2025年7月30日リリースの「空と海の導き」で、ベイビィポケモンが登場しました。
ピチュー、ブビィ、バルキー、ピィ、ムチュール、エレキッドの6枚ですね。
HPが30しかないうえに進化もできない永遠の赤子なのを見て、「弱いじゃん」と思う方もおられるかもしれません。
ですが、ベイビィポケモンは強いです。その理由を独断と偏見に基づいて書いてみたいと思います。
エネルギー完全不要の異常な軽さ
ベイビィポケモンはエネルギーを付けずにワザを使えます。
たしかに、効果自体はそこまで強くありません。たねポケモンが1エネで使うようなワザばかりです。
しかし、ポケポケにおいて一般的に後攻有利の理由と言われていた「先にエネルギーを付けられる」「先にワザを使える」という要素の片方は0エネワザによって覆りますし、ピチューやブビィは0エネワザでエネルギーを付けられるので、先攻と後攻が入れ替わるのに近いインパクトがあります。
また、ベイビィポケモンがエネルギーを付けずにワザを使えるということは、そのぶんベンチポケモンにエネルギーを付けて育てられるということです。
これにより、相手からするとHP30のベイビィポケモンはたしかに弱っちくてポイントを取りやすいんですが、倒してポイントを取ったところでベンチポケモンを育てられてしまっているので、そのまま優勢になりにくいのですよね。
強いワザを使うためのエネルギー、原則1ターンに1個しか付けられないエネルギーが、ポケモンを倒されてしまうことでそのポケモンごとトラッシュされてしまうため、ポイントを取られると勝利に近づかれるだけでなく、エネルギーが消えて場も弱くなってしまうというのが辛い点なのですが、ベイビィポケモンに限ってそれはないですから。
ベイビィポケモンは倒しやすいが倒してもあまり旨みがないんです。
また、ベイビィポケモンはエネルギーを付けずに逃げられます。
にげるエネルギー0というのはポケポケにおいて非常に強いため、スターミーexやクロバットなど一部のポケモンにしか配られていないのですが、ベイビィポケモンはこのにげる0を標準搭載しています。
ワザにもエネルギーが不要なので、ベイビィポケモンは一切エネルギーを使わず運用できる、つまりそのぶんベンチポケモンの育成にエネルギーを使えるというのが非常に嬉しいところですし、にげる0はそもそも単体で非常に強いです。
相手のワザでバトル場のポケモンを倒された時、どのベンチポケモンをバトル場に出すか?は悩みどころです。
もちろん、状況からして「これ一択!」ということもあるんですが、「山札からエレメンタルつけかえを引けるならこいつを出せばそのまま勝ちだけど、そうでないなら別のやつがいい、でもその場合はあまり優勢とはいえないから、確率的に最善なのは……?」と考える必要があることも少なくはないでしょう。
しかし、にげる0のポケモンがいるなら、とりあえずそれを出せばいいんです。ターンを迎え、山札からカードを引き、不確定の要素を全て処理したうえで、最善の選択になるよう逃げて入れ替えればいいだけですから。バトル場に出すポケモンを、引きなどの運要素を処理したうえでの後出しで決められるのがにげる0の強い点です。
場が完成してくる中盤以降はベイビィポケモンでワザを使う価値が下がってくるかもしれませんが、にげる0であるという時点で中盤以降も全く役割がなくなることは基本的にありません。デッキの潤滑油になってくれます。
たかがHP30、されどHP30の意外な硬さ
ベイビィポケモンはHPが30しかなく、非常に倒しやすいです。
しかし、上の項目でも書いた通り0エネで運用できるため、ベイビィポケモンを倒しても相手の場からエネルギーを失わせることはできず、相手の場を弱くできないという点で旨みが少ないです。
とはいえ、ポケポケのバトルは3ポイント先取ですから、確実に勝利に近づけるという点では倒しやすいことは倒す側にとってメリットでこそあれデメリットではありえません。そこは確かにそうです。
ただ、ベイビィポケモンのHP30って意外と硬いんですよね。
そこには理由が主に2点あります。
第一に、にげる0であること。
ベイビィポケモンはベンチを育てるために壁として置いておくことはあっても、エネルギーの都合上にげられないということはありえません。
なので、ベイビィポケモンを倒されたくない時にベンチに逃がすことは容易であるため、倒したい時には既にバトル場にいないという状況が頻発します。
また、2025年8月現在のポケポケにおいて、ベンチの任意のポケモンを呼び出すのはけっこう大変です。
アカギなら選んで呼べますが、ダメージを受ける前に逃げられると呼べませんし、ナツメやむしよけスプレーは他のベンチポケモンがいればかわされる可能性があり、スイレンはオニシズクモデッキ専用です。
