わたしはゼノブレイドシリーズをWii・DE・2・3とプレイ済です。
クロスは触っておらず、追加コンテンツ系もあまりやっていません。
その範囲で感じるのは、全部名作で最高のゲームだということ、そしてチェインアタックはなんだかんだでDEが一番気持ちいいと感じること、です。
ただ、戦闘システム自体はシリーズが進むにつれて改良が続いているはずで、なのに初代のチェインアタックが一番気持ちいいって感じるのはどうしてだろう?と思い、その理由について考えてみました。よろしくお願いします。
・ボタンチャレンジのアクション性
初代(Wii・DE)のチェインアタックには、ボタンチャレンジがありました。いわゆるQTEで、画面上に出てくるボタンをタイミングよく押すというものです。
このボタンチャレンジ、初代が最も難しく、かつ効力も高いです。
チェインアタックを繋ぐには、ボタンチャレンジをぴったり止める「大成功」または範囲内で止める「成功」でなくてはいけませんが、「成功」がただチェインアタックが繋がるだけなのに対して、「大成功」は次のチェインリンクの出現率+20%というボーナスが付きます。要するに、ボタンアクションで大成功すると次にチェインアタックが繋がる確率が20%増えるということです。
チェインアタックが繋がる確率は各キャラのテンションやキャラ間のキズナ値、チェインリンク絡みのスキルによって決まっていますが、どれだけ条件を整えても80%までしか上げることはできません。ここにボタンチャレンジ大成功による補正を加えると100%となります。
運ゲーのイメージが強い初代のチェインアタックですが、理想的な下準備をすれば目押し大成功する限り100%繋がり続けるのです。まぁ頭打ちはありますし(5周だったかな?)、最初のチェインリンク出現(1巡のタイミング)だけは目押しの補正がかかりえないので運要素ですけどね。
ボタンチャレンジはチェインが繋がれば繋がるほど加速して難しくなりますし、Wii版は特にコマ落ちしやすいので実質運要素みたいなところでもありましたが、それはそれとしてボタンチャレンジという目押し要素がチェインアタックに与える影響は大きかったのです。
一方、ゼノブレイド2ではチェインが繋がるか否かにボタンチャレンジは関係ありません。
属性の玉を破壊するともう1巡、というルールですが、破壊できるか否かはランダム要素が絡みつつもパーティ編成も重要になってくるカードゲーム的な楽しさがあり、これはこれでいいんですが、目押し要素はありません。ボタンチャレンジはあくまでアーツの火力に関わるものです。1巡する際のボタンチャレンジを失敗すると、必殺技のレベルが1に下げられてしまうのですが、よそ見してなければまず失敗しないくらい緩いです。
また、ゼノブレイド3においてはチェインアタックのQTE要素、目押し要素は撤廃されています。2と同じく、パーティ構築や訪れた選択肢を最適に導くようなパズル的要素になっており、もはや目押しは不要と思われたのかもしれません。チェインアタック以外の部分ではステップが追加されてアクションゲームっぽさが増したんですけどね。
というところで。
まとめると、初代のチェインアタックは目押しが大いに重要でしたが、2は半ば惰性に近いもので、3は目押し等のアクション要素がチェインアタックに絡んできません。
よりタクティカルな要素へと変化していってる様子で、そういう舵取り自体に全く不満はありませんし、チェインアタックがより複雑で極めがいのあるものに変わっていっていたと思いますが、初代の目押しのアクションが気持ちよさに関わっていた可能性は考えうると思います。
・チェインアタックの運要素
上の項目とも少し関連することですが……
チェインアタックにはいずれも運要素があります。2はどこの玉に1ダメージが入るか、3はリーダーの3択が誰かとか1巡後誰が戻ってくるかとかですね。
ただ、2や3は初代ほど運要素が大きくないように思えます。2は編成や敵に付ける玉さえ工夫すればチェインアタックがほぼほぼ繋がり続けるようにできますし、3もそこそこ早い段階でチェインゲージがなくなるまで安定して繋ぎ続けられるようになります。
これはある種の改善点だと思います。わたしが初代ゼノブレイドを遊んだ時も、「チェインアタックが気持ちいいのに勝手に途切れちゃう。安定して繋ぐ方法ってないの?」と思いましたし、ゼノブレイド2があるならここの運要素をなくしてほしいと思っていました。
