あなたはコントロールデッキが好きですか? わたしは大好きです。
本記事は、ポケモンカードにおける対コントロールデッキの戦い方を提案するものです。
ただ、コントロールデッキは普通にサイドを6枚取って勝つタイプのスタンダードなデッキ(コントロールと対比して言うならビートダウンデッキ)とは大きく性質が異なります。
そんな特殊な相手との戦い方を考えるにあたって、自分のデッキの動かし方を知っているだけでは足りません。
孫子曰く「彼を知り己を知れば百戦危うからず」。コントロールデッキのやりたいことを理解することが肝要です。
なので、この記事ではコントロール好きのわたしが、コントロール使いの視点から対コントロールを考えてみたいと思います。よろしくお願いします。
【目次】
・コントロールデッキとは
・山札切れ(LO:Library Out)による勝ち筋
・にげるロック
・エネルギー枯渇によるロック
・無効化によるロック
・ガチグマビート
・まとめ
コントロールデッキとは
コントロールデッキのControlとは「妨害する」という意味の俗語です。
すなわち、自分から積極的に勝ちに行くのではなく、まずは相手のやりたいことを妨害し、そのうえで自分の勝ち筋を通す、というのをメインプランにしているのがコントロールデッキです。
勝つ手段が何か?というのは、デッキの定義的にはあまり重要ではありません。山札切れ(LO、Library Out)を狙うのはもちろん代表的なコントロールデッキの勝ち筋ですが、たとえば相手のエネルギーを枯渇させて無抵抗な状態にしたうえでサイドを6枚取るのもコントロールデッキの勝ち筋としてなんらおかしくはありません。
また、ビートダウンデッキがコントロール的なプレイングをすることもあれば、コントロールデッキがビートダウンすることもあります。
前者は、入れ替え手段の尽きたリザードンexデッキに対してビーダルを縛って勝つ(※1)とか、ベンチを呼ぶ手段の尽きた相手に対してミミッキュを前にしてアドレナブレインでサイドをまとめ取りして勝つとかですね。
後者は、ピジョットコントロールを使っていて相手が事故っている時、あえて受けに回らずともピジョットexにダブルターボエネルギーを付けて進化前たねポケモンを次々倒していく方が勝ちやすい、なんてことがあります。結果的にピジョットexでビートダウンしたような形になりますね。
結局のところ、コントロールデッキとしては「妨害して、遅延した先でどうやって勝つか?」が重要であり、結局のところ勝ち筋さえ封じてしまえば、いくら妨害して遅延されようと、コントロールデッキ自身が真綿で首を絞められるように、緩慢に敗北へと近づいていくだけです。
そして、逆に言えばコントロールデッキ側に勝ち筋が残っている限り、ビートダウンデッキ側がサイドを何枚取ろうと関係ありません。サイドを5枚取られたとしても、詰ませてもうサイドを取れなくしてしまえば、コントロールデッキ側の勝ちなのですから。
なお、コントロールデッキの定義もファジーなところがあり、グッズロック系統や特性ロック系統など見ようによってはコントロールに分類されるデッキは多いのですが、本記事ではカビゴンLOやピジョットコントロールのような、サイド6枚取りをメインプランにしない受け身のデッキに絞ってお話します。
山札切れ(LO:Library Out)による勝ち筋
多くのデッキはサイドを6枚取って勝つ構築をしています。
逆に言えば、サイドを取れない状況、つまりポケモンを倒すための攻撃行動がとれない状況に相手を追い込むことで、相手はサイドを取って勝つことが出来なくなります。
こちらからも攻めないでいると、お互いに勝つ手段がないので試合は膠着し何も起きなくなりますが、やがて先に山札の切れたプレイヤーが敗北します。ポケカはターン開始時に山札からカードを引けないと負けになるからです。
そこで、コントロール側だけが山札を回復する手段を持っていれば、一方的に勝つことができます。
ピジョットVは特性「きえさるつばさ」によってベンチから山札に戻ることができるため、自分の番になるたびピジョットVを出して山札に戻すことで、山札切れがなくなります。
また、クセロシキのたくらみという、手札が3枚になるまでトラッシュさせるサポートもあります。
攻撃行動が取れない「詰み」の状態に陥ったビートダウンデッキは手札が使えず溜まっていくことになりますが、そこでクセロシキのたくらみを使ってビートダウン側の手札を大きく減らしてしまえば、ナンジャモを使って山札枚数の回復を図ったとしてもビートダウン側の山札が先に尽きるため、LO勝ちできます。
