クイックスワップかんたん解説【鳴潮】


 鳴潮には、クイックスワップという仕組みがあります。
 とても面白い仕組みなのですが、「上級者用テクニック!」みたいなイメージがなんとなくある方は少なくないのでは?と個人的に思っています。少なくともわたしは最初そうでした。

 しかし、クイックスワップは意外と簡単なテクニックです。もちろん、巧みに使いこなすとなると奥が深いのですが、少なくとも原理はシンプルであり、鳴潮を遊ぶにあたって最初からマスターする必要は当然ないにせよ、軽く理解しておくと鳴潮の戦闘がより楽しくなると思います。
 なので、簡単に説明としてまとめてみました。よろしくお願いします。


クイックスワップって何?

 クイックとは「素早い」、スワップとは「交代」。
 つまり、クイックスワップとは「素早い交代」です。迅速な入れ替え、でもいいです。


 鳴潮は、共鳴者(操作キャラ)3人を1編成にして遊ぶゲームです。
 ただ、複数人を同時に操作することはできず、常に選択中の1キャラしか操作できません。
 なので、3人編成といえど戦場に出て戦っているのは常に1人……となるはずですが、実はそうではありません。
 戦場でワザを出している最中に交代すると、交代前の共鳴者はワザを出し終えるまで戦場に残ってくれます。これにより、共鳴者Aでワザを出した瞬間に共鳴者Bに交代してワザを使うことで、戦場で共鳴者Aと共鳴者Bの2人が同時にワザを使っている状況が作り出せます。
 これがクイックスワップです。簡単ですね?




クイックスワップの利点


 クイックスワップが強いテクニックであるのには理由があります。
 まず、疑似的な同時攻撃により時間あたりのダメージ効率を増やせるからです。
 たとえば、共鳴者Aが3秒で200ダメージ与える攻撃を行い、共鳴者Bが3秒で400ダメージ与える攻撃を行うとします。
 これを順番に行うと、6秒で合計600ダメージとなり、600÷6で秒間100ダメージのダメージ効率になりますね。

 しかし、共鳴者Aが3秒の攻撃を開始して1秒経過した時点で共鳴者Bに交代した場合、どうなるでしょうか。
 最初の1秒は、共鳴者Aが攻撃をしています。しかし、後の2秒は戦場に残った共鳴者Aと交代で出てきた共鳴者Bが同時に攻撃をしていることになります。
 これにより、順番に攻撃したのと全く同じ攻撃を行っているにも関わらず、共鳴者Aと共鳴者Bが同時に攻撃している時間が2秒間存在することで、攻撃全体の時間が6秒から4秒に圧縮されています。
 なので、合計600ダメージなのは同じですが、所要時間が4秒になるため、600÷4で秒間150ダメージのダメージ効率へと跳ね上がります


こんな感じです。

 強力な共鳴スキルや共鳴解放にはクールタイム(再使用不能時間)が存在するため、無尽蔵にダメージ効率を増やせるわけではないですが、このように行動を圧縮することで同じ時間でできる操作が増えるため、攻撃の密度が上昇し、ダメージ効率が増えることに疑いはないでしょう。


 次に、交代前の共鳴者は無敵になるからです。
 共鳴者Aと共鳴者Bが戦場に残っていると、敵からの攻撃を受けるリスクも2倍……と思いきや、交代前の共鳴者Aは無敵状態になり、敵の攻撃を受けません。なので、攻撃面で強いテクニックながら、防御面でデメリットがあるわけではないのです。
 更に、交代前の共鳴者Aは敵からの狙いを維持することがあります。つまり、操作キャラは共鳴者Bに変わっているにも関わらず、敵が共鳴者Aに向かって攻撃を続けることで、交代後の共鳴者Bはむしろ敵の標的にならず被弾リスクが減る、というシチュエーションがありえます。

 これらクイックスワップの利点を活かせるキャラクターとして分かりやすいのが恒常星5共鳴者であるアンコで、共鳴スキルは2秒間炎の連射を行い、回路重撃は3秒間溜めた後に炎の一撃を放ちます。
 どちらもモーションが非常に長く、またその場に棒立ちになるため敵の攻撃への耐性も低いワザなのですが、クイックスワップを活用することで長いモーションを短縮し、無敵になって敵の攻撃への耐性も上がります。




