カースドボムという特性、非常に強力です。
H環境のポケカは、元々後攻1ターン目からくるいえぐる、きょくらいごう、ごっつあんプリファイといったサイドを2枚取るワザが平気で飛んでくる環境でしたが、更にカースドボムやブライアによって2ターン目以降のサイドレースも加速し、環境全体が前倒しになっている印象があります。
別にそれが明らかに悪いことだとか、ポケカの魅力を根本的に損なっているとかは思いません。
ただ、カースドボムのパワーがかなり高いのは事実であり、2024年10月2日までの楽園ドラゴーナ環境のシティリーグ16位以上のデッキについて、ヨマワルの採用率は24%でした。4人に1人がカースドボムを採用していると考えて差し支えないでしょう。
良し悪しはさておき、これだけ流行っているなら今後対策カードが刷られる可能性は高いんじゃないかな、と思います。
現状、特性でダメカンを乗せられるのを防ぐ方法がかなり限定されていますからね。
ロストゾーン軸のデッキがずっと環境にいるためにジラーチ(ステラヴェール)やキュレム(トライフロスト)といった対策カードが刷られていましたし、それと似たような流れでカースドボム対策のカードが刷られることは十分考えられます。
本記事では、そんな「カースドボム対策カード」が新たに刷られる場合、どんなカードになるだろう?という予想、もとい妄想をしてみたいと思います。よろしくお願いします。
案1:自滅禁止特性「しめりけ」
特性:しめりけ
このポケモンがいるかぎり、(使ったポケモン)自身をきぜつさせる効果の特性は使えない。
自滅を禁じる特性があれば、シンプルにカースドボムを封印することができます。
楽園ドラゴーナ環境のスタンダードだと対象ポケモンは3匹で、サマヨール、ヨノワール、そしてフォレトスexです。
たった3枚のカードの対策なんて刷っていいの?と思われるかもしれませんが、キュレムの特性「アンチプラズマ」は対象カードがアクロマの実験とアクロマの執念のわずか2枚ですし、対象カード3枚の特性がありかなしかならありだと思います。(なお、エクストラならアンチプラズマの対象カードは増えますが、それは自滅禁止特性も同じです。)
ちなみに、超電ブレイカーに出てくるレアコイルも自滅特性「かじょうほうでん」を持っているため、実は対象は見えている範囲でも4枚あります。レアコイルが出てくるタイミングからしても、超電ブレイカーやその1つ2つくらい先の拡張で自滅禁止特性が出る可能性もなくはないんじゃないかな?とひそかに考えています。
他のカードへの余波を考慮するならば、この案が一番影響が少ないかと思います。
更に、「自滅禁止特性」というとポケモン原作に「しめりけ」というぴったりな特性があるため、原作再現としても完成度が高いです。
HP70のウパーで水か闘タイプ、特性しめりけでいかがでしょうか。カースドボムを使う側からしても、キャンセルコロンやクレッフィで封じることができるという抜け道があります。
ちなみに、特性の解釈を広げて「そのポケモン自身がきぜつするようにダメカンを乗せる特性も使えない」という風にもできます。その場合はオーダイルのトレントハート、ヤドランのへんなこうどう、ルカリオのたけるとうきあたりも状況によっては使えなくなり、ピンポイント対策という印象は少しだけ薄れますね。
案2:ダメカン乗せ全般対策
ダメカンを乗せる特性全般を対策できる特性を出せば、カースドボムも完封できます。
過去の例でいうとゴーリキーで、このポケモンは特性によって自分のベンチポケモンは相手のワザのダメージを受けず、ワザや特性の効果によってダメカンも乗らないという、ベンチダメージに対する完璧に近い防護を備えていました。(なおスタジアムやポケモンのどうぐによるダメージは防げません)
多用されていたわけではないですが、ロストマーチという「だんけつのつばさ」みたいなテーマのデッキでは、小粒なポケモンが多いのでゴーリキーを入れてベンチダメージを対策する構築が時折見られました。
ここまで守ってくれれば確実ですし、げっこうしゅりけんもファントムダイブもまとめて対策できてありがたいですが、実際のところカースドボムを防ぎたいだけであればここまで完璧な防御でなくとも構いません。まぁ、1進化で出すならこのくらいしてくれてもいいかな、とは思いますけどね。
特性:ミラクルヴェール
このポケモンがいるかぎり、自分の(ベンチ)ポケモンは相手のポケモンの特性によってダメカンが乗らない。
スタジアム:ゼロラボ
お互いのポケモンは、特性によって相手のポケモンにダメカンを乗せられない。
ポケモンのどうぐ:ラージパラソル
このどうぐをつけたポケモンがいるかぎり、自分のベンチポケモンは相手のポケモンの特性やワザによってダメカンが乗らない。
名前などは適当ですが、特性によってダメカンを乗せることを禁じる、無効化するといった方向性での対策カードは無数に考えられます。
ただ、問題なのは、巻き添えを食うカードが多いことです。
マシマシラ、かがやくフーディン、マスカーニャex、ユキメノコ、ゲンガーex、ルチャブル……バトル場も対象であれば多数いる反撃系特性も不発になりますし、対象が多すぎて環境の多様性を損ないうるリスクがあります。
なので、特性持ちのたねポケモンとしては少し強すぎるかもしれないことを考慮し、対策の対策がしやすいスタジアムやポケモンのどうぐにする、というのもありではないでしょうか。
まぁ、それだとピジョットexやヨルノズク入りのデッキは対策の対策がしやすいかもしれませんが、要求値を上げられるので多少効果はありそうです。よりクリティカルな対策の方がいいというのはわたしも思いますが、刺さりすぎるのもそれはそれでどうかなとも思うので、塩梅が難しいところですね。