そのため、最近はピジョットVを採用せずLO勝ちを狙うコントロールデッキも増えています。
なお、「相手に勝つ手段がなくなったなら、こちらから攻めて倒せば勝ちでは?」と思われるかもしれません。
それも状況次第では正しいのですが、攻めることが裏目に出るケースも少なくないです。
たとえば、「相手の場にexポケモン6匹、自分の場にはミミッキュ1匹、サイドは自分が6枚、相手が1枚」だとします。
この状況、相手はミミッキュに有効打がないためサイドを取れず、こちらの方が山札が多い限り、相手が先に山札切れで敗北します。
しかし、ミミッキュにエネルギーをつけてゴーストアイで攻撃してバトルポケモンを倒した場合、ベンチが1枠空きますから、そこにexでもVでもないポケモンを出し、バトル場と入れ替えて攻撃することでミミッキュを倒し、サイドを取り切って勝てる可能性が出てきます。(※2)
このように、詰んでいる相手を下手につついてしまうとそこから相手に勝ち筋が生まれることがあるため、詰ませたと確信したなら後はドローゴー(即ターン終了)で問題ありません。1ターン1秒です。公式大会でもコントロールデッキの試合では時折ドローゴーが見られますね。
コントロールデッキは時間切れが心配になりますが、本当に詰んでしまえばどちらかの山札がなくなるまでお互いドローゴーを繰り返すだけになりますから、25分でも試合は終わります。
もちろん、不慣れでプレイに時間がかかったり、あるいは意図的な遅延をされたりすると時間切れになる可能性はありますが、それはビートダウンデッキ同士の対戦でも同じことですからね。
ここまでで、「山札切れがコントロールデッキの有力な勝ち筋の1つ」であることがご理解いただけたかと思います。
「積極的に山札を削りにいかないのは不快」と感じる方もおられるかと思いますが、実際のところちゃんと詰ませられるのであれば、山札を削る理由が乏しいのですよね。それなら、山札を削るカードを入れるよりも詰ませるためのカードを増やした方が勝率が上がることになります。
あと、「投了するのが嫌」という意見もあって、これは個人的に不思議です。将棋でも王様を取られて負ける人はいなくて基本的に投了で決着しますし、明らかに詰んでいるなら投了で決着するのが普通のことのように思えるのですよね。
このLOそのものの対策は困難です。
ピジョットVを採用したとしても、クセロシキのたくらみを連発されて手札と山札の合計枚数を6枚以下にされてからのナンジャモで負けますし、おはやし笛でベンチを埋められるとピジョットVを出せません。山札を1~2枚にしてもイーユイexでトドメというケースもあるでしょう。
LO狙いのコントロールプランについてはさすがにコントロールデッキ側に分があり、コントロール相手にコントロールプランで勝つことはさすがに難しいです。
そのため、ビートダウン側の勝ち筋としてはLOされる前に勝ちきるのが重要です。
カビゴンLOやピジョットコントロールは、積極的に山札を切削してくるというよりはビートダウンを何もできない状態にして(ロックして)、その後LOするのを待つ、というスタイルなので、ロックされる前にサイドを6枚取ることがビートダウン側の目標になります。
では、コントロール側がいかにしてロックしてくるか?についての解説と、その対策を考えてみます。
にげるロック
ワザを使えないポケモンをバトル場に縛りつけ、入れ替えを封じれば、盤面ロックの完成です。
特に現環境ではポケモンいれかえのような入れ替え系カードの採用が少ない傾向があり、カビゴンLOなどが幅を利かせる一因となっています。
「カビゴンLO」というデッキ名の由来にもなっているカビゴンは、このにげるロックの象徴です。
特性により相手のバトルポケモンを逃げられなくすることができ、非ルールのたねでHP150と耐久力も抜群です。
特性によるロックというのが若干頼りなく、キャンセルコロンで解除されるのはもちろん、ベンチをカビゴンだけにしておかないとボスの指令でも解除されます。当然、ハバタクカミをロックすることもできません。
ただ、ワザを使わなくていいため、相手をロックしながらロトムVのそくせきじゅうでんを使えるメリットはあります。
クチートもまた、強力なにげるロックの使い手です。
カビゴンと違って無色1個でワザを使う必要はありますが、特性によるロックではないのでキャンセルコロンやボスの指令で解除されません。純粋に入れ替え系カードを使わないと解除できず、堅牢です。ただ、ベンチを呼び出され、返しの番でクチートをバトル場に戻せないと、遅発的に解除されます。
