1.4の終結スキル仕様変更に対する考察【ゼンレスゾーンゼロ】


 ゼンレスゾーンゼロには、終結スキルという特別なワザがあります。
 パーティ全員で共有するデシベル値を全消費して放つ、切り札・奥の手・奥義の類であり、原神でいう元素爆発、崩壊スターレイルでいう必殺技、格闘ゲームでいうウルト(超必殺技)にあたります。
 この終結スキルについて、バージョン1.2現在はパーティ全員でデシベル値を共有しているのが、1.4からはエージェントごとの管理になるようで、その変更点についてわたし個人の感想と予想を書いてみたいと思います。


ver1.3までの終結スキルについて

 まず、そもそも終結スキルのゲージをパーティで共有する、という仕様について、個人的には元々そこまでお気に入りというわけではありませんでした。
 パーティ全員分のゲージを使って超必殺技を放つ!というのは、たしかにド派手でよさそうな感じはするのですが、結局のところ3人パーティのうち特定の1人の終結スキルが特に強い場合、そのエージェントの終結スキルしか使わないということになりがちだと感じたからです。


 敵にもよるでしょうし、精密な検証をしたわけでもないのですが、激変ノードだとS評価を取るのもギリギリだったりして、アタッカーの終結スキルしか使えないという展開がありがちなのですよね。「S評価がなかなか取れないな、撃破エージェントで終結スキルを使ってみるか」でクリアタイムが短縮することはほぼありませんでした。


 もっとも、クリアタイムが重要な激変ノードだけが高難易度コンテンツではないですから、安定を取って撃破エージェントの終結スキルを使う、ということは十分ありえると思いますし、支援エージェントの終結スキルも味方のエネルギー回復が付いていたりして面白いです。
 ただ、そもそも高火力の終結スキルで戦闘を早く終わらせることは有効な防御手段でもあるのですよね。戦闘時間が短ければ被弾のリスクも減りますし。



 わたしが今まで遊んだゲームで、「パーティ全員で共有するゲージを消費する超必殺技」は色々あって、ゼノブレイドシリーズのチェインアタックなんかはまさにそれなのですが、チェインアタックはパーティ全員でやるコンボみたいなものなので、特定の1人への依存度が低く、「こいつのワザばっかり使ってるよ」とはならなかったのですよね。



 あとは……妖怪ウォッチ2のG(ガッツ)の必殺技でしょうか。
 妖怪ウォッチ2は妖怪6体で戦うゲームであり、妖怪ごとに妖気があって、満タンになると必殺技が使えます。
 この妖気が満タンになった妖怪が3体並んでいるなら、真ん中の妖怪が必殺技を使う際に両隣の妖怪の妖気を一緒に消費して、強化された必殺技を使えます。強化必殺技はダメージ等の倍率が2倍になり、名前の最後にG(ガッツ)が付きます。

 これは個人的に好きでした。3匹分の妖気で2倍の威力とそこまで倍率が高くないので「必殺技はGしか使う価値なし!」ということもないですし、何らかのデバフを受けている状態だと妖気が封じられるので、妖気の使える妖怪を3体並べるのもまぁまぁ大変でした。ちなみに「3体並んだ真ん中の妖怪だけが使えるなら、両端は使えないってこと?」と思われるかもしれませんが、妖怪ウォッチ2の妖怪は円形に並んでいるので、全員使えます。


 ……という感じです。
 個人的には妖怪ウォッチ2路線、すなわち「終結スキルは基本エージェント毎だけど、全員のデシベル値が満タンなら全消費して1人が強化された終結スキルを撃てる」みたいな感じならあるいは、と思っていました。まぁ、結局アタッカーが撃てばいいだけにならない調整が施されている前提でですが……

 ゼノブレイドのチェインアタック路線については、順番にワザを使っていくという意味では連携スキルがチェインアタックみたいなものなので、終結スキルにも採用すると似たようなことばっかりしているイメージになって食傷ぎみかなと思います。


 ただいずれにせよ、同じエージェントばかりが終結スキルを使うことこそが食傷というものですから、バージョン1.4での路線変更は気に入っています。
 TVアレイ(スゴロクライクな探索)を減らす方針といい終結スキルの仕様変更といい、ゲームシステムの根幹に関する抜本的な変更を柔軟に行っている印象で、フットワークが軽いですよね。素敵なことだと思います。



アタッカー以外の終結スキルについて


 アタッカー以外の終結スキルが使用されるようになることで、戦闘には色んな変化が生じるはずです。

 まず、撃破エージェントの終結スキルです。
 アタッカー以外の終結スキルの中では現状でも使われやすい方かなと思います。ブレイク値を稼ぐ能力に優れていることが多く、敵の迅速なブレイクに寄与し、パーティのダメージ効率を高められます。

