかくなのでこちらを使っています。無凸だと両者はさほど差がないようですが、凸を加味するとショアキーパー側がだいぶ強いらしいです。ゼンゼロ同様、一旦限定キャラは無凸で遊んでいこうと思っているので、無凸にしています。
 共鳴解放で味方を回復するフィールドを展開し、そこから変奏スキルを伴う交代を行うたびにクリティカル率(会心率)やクリティカルダメージ(会心ダメージ)のバフも加わり、最後に変奏スキルを伴う交代でショアキーパーを出すと、フィールドを解除しながら確定クリティカルの強力な範囲攻撃を放ってくれます。

 ただの回復役に留まらない面白い性能で、更に重撃でモナダッシュみたいな水上も動ける高速移動があり、探索でも重宝しています。
 原神に喩えるのが難しいんですが、まぁロサリア、ジン、モナの要素を持っているような感じといえるでしょうか。


 パーティ単位でいうと、ショアキーパーで回復とバフのフィールドを展開し、散華とアンコで攻撃を畳みかけ、フィールドの持続時間が終わる前にショアキーパーでフィールドを回収して大ダメージ……というのが理想的なローテーションになっている感じで、ここから敵に合わせて適宜崩して戦っています。
 まだ共鳴効率とかのステータスが十分増やせていないため、あまりローテーションとして成立していない部分もあって、その辺は原神で序盤に元素爆発をしっかり回すのが難しいのと似ていますね。レベルアップや音骸厳選に伴い、更に洗練されていってくれると嬉しいな、と思っています。



まとめ

・鳴潮はオープンワールドのアクションRPGで、原神と似た部分がたくさんある。

・ただ、原神から改善されている点や、原神にない鳴潮独自の魅力もあり、原神がゼルダの伝説ブレスオブザワイルドに影響を受けつつも独自のゲーム性を成り立たせているのと同じように、鳴潮もまた原神に影響を受けつつも独自のゲーム性を成り立たせているように感じる。

・特に戦闘が楽しく、音骸によるワザの追加や変奏スキル、回避反撃にパリィなど色んなことができるので、戦闘をよりやりこみたいという方にはおすすめかもしれない。

・欠点としてはストーリーが分かりにくかったり、序盤のストーリーがやや暗めな印象はあるものの、総じてプレイフィールはよく、今後も遊び続けようと思った。

 ……という感じです。
 あとは、フィールドギミックに先祖返りというか、原神で不採用かつゼルダの伝説BoWで見たようなギミックもあったような気がするんですが、うろ覚えなので割愛しました。

 なお、恒常星5キャラは5人いて、ゲーム開始後の初心者ガチャで2回まで指定して引くことができます。また、特に1回はガチャが解放されたタイミングですぐに無料で引き換えられるため、恒常星5に推しキャラがいそうならば序盤から一緒に旅することは簡単です。
 個人的なおすすめはアンコなのですが、ヴェリーナがショアキーパーと同じ星5ヒーラー兼バッファーなので、特に思い入れのあるキャラがいないならヴェリーナでいいかもしれません。ヴェリーナがいなくても白芷という星4ヒーラーがいるので、ストーリー上ヒーラー不在になることはありません。

 どれだけ続けるかは未定ですが、今のところ遊んでいて楽しいので、しばらくは続けるつもりです。
 オープンワールドのアクションRPGを遊びたい方、アニメ調のオープンワールドを遊びたい方、原神が好きだけど長く遊んでいてちょっぴり飽きてきたという方におすすめなゲームかな、と思っています。


 持っている武器の中ではこれが好きです。

 それでは、また。


※本記事の画像はKURO GAMESのゲーム、鳴潮からの引用です。

コメント