オーガポン いどのめんexもまた、にげるロックが可能です。
無色1個でにげるロックなのはクチートと同じですが、クチートは次の番に相手の受けるダメージを+90しますが、こちらには20ダメージが付いています。
なお、ダブルターボエネルギーを使うと0ダメージになり、クチートと似たような動きになります。ロックして勝つ場合は永続性が重要であり、たかが20ダメージでも蓄積して倒してしまうと負け筋に繋がる可能性もあるため、にげるロックで詰ませられるならダメージは無い方が嬉しいです。
非ルールのクチートに分があるようにも思いますが、こちらは耐久力があったり、テラスタルなのでベンチ狙撃で倒されなかったりと、クチートにない利点もあります。あと、対戦をオーガポンスタートした場合にコントロールという確信を相手に与えない可能性があります。ルギアや大空洞パルキアでも採用されうるカードですからね。
クチートも以前サーナイトデッキ対策でビートダウンに採用するケースが稀にありましたが、実際のところほぼほぼコントロールでの採用なので、クチートスタートはおおむねコントロールとあたりをつけられてしまうでしょう。
コントロールデッキは相手が先攻1ターン目でどれだけ展開してくれるかで詰ませる難易度がけっこう変わるので、ビートダウンに偽装できるメリットは意外と馬鹿にならないところがあるのも事実です。
なお、入れ替え手段を枯渇させるための手段として、ビワや野盗三姉妹、レントラーVなどによる手札/山札破壊が使われるケースがあります。
サポートの使用自体を防ぐことは困難ですが、コントロール側が他に優先すべきサポート(ボタンとかペパーとか)があればそちらを使わざるをえないため、コントロール側に隙を与えないのが1つ対策にはなります。
これら「にげるロック」による対抗策はいくつかあります。
まずは、デッキの入れ替え系カードを温存すること。
あまり後生大事に握っていてもビワなどで落とされるのですが、雑に入れ替え系カードを切ってしまうと詰みが早くなるため、ちゃんとサイドを取れるような切り方をすることが重要です。
また、フトゥー博士のシナリオなども疑似的な入れ替えカードではあるため、このあたりも重要です。グッズではないのでビワや野盗三姉妹で落とされないのが魅力ですね。
次に、攻撃できないポケモンを出さないこと。
たとえば、水エネルギー不採用デッキにおけるかがやくゲッコウガは、コントロール側からすれば格好の縛り対象であり、おはやし笛やエリカの招待でなんとか出させたいポケモンです。
なので、手札に来たら早めにハイパーボールなどでトラッシュしたり、ナンジャモで山札の底に沈めたり、ロストスイーパーでロストゾーンに置いたりすることで縛られる危険を減らせます。
ただ、ロトムVやネオラントVなど、ワザを使えないけどドローやサーチが強いポケモンを一切出さないと、それはそれでコントロールデッキ側に時間的猶予を与えてしまうため、バランスが難しいところではありますね。
また、モモワロウexやゲンガー(ナイトゲート)のような入れ替え特性を活用する方法もあります。
モモワロウexはタイプ限定、ゲンガーは2進化なので汎用的ではないかもしれませんが、特性によって無限に入れ替えられるのであれば当然にげるロック自体が不成立となります。
コントロール側もハバタクカミ+重力玉やアカツキ ガチグマex+ロストシティなどで対抗することはできますが、採用されているとしんどいのは確かです。
ただ、問題なのはコントロールに対して勝率が高くなるとしても、そのぶんコントロール以外に対して勝率が落ちるのなら、トータルで積み得なのか積み損なのか?というところですね。これは環境におけるコントロールの割合にもよるんですが、マイナーデッキをメタって勝率を落とすというのは非常にありふれた現象なので、しっかり評価する必要があるかと思います。
エネルギー不足によるロック
相手を逃げられなくする特性を使わなくとも、逃げるために必要なエネルギーがなければ逃げられず、ロックが成立しえます。また、ワザを使うためのエネルギーを増やすこともロックの手段となります。
ただ、ビートダウン側もさすがに自らエネルギーを枯渇させることは少ないと思いますから、コントロール側から働きかけてエネルギー不足に追い込む必要があります。
定番のエネルギー破壊、クラッシュハンマー。
コイントス依存なのが難点ですが、グッズかつ基本エネルギーも対象にできる点で優れます。