でも、いま思えば安定しないからこそ繋げる努力をする余地があり、またしっかり繋がった時に嬉しいんですよね。ギャンブルも安定するのではなく大当たりしたり外したりするから気持ちよくて依存性がある、みたいな心理的機序があるようですし。いわゆるソシャゲがほぼほぼガチャ課金を採用しているのもそのあたりが理由だと考えています。
「ギャンブル」と言うから印象が悪いですが、「不確定性がある方がより精神的に高揚しやすい」という仕組みは生物の基本的な仕組みというか、自然の摂理に近いもので、それをうまく利用(あるいは悪用)したのがギャンブルなのだと思いますね。つまり、ギャンブルというのは実際に手をつけてしまうとどれほど理性的な人でもハマりやすいよう作られているからこそ、ギャンブルしたくないのなら「試しにやってみる」ことすら避けるのが理想なんじゃないかと、わたしはそう思います。
話を戻します。
わたしは最初、初代チェインアタックの運要素は過剰ではないかと思っていました。
ただ、後から振り返ってみれば、別に過剰ではなかったのかな、とも思います。というか、うまくチェインアタックが繋がらなかった時に不満に思うからこそ、しっかり繋がると嬉しい、みたいなところもあるのかなと。「バクチってのはな、外れたら痛い目見るからおもしれぇんだよ」というやつですね。
2や3は下準備や選択によって、チェインアタック自体が繋がり続けるか否かという、チェインアタックの根幹に関わる運要素を減らしやすいように設計されています。それは初代の途切れまくるチェインアタックという不満点の改善ではあったものの、初代は繋がりにくいからこそ繋がったら気持ちいいという、よく言えばメリハリが効いていたのだと思います。
また、チェインアタックの中でも上振れ下振れもあったというか、たとえばCHAIN MAXで桜華乱舞を使えたかどうか?とかでだいぶダメージも変わりますから、その揺らぎもまた上振れの爽快感を増していたものと思います。味方キャラのタレントゲージがどれだけ溜まっているかは戦闘中の台詞で分かるので、耳を研ぎ澄ますのが重要なゲームでしたね。
ちなみに、キズナ値が関与する都合上、ストーリーが進めば進むほどチェインアタックが繋がりやすくなります。わたしはチェインアタックが気持ちよすぎて、シュルクのチェインリンク発生率+15%のスキルを味方全員にスキルリンクさせていました。「平穏のモラクス」とかが出てくる某マップあたりからは3周前後も珍しくなくなってきて、BGMと合わせて「このゲーム気持ちよすぎるな……」と思っていました。
・チェインアタックの演出
演出面の話です。
端的に言って、視覚的な演出はシリーズが進むにつれて豪華になっています。
3の目が光るカットインとか、かっこいいですよね。アニメの記号的表現という感じで、若干野暮ったく感じるという方もおられるかもしれませんが、わたしはそこまで感じませんでした。ウロボロスチェインが入ってくると更に豪華かつ派手になって、視覚面での満足感が大きいです。
2も3ほどではないかもしれませんが、豪華です。そもそも2のチェインアタックは必殺技、ブレイドアーツの畳みかけなのですが、戦闘中にブレイドアーツの演出ってそこまでじっくり見ないですから、順番に撃っていくのを鑑賞する楽しみもあります。特にバーストした後のレベル4必殺技がいいですよね。操作キャラ以外のレベル4必殺技って基本見ないですし。
1は地味です。
1で畳みかけているのって、2でいうところのドライバーアーツですからね。まぁ基本システムが違うのでそう単純化することもできないのですが、戦闘中に何度となく撃っているアーツを、みんなで順番に撃っていくだけです。演出時間的にも短いです。2の必殺技は何秒か行いますが、1のスリットエッジとかバックスラッシュって一種ですしね。桜華乱舞はさすがの長尺演出ですが……
1は地味で、2は派手、3は更に派手。
「なら、2や3の方が気持ちいいんじゃないの? 地味な方が気持ちいいってこと?」と思われるかもしれませんが、この地味とか派手とかについてはあくまで視覚面の演出の話です。たしかに、2や3の方が派手ですから、視覚的な爽快感は2や3に一日の長があるとわたしも思います。