 これにより、撃破エージェントの価値が上昇することは大いに考えられると思います。まぁ、回転率がさほどでなかったり、あるいは新エージェントは終結スキル前提のブレイク速度設計だったりするかもしれませんが……
 デシベル値を溜めるのが得意で、通常攻撃や特殊スキルのブレイク値は大したことがないけど、終結スキルのブレイク値だけぶっ飛んで高い……みたいな撃破キャラも今後出てくるかもしれませんね。


 次に、サブアタッカーの終結スキルです。
 主に「異常・異常・支援/防護」みたいな組み方をする時に使うもので、例を挙げるならジェーン・セス・バーニスで組む際のバーニスの終結スキルですね。
 これについてもやはり強化に繋がると思います。さすがにメインアタッカーが表で通常攻撃や特殊強化スキルを使う際のダメージ効率より、サブアタッカーの終結スキルのダメージ効率の方が高いはずですから、手の空いた時にサブアタッカーで終結スキルを使っておくというのは有効な手段でしょうね。

 特にバーニスの終結スキルはクイック支援に対応しており、同時攻撃を前提とするためダメージ効率に優れます。
 それでもアタッカーの終結スキルに及ばない場合はやはり使われませんでしたが、1.4以降はバーニスの大きな魅力の1つになりそうですね。


 そして、バッファー/デバッファーの終結スキルです。
 ルーシー、セス、リナ、シーザー、ニコあたりですね。アタッカーでもブレイク要員でもないエージェントです。
 現状ほぼほぼ使うことのない終結スキルですが、戦闘に与える影響自体は少なくないと見ています。

 特にバージョン1.2現在、支援エージェントの終結スキルは味方のエネルギー回復が付いており、強化特殊スキルの回転率を高める作用がありますこれにより若干ローテーションが複雑化する可能性はありますね。
 支援以外だと、シーザーの終結スキルは「シールドのある敵に当てた際にスキルの与えるブレイク値が倍増する」という特殊な性質があったりして、シールド持ちの敵が相手の時に、より立体的な戦い方ができそうです。



デシベル値に関する扱いの変化

 デシベル値がエージェントごとに個別化されるということは、デシベル値の扱いも変化する可能性が高いです。


 たとえば、歳月の薄片という音動機があります。
 味方エージェントの回避反撃、強化特殊スキル、支援スキル、連携スキルに追加のデシベル値獲得を付与するというものです。

 こういった既存のデシベル値干渉については、1.4以降のデシベル値の数値の仕様変更次第で強さが変化する可能性が高いです。デシベル値が各エージェント3000上限になるのか、1500や1000上限になるのか等でだいぶ話は変わりますよね。あるいはデシベル値は今まで通りの増え方かつエージェント全員に同時に入るようになる、とか。
 もっとも、デシベル値の仕様を変えるならデシベル値に干渉する手段の仕様も同時に変える可能性が高いですから、結局はどう変わるか次第としか言えないところがありますが……


 また、ドライバディスクのステータスについても変更の可能性があるかも?と思っています。
 任天堂の「スプラトゥーン2」というゲームでは、ギアパワーという装備品に付く能力の厳選があるんですが、途中のアップデートで「メイン性能アップ」のギアパワーが追加されたことで、厳選の事情が大きく変わったことがありました。

 同様に、「デシベル値上昇効率」みたいなステータスが追加されれば、ドライバディスク次第でデシベル値を溜めやすいかどうかが変わります。
 今までのデシベル値はパーティで共有でしたから、個人のドライバディスク1枚でパーティのデシベル値が動くのは影響力が大きすぎるような感じもありましたが、各人で管理となればそういう補正があってもいいかもしれません。

 まぁ、既にエネルギー自動回復という強化特殊スキルの回転率に影響するステータス補正があるので、デシベル値まで動くようにすると煩雑になってしまう気もしますけれどもね。


今後の終結スキルと既存の終結スキル

 終結スキルの変更がいつから検討されたかは定かではありませんが、少なくとも1.0時点ではパーティ全員でデシベル値を共有するものという前提でデザインされたもののはずです。
 であれば、当然今後の終結スキルのデザインは既存のものとは異なってくると思います。


 デシベル値の新仕様次第なのですが、たとえば「現在と同じ速度でパーティ各人のデシベル値が同じ量ずつ溜まっていく」という仕様であれば、終結スキルの使用頻度は3倍になります。
 「現在の1/3の速度でパーティ各人のデシベル値が同じ量ずつ溜まっていく」ならば終結スキルの使用頻度は変わりません。ただ、毎回アタッカーで終結スキルを使っていた場合、そのアタッカー個人の終結スキルの使用頻度は3分の1ということになります。