すごいつりざお等、トラッシュからエネルギーを回収される可能性もありますが、そっちはそっちでビワを使って落とすのを狙う、というのもありですね。
受け身なエネルギーリムーブ、ハンディサーキュレーター。
相手のワザでダメージを受けた時、相手のバトルポケモンのエネルギーを好きなポケモンへと動かします。
トラッシュにエネルギーを落とすと回収されてしまいますが、ベンチに移動させれば逃げてトラッシュした後に回収と、より多くの手間を要求できます。
ロトムVのようなワザに必要なエネルギーが不採用のポケモンに移してもいいですし、ピジョットexのような逃げる0のポケモンにエネルギーを動かしておけば、もはやそのエネルギーは回収できない可能性も高いです。逃げる0なのでトラッシュできませんし、かといってこちらからは倒しませんからね。
エネルギーをロストゾーンへと送り込む、バッフロンのロストヘッドもあります。
ロストゾーンに置かれたカードを回収する手段は存在しないため、非常に強力です。
ワザに3エネ必要なのが玉に瑕でしたが、カウンターゲインの登場により実質2エネで動けるようになりました。空盤面に着地してダブルターボエネルギー、カウンターゲインで動けます。エネルギー採用が6枚程度のデッキであれば、5枚ロストゾーンに送って身動きできなくすることも不可能ではないでしょう。
重力玉は、相手のにげるエネルギーを増やすことによりエネルギー不足を誘発します。
たとえば、エネルギーの採用が6枚のリザードンexデッキで、既に場にエネルギーを合計5枚付けている場合、相手のバトル場にエネルギー1枚のリザードンexを呼び出し、こちらのバトル場に重力玉を持ったミミッキュを出せば、縛れます。
なぜならバトル場にエネルギーをつけてもしんぴのまもりでミミッキュにダメージは通らず、さりとて逃げようにも重力玉の影響でにげるエネルギーは3個になっているので逃げられません。入れ替え手段がなければ詰みです。
ただ、この場合7枚目のエネルギーやロストスイーパーの採用があると普通に逃げられてしまうため、そこが難しいところですね。ミミッキュを複数枚採用していればリスクヘッジになるのもあり、コントロールデッキはミミッキュの複数採用が多い傾向にあります。
また、ポケモンリーグ本部やクエスパトラexなど、ワザに必要なエネルギーを増やすカードを用いることで、エネルギー不足によるロックがより決まりやすくなります。
ビートダウン側としては、エネルギーの管理が要点になります。
特に、エネルギーの少ないデッキだと場にポケモンを出しすぎるとエネルギーを全員に付けられなくなり、逃げられないポケモンが出てきます。コントロールデッキはあまり積極的にダメージを与えてこないですから、ポケモンを大量展開する必要はありません。
少数精鋭のアタッカーのみ出していれば、場に必要なエネルギーも減り、エネルギーがなくて逃げられないポケモンが出てこないほか、そもそも誰をバトル場に呼ばれても攻撃できるためサイドをガンガン取っていくことができます。
ただ、もちろんコントロール側もおはやし笛やエリカの招待でポケモンを並べさせようとしてきますので、そこは駆け引きですね。
無効化によるロック
詰ませる方法には「殴れないポケモンを縛る」だけでなく「殴っても意味がない状態を作る」もあります。
代表的なのがミミッキュで、相手の盤面がex/Vポケモンで埋まっている状態でミミッキュを出せば、相手からの有効打はなくなり詰みが発生します。
コントロール側からすれば、おはやし笛やエリカの招待などを駆使してex/Vポケモンで場を埋めさせる、というのが1つ勝ち筋になりますね。キャンセルコロン等で突破されるケースもあるため、2匹以上置いていると安心です。また、exやVであってもワザの効果は通るので、ミストエネルギーが付いていればより磐石です。
オーガポン いしずえのめんexも無効化使いの代表格です。
相手のデッキのアタッカー全員が特性持ちであるならば、オーガポン いしずえのめんexの特性によって詰ませることができます。特性を持たないポケモンがいたとしても、大して強くないならばぶちやぶるで倒してしまうこともできます。
リザードンexデッキなんかは特性持ちポケモンが多いので、オーガポン いしずえのめんexで勝てる場合があります。ただ、ヨノワールのカースドボムは通るため、場をオーガポン いしずえのめんexだけにした場合、カースドボム2連発で負けになる可能性もあります。要注意ですね。