ただ、1については音の面で優位性があるように感じます。具体的には台詞です。
2は繋がるか否かが1巡おきに決まります。なので、ちゃんと繋がった場合は1巡おきに操作キャラが喋ってくれます。「これで終わりと思うたか?まだまだや」みたいな。
3はチェインゲージ消尽までに途切れることがあまりないですが、たしかリーダーを選んだ際に選んだキャラが喋ってくれていた……と思います。あまり印象は強くないのですが……
そして、初代。
台詞面では初代がダントツだと思います。他の追随を許さないと感じます。
1巡目も、自分の次のキャラに「飛び込めライン!」「わかってる!」とか名前を呼びながら声をかけ合ってくれて、これもすごくいいのですが、2巡目以降の「繋がるか否かが不確定の状況で、繋がった時」の台詞が熱いです。
キャラ1人ごとに繋がるか繋がらないかの判定があり、そのたびに「ちゃんと繋がったこと」が分かるように台詞を言ってくれますから、これがゲームシステムと合わせて攻撃を畳みかけている感じがして非常に爽快です。
「まだ続けるぞ!」「逃がしはしない!」「終わらせない…!」「まだ許すつもりはない!」「もっとだ!」「まだまだー!」と、チェインアタックが1回繋がるたびに盛り上げてくれるので、大ダメージが出て戦闘が有利に進んでいる爽快感と合わせて、かなり気分が高揚していました。
この演出は、「1回ごとに繋がるか否かが判定され、しかもそれを完全に安定させられない」という性質がある初代だからこそハマっている演出だと思います。2で必殺技を撃つたびに言われても、絶対繋がるんだから別に……となって、そこまでシンクロできないでしょう。初代は繋がるたびにプレイヤーもシュルクと一緒に「まだだ!」「もっとだよ!」と思ってますからね。画面のキャラとの同調率が高いです。
まとめます。
・ゼノブレイドシリーズのチェインアタックは初代(Wii、DE)が一番気持ちいいと思う。その理由を考えてみた。
・理由1:ボタンチャレンジの重要性によって、目押しが決まった気持ちよさがあるから。
・理由2:チェインアタック自体が途切れやすいために、反動で繋がった時の高揚感が強いから。
・理由3:畳みかけるような台詞がシステムと噛み合っていて、大きく盛り上げてくれるから。
という感じです。
ちなみに、冒頭にも書きましたがこの記事は「わたしは初代のチェインアタックが一番気持ちいいけど、なんでだろ?と思ったのを考えてみました」というものであり、「チェインアタックは初代が一番よく出来ていた」とか「2や3のチェインアタックは劣化している」とかそういう主張ではありません。「気持ちいい」ってただの感想ですからね。「いや自分は2の方が気持ちいいよ?」「いやいや私は3の方が」という方々ももちろんおられると思います。
個人的には2も気持ちいいというか、序盤はそれこそ玉が割れるか否かが運要素なので運による高揚感もありましたし、ある程度安定して繋げるようになってもフルバースト関連は準備次第で運も大いに絡みうるというか、フルバーストの爽快感自体がCHAIN MAXの桜華乱舞以上という節はあります。ただ、オーバーキルボーナスがあってもオーバーキルが億劫で、早く終わりたいのにボタンチャレンジを失敗しても終われないというのが若干ストレスだったので、チェインアタックの総体としては初代の方が気持ちいいとわたしは感じますが……
また、チェインアタックのみならず戦闘全体で言うなら、やはりゼノブレイドはシリーズが進むにつれて進化を遂げていると感じます。戦闘は全部楽しいんですが、より戦略的戦術的になっているというか、自由度も上がっていますから、戦闘の総合的な楽しさという意味ではわたしは初代より2や3を推したいです。
ちなみにバテン・カイトス2のリレーコンボや、トラスティベル~ショパンの夢~のハーモニーチェインも、チェインアタックみがあって楽しいシステムです。チェインアタック大好きな方は、このあたりも触ってみてほしいなと思います。パーティ全員でコンボって、いいですよね。
それでは、また。
※本記事の画像は任天堂とモノリスソフトのゼノブレイドDEFINITIVE EDITION、ゼノブレイド2、ゼノブレイド3からの引用です。
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