なので、ベンチに引っ込んでいるベイビィポケモンを倒すのは意外と容易ではないのですよね。まぁ、サワムラーやアブソルといったベンチアタック30ダメージ持ちなら話が早いんですが……
第二に、弱点がないこと。
ベイビィポケモンは「ワザのエネルギー不要、にげるエネルギー不要」に次ぐ第三の長所として、弱点がありません。
たかがHP30で意味があるか?と言われれば、めちゃくちゃあります。というか、HP30だからこそあります。
HP30だと、弱点を突かれれば10ダメージのワザで倒されてしまいます。つまり、弱点のタイプから食らうワザにダメージがありさえすれば確実にやられてしまうということです。
しかし、弱点がないことで、どんなタイプの相手だろうと30ダメージ出されなければ耐えます。
これが強い点で、1エネ30ダメージ出せるたねポケモンは限られるので、先攻1ターン目にワザを使ったベイビィポケモンはけっこうな確率で後攻1ターン目倒されずに生き残ります。
更に「大きなマント」を持てば、HP50で弱点がないことになります。1エネ50ダメージというのは進化ポケモンを含めても誰でも出せるダメージではないので、これも意外と硬いです。弱点がないことでこの安定感が生まれています。
一方でベイビィポケモン自体は弱点を突けるので、「バルキーに闘弱点を突かれて0エネ40ダメージ受けたが、バルキー自身は超弱点でもなんでもないので超の1エネ20ダメージワザで落ちない」みたいなことが生じえます。
ベイビィポケモンを手に入れよう
ベイビィポケモンは「空と海の導き」パックの6枚目枠からだけ出現します。
わたしはポケポケに限らず、ガチャのあるゲームは回す前に必ず排出率の一覧などガチャの説明を読むんですが、意外と読まない人が多いらしいですね。まぁ、たしかに読んでも読まなくても結果は変わりませんから、読むだけ無駄という考え方もありますが……
「空と海の導き」には特別仕様として、通常1パック5枚のところ6枚封入されていることがあります。
この確率が8.33%、つまり12分の1です。
そして、ベイビィポケモンは通常の◇◇◇の枠からは排出されず、この6枚目の枠からしか出ません。ただし、この6枚目の枠はベイビィポケモンしか出ない特別枠なので、6枚目を引けばそれは必ずベイビィポケモンになります。
要は、期待値的には12パックにつき1枚のベイビィポケモンが手に入るわけですね。
なお、ベイビィポケモンの確率は全て同じ……ではなく、イラスト違いの★が存在するブビィとピチューだけ少し確率が高いです。
★が13%、◇◇◇が29%ですから、6枚目枠から手に入る確率はブビィ・ピチューが41%、他が29%です。
ベイビィポケモンは排出率自体はそこまで低くなく、種類も少ないことから次の拡張パックが出るであろう2025年8月末までには無料パックだけでけっこうな数が集まるでしょうし、9月以降はトレードで手に入れるのも難しくないと思われます。
ただ、「早く特定のベイビィポケモンが欲しい」という場合は割と沼る可能性があります(特にブビィ・ピチュー以外)。早く集めたい場合はゲットチャレンジで狙うのも手でしょうね。
まとめ
・ベイビィポケモンはHP30しかないが、とっても強い。
・理由としては、ワザが0エネのためエネルギーを貼る権利をベンチの育成に使えること、にげる0により倒されたくない時にベンチで守りやすく中盤以降も潤滑油になること、弱点がないのでHP30でも意外と耐えることが挙げられる。
・ベイビィポケモンは倒されやすいが、エネルギーを付けないため倒されても場からエネルギーが失われることがなく、場が弱くならない点で優れている。相手からすると、倒しやすいが倒しても旨みが少ない。
・ベイビィポケモンはパックの6枚目枠からしか排出されず、その確率は12分の1。ブビィとピチューはイラスト違いがあるので合計40%以上だが、他は29%。パックをいっぱい剥いていればそのうち集まる確率ではあるが、沼ることもありえるのでトレードを待てないという方はゲットチャレンジで狙うのもいいかも。
……という感じです。
ポケポケにおいて、「0エネでワザが使える」「0エネで逃げられる」というのはどちらもルール破りの反則に近いとっても大きなメリットであり、この2つを兼ね備えたベイビィポケモンが弱いわけはありません。ガンガン活躍させたいところですね。
ちなみに紙のポケカの方でもベイビィポケモンは強いです。特に相手のグッズを使えなくするスボミー、手札が7枚になるまでドローするピィは公式大会レベルの構築でもよく見ました。
なお、紙のポケカは先攻1ターン目にエネルギーを付けられますが、代わりにワザは使えません。それでもこれらが活躍していたことを考えると、やはり0エネ逃げ0は「ガチ」です。
それでは、また。
※本記事の画像は、Pokémon Trading Card Game Pocketからの引用です。