クイックスワップの欠点

 強いクイックスワップにも欠点はあります。
 まず第一に、操作が忙しいことです。
 上の例でいえば、共鳴者Aの操作と共鳴者Bの操作を順番にやれば6秒かかるところが4秒になるわけですから、当然同じ操作をより短時間でやる必要があります。
 また、実際は2人だけではないため、更に共鳴者Cに入れ替えて次の操作を行い、共鳴スキルのクールタイムを待つ都合で共鳴者Aに入れ替えて追加の攻撃を行い……と、単純に攻撃の操作が早まるだけでなく、クイックスワップ用に追加の攻撃を行うパターンも発生するため、操作は忙しくなりやすく、また複雑化もしやすいです。

 これについては、最初から慣れようとしなくていいと思います。
 ピアノでもキーボードでも、慣れないうちから速く打鍵しようとしても上手くいきません。まずは普通に動かせるようになれば、クイックスワップなしで戦闘していても余裕が出てきます。具体的には「この攻撃のモーション待つの暇だな」と手持ち無沙汰に感じてきます。
 そこでクイックスワップを始めればいいんです。最初からクイックスワップを意識しろというのは、ぷよぷよを始めたばかりのプレイヤーに相手のフィールドを折に触れて凝視せよと言うようなものであり、算数を習い出したばかりの小学生に加法定理を理解させようとするようなものです。
 物事には順番がありますから、クイックスワップは基本操作に慣れた先にあるものと考えた方が結果的には近道かなと思いますね。


 第二に、クイックスワップに対応したワザと対応していないワザがある、ということです。
 鳴潮ではおおむね、ワザの途中で交代したらそのワザを出し切ってくれるんですが、そうではないワザもあり、それが追加入力を必要とするワザです。
 たとえば、燎原の炎騎の音骸スキルは、短押しすると敵を1回斬りつけます。斬った後に追加入力をするともう1回斬りつけ、更に追加入力するともう1回斬りつけます。合計3回斬ってくれる3段攻撃というわけですね。
 そして、この3回目(最終段)に「敵に当てると共鳴者の炎熱属性ダメージアップ12%、通常攻撃ダメージアップ12%」という自己バフが付いています。つまり、可能な限り3段目を当てたいワザだということです。

 この音骸スキルを短押し1回だけして交代してしまった場合、当然1回しか斬りつけてくれないので、3段目の斬撃は当てる当てない以前に発生しません。
 なので、このワザは出して即クイックスワップとはいかず、追加入力2回でしっかり最終段まで出し切る必要がある、ということです。
 ……なお、「3回目の追加入力をした時点で交代」とすると、戦場に残って最終段を出しきってくれるので、クイックスワップに全く対応していないわけではありません。ただ、すべてのワザが1回入力して即交代のクイックスワップが有効であるわけではない、という点はご注意ください。

 あとは単純に多くの共鳴者の通常攻撃1段目のような、全体動作が短すぎてクイックスワップの恩恵が小さいものもあります。
 逆に言うと全体動作の長いワザはそれだけである程度のクイックスワップ適性があるため、重撃についてはクイックスワップ適性のある共鳴者が多いです。


 第三に、クイックスワップを使うと逆に弱くなるケースがあることです。
 たとえば、恒常キャラのアンコ、散華、ヴェリーナで編成を組むとします。
 この時、散華は終奏スキルで交代先の共鳴者に通常攻撃ダメージブースト38%という強力なバフを与えるのですが、このバフは交代先の共鳴者が他の共鳴者に交代することで解除されてしまいます。
 なので、この編成だと散華から交代で登場したアンコは、しばらく交代せずに戦場で攻撃し続ける必要があります。逆に言うと、この状況でクイックスワップを使うと逆にダメージ効率が落ちてしまう、弱くなってしまうということですね。

 クイックスワップはたしかに強力なテクニックですが、いつ使っても強いというわけではなく、状況を選んで使う必要がある、ということです。
 「キャラ入れ替えまくって戦うのって大変そう……」と思われる方は、クイックスワップの多用が最適なローテーションにならない編成を使うことで、クイックスワップが苦手でも十分にポテンシャルを引き出すことが可能になる、ということでもありますね。