 いずれにせよ、あらゆる終結スキルは「一番強いエージェントが反復使用するもの」から「全てのエージェントが使うもの」に変化します。
 原神の元素爆発みたいなものですね。さすがに元素エネルギーを全て消費して放つ奥義だけあって、ほとんどのキャラは元素爆発を使います。普通に戦っていると通常攻撃や重撃をほぼ使わないキャラはいますが、クールタイムのある元素スキルやクールタイムとエネルギー消費のある元素爆発を使わないキャラはほぼいません。


 ですから、1.4以降、終結スキルは「全エージェントがローテーションの中で必ず使うもの」になりますし、それ前提での調整が行われることになると思います。
 デシベル値の仕様次第ではありますが、もし終結スキルの頻度が増えるのであれば、新エージェントの終結スキルのパワーが落ちるか、敵が強くなるかといった調整が入る可能性はあります。

 ただ、新エージェントのパワーを落とすとデフレになってしまうので、敵が強くなる可能性の方が高いのかな、と思っています。基本無料の課金ゲームは新キャラを徐々にパワーインフレさせることで、継続してガチャを引く動機付けにするものですしね。


 もちろん、急激に敵が強くなるとか、既存の敵がめちゃくちゃ強くなるとか、そこまでの変更は必要なく、今後新登場する敵が高頻度終結スキルですぐに溶けてしまわないようになる、程度のものかなと思いますけれどもね。原神で稲妻から敵が硬くなった、みたいな感じで。
 あと、デシベル値の新仕様次第ではむしろパーティ火力が下がる可能性もありますが……おそらくそうはしないと思います。アップデートでパーティ火力が落ちるって爽快感に欠けますしね。パーティ火力は同程度か軽く増えるか、の可能性が高いと思っています。

 あと、既存のエージェントの終結スキルが調整されるという可能性もありますが……どうでしょうね。
 エージェントを引くのにガチャを回すゲームで、ガチャには課金もしているわけですから、エージェントの弱体化により批判が生じる可能性はあるかと思います。

 まぁ、原神のヌヴィレットのように、バグ修正という形で実質的な弱体化がなされたり、そもそも終結スキル関係のシステム変化によって相対的に弱くなるのも見方によっては弱体化と考えられますが……ただ、積極的に弱くするようなことはあまりないような気がしています。だいぶ不興を買いそうですしね。



 

まとめ

・ゼンレスゾーンゼロの終結スキルはバージョン1.0~1.3だとデシベル値をパーティ全員で共有していたものの、バージョン1.4から仕様変更されてエージェントごとにデシベル値を個別に持つことになると発表されている。

・これにより、アタッカー専用になりがちだった終結スキルがエージェント全員が使うものに変化し、戦闘における終結スキルの扱いが大きく変化しそう。

・実際どうなるかは調整次第だが、おそらくは終結スキルを使う頻度は少し増え、パーティ火力は多少上昇し、その影響で激変ノードなど高難度コンテンツに登場する敵は徐々に硬くなりそうと予測している。

また、今後追加されるエージェントの終結スキルは新仕様を前提に設計されるため、既存エージェントのものとは少し方向性が異なってくる可能性がある。

 ……という感じです。
 個人的には、エージェントみんなが終結スキルを使える方が楽しそうなので、デシベル値に関する仕様変更はとても前向きに受け止めています。ルーシーやニコの終結スキル、使わなすぎて「どんなワザだったかな?」みたいな印象ですしね。
 「パーティ全員で共有のゲージを全消費して放つ、必殺技を超えた超必殺技!」というのもド派手でロマン砲でとてもいいと思いますが、現状せっかく全エージェントに存在する終結スキルの過半数についてほとんど見る機会がないのが淋しいなと感じるので、それなら全員で使う方が楽しそうかな、と思います。

 なお、今回の話題とは全く関係のない個人的な修正要望を書かせていただくと、ゲームパッドを使って遊ぶ時、デフォルトのカーソルがサーバーに合っているのは変えておいてほしいです。
 ゼンゼロを起動してサーバーを選びたいと思ったことが一回もないのに、毎回サーバー選択にカーソルが合っているのを動かさないといけないのがおっくうなので……
 家庭用ゲームのRPGなんかでも「はじめから」「つづきから」があれば「つづきから」にカーソルが合っているものですし、おそらく今後一生触らないサーバー選択より、ゲーム開始にカーソルを合わせていただけると助かります。

 それでは、また。


※本記事の画像はHoyoverseのゲーム「ゼンレスゾーンゼロ」、レベルファイブのゲーム「妖怪ウォッチ2」、任天堂・モノリスソフトのゲーム「Xenoblade Definitive Edition」からの引用です。

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