類似のポケモンにアローラロコンVSTARがいますが、オーガポン いしずえのめんexはたねポケモンであり取り回しがよく、アローラロコンVSTARだと水エネルギーも必要になるため、オーガポン いしずえのめんの方が見る機会が多いとは思います。
オンバーンexは、ワザ「おんみつひこう」によりたねポケモンからワザのダメージを受けません。
そのため、たねポケモンだけで構成されたタケルライコex+オーガポン みどりのめんexのようなデッキに対して、詰ませる戦法が狙えます。
なお、ボスの指令+プライムキャッチャーなどでオンバーンexを一度ベンチに引っ込めてから出し直しさせることで、ワザの効果を消してダメージを通せます。そのため、コントロール側はその対策としてボタンやフトゥー博士のシナリオなどでオンバーンex以外を場から追放し、オンバーンex1匹の盤面を作ることが肝要です。
ワザの効果による無効化なのでキャンセルコロンは効きませんし、ミストエネルギーを付ければくるいえぐる等も通らず、鉄壁になります。あとはおんみつひこうの70ダメージを連発すればいずれ勝てます。
1進化なので場に出すのがやや面倒ですし、たね主体のデッキからすればオンバットは最優先除去対象ですが、ネジキを駆使するなどしてねじ込んでいければいいですね。
これら無効化に対するビートダウン側の対策は、詰まない盤面を作る、というものです。
ミミッキュで詰むのでex/Vだけの盤面を作らない、オーガポン いしずえのめんexで詰むので特性持ちだけの盤面を作らない……といった塩梅ですね。
ただ、オンバーンexをはじめ、正直構築段階で詰んでいるケースがあり、「出されると負け」ということも珍しくありません。
その場合は出させないことが重要です。タケルライコex+オーガポン みどりのめんexのデッキはたしかにオンバーンexでほぼほぼ詰みますが、オンバーンexが出てきてロックが成立する前にサイドを6枚取ってしまえば勝てます。オンバーンexで詰んでいるデッキならオンバットを見つけ次第最優先で倒すのもありですね。
ガチグマビートダウン
コントロールはどうせ攻撃してこないから、殴られる心配はしないでヨシ!
……と思っていると痛い目を見るのが、終盤のガチグマ アカツキexによるビートダウンです。(※3)
特に、カビゴンやクチートに縛られるのを恐れて場のポケモンを絞っていた場合、終盤にナンジャモで一気に手札を減らしてからのガチグマ アカツキexで、場のポケモンを0匹にしての勝ち筋を狙われるリスクがあります。また、ガチグマ アカツキexにヒーローマントが付くとHP360になり、そう簡単には倒せません。
ガチグマ アカツキexがいなかった頃は「コントロール相手にギラティナV1匹だけ出してひきさく連発してたら、終盤かがやくリザードンが出てきて負けた」というケースがありましたが、それと似ています。
コントロールデッキもガチグマ アカツキexを採用していたり採用していなかったりしますが、「対コントロールでは終盤にHP260(+50or100)、240打点のラスボスが出てくる可能性がある」というのは頭の片隅に入れておいた方がいいかとは思いますね。
なお、ガチグマ アカツキexがいくら強いといっても、終盤にそれ一本のビートダウンで勝てるほど強いかな?と疑問を持たれる方もおられるかもしれませんが、対コントロールの戦い方、場の整え方、手札の使い方をしてきたところで急にビートダウンされると勝ちきれないケースは十分ありえます。
たとえば、水エネルギーの採用がないので縛られるかがやくゲッコウガは出さないとか、そもそもサイドを引いてこないのでキチキギスexは出さないとか、そういう立ち回りをしているとナンジャモ+ガチグマ アカツキexで急に手札を減らされた時の復帰手段が限られますしね。
コントロールデッキの弱点
コントロールデッキには、おおむね共通の弱点があります。
それは、「できる限り無効化持ちのポケモンや、サイドを1枚しか取られない非ルールのポケモンを押しつけ続けて勝ちたいものの、無効化持ちや非ルールだけではデッキが回せない」ということです。
カビゴンLOにしろピジョットコントロールにしろ、ロトムVやピジョットexといったドロー・サーチ要員を採用するケースがほとんどです。
そして、ロトムVやピジョットexは盤面の構築や行動の選択肢の確保に役立つ反面、それ自体はロックや無効化系の特性を何ひとつ持っていません。
ここが、コントロールデッキのアキレス腱です。