クイックスワップ例

 クイックスワップ適性の高いワザの一例をご紹介します。

・アンコの共鳴スキル、強化重撃
 「クイックスワップの利点」の項目でも書きましたが、アンコの共鳴スキルは2秒間焦熱属性の飛び道具を連射し、最後に追加入力で強めの一発を見舞います。
 この2秒間の連射にクイックスワップ適性があり、共鳴スキルを入力した直後に交代することで、無敵状態で2秒間自動的に攻撃させられます。追加入力の攻撃は使ってくれませんが、2秒間の連射だけでもそこそこ効果が高く、アンコちゃんを他の共鳴者に交代させる時はとりあえず共鳴スキルを入力してからにするとお得です。(※1)

 また、アンコは錯乱ゲージが100%溜まっている状態で重撃を使うと3秒間棒立ちになった後に強力な一発を放ちます。これも当然クイックスワップ適性がある……というか、3秒も溜めるのでもはやクイックスワップ前提のワザです。恒常キャラだけあって、クイックスワップ入門!という感じの分かりやすいワザになっていますね。

・音骸スキル「飛廉の大猿」

 蹴り→追加攻撃の2段攻撃により、そこそこのダメージと自己バフをもたらす猿の音骸です。
 忌炎将軍など気動属性のアタッカーが使う音骸であり、全体動作はけっこう長いんですが、この音骸スキルは蹴りが命中した時点で追加攻撃の発生が確定するため、出だしの蹴りが当たった時点で交代しても追加攻撃まで出し切ってくれます。クイックスワップ適性のある音骸スキルといえます。
 全体動作がけっこう長いので、クイックスワップの恩恵が大きいです。敵に密着ぎみで発動し、蹴りのヒットストップで画面が一瞬止まったらもう入れ替えて大丈夫です。

・散華の強化重撃
 散華の重撃は目押し成功によって強化されます。
 敵の懐に素早く切り込んで初段が当たり、少し停止した後、二段目も当たり氷の設置物の起爆ダメージも入ります。
 このワザは最初に切り込んだ時点で最後まで発生するようになっているので、入力した瞬間から交代が可能です。クイックスワップ適性がある、といえます。上の2つと比べると短縮できる時間が短いため、活用するのは慣れてきてからでいいと思います。




まとめ

・クイックスワップは、ワザの入力後に交代した時に交代前のキャラが戦場に残ってワザを最後まで出し切ってくれるという鳴潮の仕様を利用した戦闘テクニックである。

・利点として、同時攻撃が行えることで同じ時間でより多くの攻撃ができてダメージ効率が上がる点、交代前のキャラは被弾判定がなくなり無敵になるので安全に攻撃できる点がある。

・欠点として、操作が忙しくなる点、クイックスワップの有効なワザとそうでないワザがある点、状況によってはクイックスワップをすると逆に弱くなる点がある。

・アンコの共鳴スキルや「飛廉の大猿」の音骸スキルは全体動作が長い一方、早めのタイミングの交代でワザの出し切りが確定するため、クイックスワップ適性が特に高い。

・クイックスワップの原理は簡単で、活用すると戦闘が楽しくなるテクニックだが、操作が難しく鳴潮の戦闘システムへの理解も必要なので、鳴潮の戦闘に慣れてから手を出してみるのがいい。


 ……という感じです。
 クイックスワップは鳴潮の戦闘の醍醐味の1つなので、戦闘に慣れてきたら意識してみてください。自在に使えるようになると、鳴潮の戦闘が何割か、あるいは何倍か楽しくなります。わたしもまだ自在とは言えず、練習中の身ですけどね。
 わたしは最近、忌炎将軍・モルトフィー・ヴェリーナorショアキーパーの編成をよく使っていますが、上に記載した飛廉の大猿の音骸スキルからのクイックスワップや、全体動作が長めの重撃からのクイックスワップをよく行っています。記事内の忌炎将軍とモルトフィーの画像は後者ですね。
 それでは、また。



※本記事の画像はKUROGAMESのゲーム「鳴潮」からの引用です。
※1…アンコで共鳴スキル後クイックスワップ→他の共鳴者で攻撃→アンコの共鳴スキルの全体動作が終わる前に再度アンコに戻して追加入力、でクイックスワップしつつ共鳴スキルの追加入力も撃たせることができますが、煩雑なので割愛しています。