ちなみに、今でもカースドボムのダメカン乗せを防いでくれるポケモンはいます。
まぁ超エネルギーのついたポケモン限定なのですけど……
案3:ダメカン乗せ対策特性(対象限定)
特性:じゅそがえし
このポケモンがいるかぎり、自分のポケモンは相手の超ポケモンの特性でダメカンが乗らない。
特性:こだいのヴェール
このポケモンがいるかぎり、自分のポケモンは相手の進化ポケモンの特性でダメカンが乗らない。
特定の対象からのダメカン乗せを防ぐ特性です。
ダメカン乗せ全般を防ぐと巻き添えが多すぎますし、かといって自滅禁止特性もピンポイントすぎる、ということであれば、カースドボム使いを含む集団に対するダメカン乗せ特性の無効化、というのが1つ落としどころとしてありかもしれない、と思います。
たねポケモンのワザでダメカンが乗らないジラーチがいたんですし、進化ポケモンや超ポケモンの特性でダメカンが乗らないポケモンがいてもおかしくはないでしょうね。
「超ポケモンの特性でダメカンが乗らない」については、そもそも超タイプ自体が特性を含めた絡め手でダメカンをばら撒くのが得意な色なのですよね。ホラー超エネルギーとかのろいのおふだなんかもそうですが……
なので、そのタイプの強みを削ぐというのもどうなんだろう、と思ってしまったりもします。具体的に言うならマシマシラ、かがやくフーディン、テツノブジンex、ムウマージが巻き込まれます。
「進化ポケモンの特性でダメカンが乗らない」については、マスカーニャex、ユキメノコ、ゲンガーex、あとほとんど見ませんがスターミーも巻き込まれます。
あまり環境デッキの採用カードが多くなく、こちらの場合はカースドボムピンポイント対策に近くなりそうです。
今後ダメカンを乗せる特性を持つ進化ポケモンが出た時に巻き添えを食う、というのがいかがなものかな、とも思いますが……あるいはこれをフェイルセーフとして進化ポケモンのダメカン乗せ特性は今後もしばらく強めで刷る、というのも手かもしれません。MTGでいう「強い墓地対策がある環境ではリアニメイト(墓地からの召喚)も強い」みたいな話ですね。
なお、「ルールを持たない進化ポケモンの特性で~」や「悪弱点の超ポケモンの特性で~」など、更に絞ることは可能かと思います。
案4:自滅ペナルティ特性
特性:フェーンウィンド
このポケモンがいるかぎり、相手の番に相手のポケモンがきぜつしたなら、自分はサイドを1枚多く取る。
自滅封印特性ではなく、少し変化球です。
自滅戦法に対するペナルティですね。特性に限らず、ワザも含めて相手が自滅した場合はサイドを1枚多く取れます。
もっとも、エクストラならメテノやスピアーがいるものの、楽園ドラゴーナ環境のスタンダードでは自滅ワザは存在しなかったはずですから、ワザについては反動ダメージのあるワザでHPが尽きた場合に適用されることになりそうです。くるいえぐるとかですね。
自滅自体を防げるわけではないので、相手の行動を制限しないという点で優秀といえるかもしれませんが、それでも自滅するというのなら、試合展開の加速自体は防げません。また、ナンジャモによる手札干渉など、部分的に強くなる要素があります。
ちなみに、ポケモンチェックはどちらの番でもないため、どくややけどのダメージできぜつした場合はこの特性の対象になりません。
まとめ
・カースドボムはとても強く、直近のシティリーグを見るとTOP16のうち4人に1人が採用していた。今後、対策カードが刷られる可能性があるので、どんなカードが刷られるか妄想してみた。
・妄想その1、自滅禁止特性。カースドボム以外だと現状フォレトスexくらいしか対象にならないけど、キュレムのアンチプラズマも対象カード2枚だけだし、環境への影響を考慮すると狙い撃ちにするのもありな気がする。
・妄想その2、ダメカン乗せ全般を妨害するカード。過去にゴーリキー(におうだち)という前例もあるし、対策カードを刷るならこれになる可能性が高そう。ただ、ダメカン乗せ全般対策となると影響力がかなり大きいので、ゴーリキーみたく1進化か、対策の対策ができるスタジアムやポケモンのどうぐが妥当かもしれない。
・妄想その3、特定のポケモンのダメカン乗せ特性を妨害する特性。超ポケモンか進化ポケモンによるダメカン乗せ特性を封じることにすれば、適宜範囲を絞って巻き添えを減らしつつカースドボムを封じることができる。
・妄想その4、相手の番に相手のポケモンがきぜつした時、引くサイドの枚数が1枚増える特性。自滅を封じないもののペナルティを増やすという発想で、ちょっと変化球ぎみ。自滅の勝ち筋は残るので、試合展開の加速は防げないかも。
……という感じです。
色々考えましたが、まぁジラーチ、ゴーリキー、キュレムあたりの流れを汲んで、狙い撃ちのたねポケモンとして出すか、ベラカスみたいに範囲が広い代わりに1進化として出すか、あたりが可能性としては高そうな気がします。
なお、もちろん対策カードが刷られず、スタン落ちまで完走する可能性もあります。三神ザシアンも結局クリティカルな対策カードは出ず、スタン落ちまでオルタージェネシスGXしまくっていたはずですし……
個人的な願望を言うなら、もう少し遅い環境の方が好きなので、カースドボムも対策カードが出てくれた方が嬉しいかな、とは思いますが……さて、どうなるのでしょうか。
それでは、また。
※本記事の画像はポケモンカードトレーナーズウェブサイトからの引用です。
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