2024年7月19日発売の拡張「ステラミラクル」に収録されている新カード、ディアンシーです。
今回、このカードが面白いなと思ったので、わたしの考えを書いてみたいと思います。よろしくお願いします。
・特殊エネルギー対策の「らんはんしゃ」が強力
相手の場の特殊エネルギーの枚数に応じたダメージを与えるワザです。
明らかにこちらがメインで使われるワザだと思います。特殊エネルギーを多く搭載するデッキに対するカウンターになっています。無色1個で使えるワザなので、どんなデッキにでも入りますね。
現環境では特殊エネルギーを多数採用するデッキというのはあまり無いのですが、大いなる外れ値としてルギアVSTARが存在します。ルギアVSTARデッキは原則特殊エネルギーしか採用していないため、強く刺さる相手と言っていいでしょう。
ただ、ルギアVSTARはHP280で闘抵抗を持つため、「らんはんしゃ」一発で倒すには場に特殊エネルギー8枚がついている必要があり、けっこう高いハードルだと思います。
「らんはんしゃ」は特殊エネルギーの個数ではなく枚数を参照するので、ダブルターボエネルギーを付けていても2個分として計算してくれません。ルギアVSTARがダブルターボ・ミスト・ギフトあたりの3枚で攻撃してくるのなら、ベンチに特殊エネルギーが5枚ついている必要があります。
ディアンシー自体が1エネで動けるたねポケモンですから、ネストボールから手貼りで急襲できる都合上、ベンチに置いておく必要はなく相手に警戒されるリスクは低いものの、ルギアVSTAR側も自然にプレイしていて自分の場に特殊エネルギーが同時に8枚つくかというと、必ずしもそうではないように思います。
なお、ルギアVはHP220の闘抵抗なので、特殊エネルギー7枚必要です。こちらもしんどめですね。
もっとも、ルギアVSTARデッキで使われるテツノカイナexやガチグマ アカツキexに対しては鮮やかに刺さります。
これらは闘抵抗を持っていないどころか闘弱点ですから、テツノカイナexは特殊エネルギー3枚、ガチグマ アカツキexは特殊エネルギー4枚あれば一発です。
まぁ、HP230やHP260であれば別にディアンシーでなくともそのデッキのメインアタッカーで倒せるよ、という感じかもしれませんが、相手からすると非ルールかつ1エネで動くたねポケモンがワンパン火力で攻撃してくるのってかなり嫌ですからね。高火力非ルールが強いのはチラチーノと同じですし、ディアンシーは倒しても夜のタンカ等で蘇ってすぐにまた攻撃してくる可能性があるのがなお厄介です。
あとは、単純にチラチーノをディアンシーで倒すだけでも意味はあるかと思います。デッキによってはチラチーノのHP110をex/Vでしか突破できず、返しに別のチラチーノに殴られてサイドを2枚取られつつまたバトル場には非ルールのチラチーノが鎮座……というケースがありますが、こちらも非ルールのディアンシーで対抗すれば、ルギア側の要求を上げてサイドレースの不利を覆せるかもしれません。
・対ルギアVSTAR以外の実用性について
現状では微妙だとは思います。
このカードは対ルギアVSTARで有用なカードでありつつ、今後特殊エネルギーが流行った際に使えるメタカード、抑止力、フェイルセーフ的な役割があると思います。特にルギアVSTARがスタン落ちする2025年以降なら、強い特殊エネルギーも今より出しやすくなるでしょうからね。
ですから、正直なところ面目躍如は来年かな……という気もするのですが、そうはいってももう7月19日から使えるカードですし、ステラミラクル環境での対ルギアVSTAR以外での実用性についても考えてみたいと思います。
ルギアVSTAR以外で特殊エネルギーを採用している環境デッキといえば、どれでしょうか。
まずはゲッコウガexですが、まぁ難しいでしょう。ダブルターボエネルギーを使うものの、ぶんしんれんだでトラッシュしてしまいますし、場に2枚付くことすら稀だと思います。そして、仮に2枚ついたとしてロトムVすら落とすことはできないわけですから、利用価値はかなり低いといえます。
アルセウスギラティナあたりはどうでしょうか。アルセウスVSTARがダブルターボエネルギーを使いますし、構築によってはジェットエネルギーの採用もあります。更にはアルセウスVSTARが闘弱点ですから、刺さる時は刺さりそうです。ただ、アルセウスVSTARワンパンには特殊エネルギーが4枚必要であり、場に4枚もつくことはさすがにほぼないと思っていいでしょう。
他は……特殊エネルギーを何枚も採用するデッキというのは、環境デッキの中にはなさそうです。まぁ、ゲッコウガexとアルセウスギラティナも環境デッキかというと怪しいですが、この辺を除くと本当にルギアVSTARだけになってしまいそうなので、挙げさせてもらいました。
……まぁ、厳しいですよね。
そもそもアーケオス+ルギアVSTARという特殊エネルギーの最強バックアップがあるがために特殊エネルギーのパワーが抑制されぎみで、しかも基本エネルギーについては大地の器やミラージュゲートといった優秀なサーチや加速があり、ステラミラクルでは追い打ちのごとくガラスのラッパまで新登場します。
いくらテラパゴスexが闘弱点といえど、ディアンシーの居場所は無さそうに思えます。いえ、無くはないかもしれませんが、ほぼ対ルギアVSTAR専用でしょうね。まぁ、1枠で動いて逃げる1でHP110と悪くありませんし、マッチアップ的に対ルギアVSTARがしんどいデッキで採用の余地があるくらいでしょうか。
対ルギアVSTARを考慮するなら闘タイプより雷タイプの方が嬉しかった気もしますが、ロトムV、テツノカイナex、ガチグマ アカツキex、キチキギスex等、闘弱点の汎用ポケモンも多いですから、特殊エネルギーの採用率が増えるなら今後活躍が期待できると思います。ただ、それは1ヵ月や2ヵ月先ではなく、早くて2025年かな……という気もしています。
まとめです。
・ディアンシーはワザ「らんはんしゃ」による特殊エネルギー対策のポケモン。ただ、おそらくステラミラクル環境ではルギアVSTARデッキくらいにしか刺さっておらず、ほぼルギアVSTARピンポイント対策になりそう。
・対ルギアVSTARデッキだと、ルギアが闘抵抗なので倒しにくい難点はあるものの、テツノカイナexやガチグマ アカツキexは闘弱点なので鮮やかに刺さり、またexやVを出さずとも1エネ非ルールでチラチーノを倒せるのもサイドレース的にありがたいところ。
・今は基本エネルギーが強いけど、今後特殊エネルギーの採用率が増えてきたら活躍しそう。メインアタッカーを倒せなくても、闘タイプを活かしてロトムVやキチキギスexといった汎用的なポケモンの弱点を突いて倒せるので、特殊エネルギー一辺倒のデッキ相手じゃなくても活躍の可能性はある。
……という感じです。
わたしはこの手のメタカードが大好きなのですが、現状そこまでかなとは思いますね。基礎ダメージ、素点が20でもあれば、相手が特殊エネルギーを1枚つけた時点でマキシマムベルト込みでキチキギスexを倒せたりしたんですけども。
まぁ、あまりカジュアルに特殊エネルギー入りデッキを対策されても困りますし、ちょうどいい塩梅なのかもしれません。ルガゾロ、UBジラサン、セキタンザンVMAXみたいな特殊エネルギーだけで動くようなデッキが増えた際には、ぜひ採用してみたいと思います。
それでは、また。
※本記事の画像はポケモンカードトレーナーズウェブサイトからの引用です。
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