正直、「とおせんぼカビゴンを6匹倒さなければならず、最初から攻撃できないシステムポケモンを強制的に場に置かされて、カビゴンを倒すたびにそれを呼ばれてしまう」としたら、多くのビートダウンデッキはお手上げでしょう。きょうび、入れ替えカードを6回ぶんも入れているデッキは稀ですしね。
しかし、コントロール側もロトムVやピジョットexなしにそこまでブン回せることはごく稀ですから、それらの置かれた盤面というのは当然つけ入る隙があります。
すなわち、序盤に出されたロトムVやピジョットexを速やかに倒すことで、サイドレースを有利に進められるのみならず、コントロール側が状況に応じたカードを手札に引き込むのを妨げ、ペースを持っていくことができます。
にげるを封じてくるカビゴンやクチートをどんどん倒したくなるかもしれませんが、ドロー要員やサーチ要員が元気でいるうちは仮に倒したとしてもまた回収されて出てくる可能性が高いです。ドローやサーチを断ってからロック要員を倒すことで、コントロール側の場が立て直せなくなり、そのまま勝てる可能性が高くなります。
まとめ
・コントロールデッキを対策する方法を考えてみた。
・コントロール側の基本の勝ち筋として、ビートダウン側を詰ませた(動けない状態にした)うえでの山札切れ狙いがある。そのため、詰まされない方法を考えることや、詰まされる前にサイドを6枚取ることが重要。
・カビゴンやクチートを用いた「にげるロック」の脅威から逃れるには、攻撃できないポケモンを出さないことや、入れ替えカードを的確に使うことが重要となる。ただ、ドロー要員やサーチ要員を出さないとそれはそれでコントロール側に時間的猶予を与えてしまうため、塩梅が難しく、デッキにより最適なやり方は異なる。
・ハンディサーキュレーターやクラッシュハンマーを用いた「エネルギー不足によるロック」に対しては、ベンチを広げすぎないようにしたり、エネルギー回収手段を有効活用したりすることが重要。
・ミミッキュやオーガポン いしずえのめんexを用いた「無効化によるロック」に対しては、これらのポケモンで詰まないよう多角的な攻めができるポケモン展開が重要となる。ただ、構築段階で詰んでいるケースもあるため、その場合はロック成立までにサイドを6枚取り切る迅速な攻めが解決策となる。
・ロックしてLOが基本戦術の1つではあるものの、ガチグマ アカツキexなどを利用したビートダウンプランへの切り替えも可能ではあり、特に終盤は警戒が必要となる。
・コントロールデッキは上記のような勝ち筋を搭載しているものの、無効化やにげるロックが可能なポケモンだけでデッキを回すのは困難であり、ロトムVやピジョットexといったドロー要員、サーチ要員が登場する。そこを速やかに倒すことで、サイドレースを有利にし、コントロール側の場の完成を遅らせ選択肢を狭めることができる。
……といったところです。
ある程度網羅的に書いたつもりですが、字数が10000字を超えてしまったので、割愛した部分もあります。
なお、ピンとこない場合は自分でコントロールデッキを使ってみるのが早いです。対戦開始時に相手の場を見て「どの勝ち筋でいけるかな」と推測を巡らせ、相手の場の展開を見つつ「この勝ち筋は消えた……こっちは厳しい……ここはこれでいこう」とゲームプランを立てていくあの感じは、使えば分かると思います。
実際のところ、この「マッチアップや場の状態から勝ち筋を探し、その勝ち筋から逆算して動きを決める」というのはコントロールデッキだけでなくビートダウンデッキでも日常的にすることですが、コントロールデッキは自分で使わない人が多いがゆえにその感覚をしっかり掴めないケースがあるかと思いますから、そこさえ克服できれば対コントロールもやりやすくなるはずです。まさに「彼を知り己を知れば」ですね。
それでは、また。
※1……「縛る」というのは、(主にまともな攻撃手段を持たない)ポケモンをバトル場に呼び出して(にげるエネルギーの不足や逃げる行動を阻害する特性によって)逃げられなくすることで、相手を身動きできなくすることです。
※2……相手がネジキを持っていてトラッシュの非ルールのたねポケモンとバトル場を入れ替えて勝利、あるいはキャンセルコロンで勝利、等のパターンもあるので、動かないのが絶対正解というわけではないのですが、説明がややこしくなるので省略しています。
※3……かがやくリザードンを使うケースもあります。
※本記事の画像はポケモンカードトレーナーズウェブサイトからの引用です。
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