2023年ポケカ推しカード特選

 あけましておめでとうございます。
 特に年末年始の番組等は見ず、ポケカしたり原神したりして年末年始を過ごしている、季節感のないわたしです。
 とはいえ、せっかく年も明けたので、2023年末から怒涛の勢いでハマったポケモンカードにおける、お気に入りカードの列挙、「推しカード特選」を書いてみたいと思います。よろしくお願いします。
(なお、対象は2023年末に使えたカード(EFGのカード)であり、2023年に初めて出たカードではありません)
 
・ロストスイーパー
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 スタジアム、ポケモンのどうぐに対する汎用メタカードです。
 デッキに1枚積んでおくと、変なスタジアムやどうぐへの対策として機能します。
 このカード、かつてよく使われたスタジアム・どうぐメタ、「暴風」や「フィールドブロアー」の調整版です。暴風やフィールドブロアーは同時に2枚対象カードをトラッシュできたうえ、手札コストも不要でした。
 「ツールスクラッパー」という、どうぐ2枚を壊せる代わりにスタジアムを壊せない調整版フィールドブロアー(時系列的には調整版暴風?)も登場しており、ロストスイーパーもその系譜といえます。ロストスイーパーはどうぐもスタジアムも壊せる代わりに1枚だけで、更に手札コストを要求します。
 実際のところ、スタジアムやポケモンのどうぐというのはトラッシュからの回収が通常の構築では困難なので、トラッシュに送ろうとロストゾーンに送ろうとあまり変わりありません。手札を1枚ロストゾーンに送りながら、場のスタジアムかどうぐを1枚破壊するという、「フィールドブロアーの半分の性能を、フィールドブロアーにない手札コストを払うことでようやく実現するグッズ」です。なので、このカードがあることでポケモンのどうぐとスタジアムの重要性が上がっている節はあります。
 フィールドブロアーのあったサンムーン世代では、スタジアムは入れずにブロアー1枚という構築がよくありました。プリズムスターのスタジアムはブロアーでは壊せないため、プリズムスターのスタジアムを見るデッキなら1枚スタジアムを入れておくか、みたいな。Cレギュになると「混沌のうねり」という、スタジアムで上書きしようとすると対消滅を起こすスタジアムが出てきたため、特に使いたいスタジアムのないデッキは混沌のうねりを置いておくのがいいという、スタジアムデフレ環境でした。まぁ、「無人発電所」が強いのでそのフェイルセーフみたいな役割があったのかもしれません。
 ポケモンのどうぐについては更に影響が大きいです。スタジアムはスタジアムで壊せますが、ポケモンのどうぐはこの手のどうぐ破壊グッズでないとほぼほぼ壊せませんからね。「ツールジャマー」というどうぐを無効化するどうぐもありましたが。いずれにしても、いま「ブーストエナジー古代」などのどうぐは破壊されにくいですし、「森の封印石」を盤面にとりあえず置いておく戦い方ができるのも、どうぐ破壊が弱めに調整されているからだと思います。
 また、面白いのがロストゾーンデッキでは手札をロストゾーンに送るというのがメリット効果に転化するところで、自分で置いたスタジアムを自分のロストスイーパーで破壊することで、スタジアムと手札コストの2枚分ロストゾーンを肥やすことができます。
 ポケモンのどうぐ破壊を弱めに調整することでポケモンのどうぐを使いやすくしているという点、そしてロストデッキでは別の役割も生まれるという点で、面白くて深みのあるカードだと思います。もちろん、ポケモンのどうぐが強すぎるとロストスイーパーでは役者が足りないところはある(フィールドブロアーにはジラーチ+エスケープボードを好き放題使わせないという役割もありました)のですが、現状そこまで壊れているどうぐというのはなさそうに感じますから、ロストスイーパーは妥当な性能だと思います。
 
・かがやくゲッコウガ
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 壊れかけのスーパードロー要員兼スペシャルサブアタッカーです。
 デッキに1枚しか入れられない色違いたねポケモン「かがやくポケモン」の枠として、最も安定で採用率の高い1枚です。
 特性はキルリアの「リファイン」を弱くしたような性能で、エネルギーカードを1枚トラッシュして2ドローします。キルリアより弱いとはいえそもそもキルリアの特性が1進化非ルールかつ進化先も強いポケモンとしては破格の性能であり、exやVでないたねポケモンがぎりぎり持っていていけない性能、という感じです。
 ADV1に特性エナジードローのエネコロロという、エネルギーを1枚トラッシュして3枚カードを引くポケモンがいましたが、その簡易版とはいえたねポケモンが使えるというのはとても強力で、基本エネルギーをある程度入れているデッキならとりあえず採用を検討していい性能をしています。
 更にすごいのはワザ「げっこうしゅりけん」で、水水無の3エネで90ダメージを相手のポケモン2匹に与えるという、exポケモンなみのパワーを持っています。
 かがやくポケモンの中でも頭1つ抜けた性能に感じられるこのカード、ちょっと必要悪みたいなところもあるんですよね。
 というのも、サーナイトデッキやロストバレットのような、非ルールのポケモンが主軸になるデッキがある程度強くなり、そして事故らずしっかり回っている場合、exやVを軸にしたルールを持つポケモンのデッキはサイドレースでなかなか勝てないというシチュエーションが起こりえます。
 そこで、かがやくゲッコウガを入れてデッキに水エネルギーを採用することで、「小粒のポケモンを2匹倒してサイドを2枚取りながら、サイドを1枚しか取られないかがやくゲッコウガをバトル場に置いておくことで、相手の勝利への要求値を大きく上げる」という行動ができるわけです。ただし、元々水デッキでなかったならデッキを多色化させてしまうことで安定感は下がります。
 こういう、「ルールを持つポケモンのデッキが非ルールのデッキに対抗する手段」としてかがやくゲッコウガは有用です。あと、テツノカイナexもごっつあんプリファイで似たようなことができますが、ゲッコウガはHP90以下限定かつマナフィで対策できる(更にそれをキャンセルコロンで対策できる)という点で、テツノカイナexよりも好きなデザインです。テツノカイナexもエネルギー4個というのが重めで、三神から学んで調整されている感じはありますが……
 ただ、これらは「非ルールのデッキが、ルールを持つポケモンのデッキに有利を取れるくらいしっかり強い」ということが前提であって、そうでないなら三神のオルタージェネシスGXと同じ、ただの非ルールいじめになってしまいます。
 わたしは非ルールのデッキが好きなので、そこは大事なところです。ただ、わたしはサーナイトデッキやロストバレットといった非ルールが軸のデッキをいくつか使っていて、ちゃんとルールを持つポケモンのデッキとも戦えるポテンシャルがあると感じましたので、そこは問題ないように思います。
 もう少しかがやくゲッコウガが弱い方が色んなかがやくポケモンを使う機会が増えた気もしますが、基本エネ多めのデッキにとりあえずかがやくゲッコウガを入れておくことで快適に遊べるため、これはこれでいいかなと思います。わたしもお世話になってます。2枚買いましたが、もう1枚あってもいい気がします。複数のデッキで採用したくなるので……
 
・ペパー
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 ポケモンのどうぐとグッズのサーチという、珍しい効果です。
 ペパー自体が小道具を使って料理や冒険をしてそうなイメージなので、キャラクターのイメージにも合っていますし、サーチ対象が現環境で相対的に強いポケモンのどうぐと、いつの環境でも重要かつ他にあまりサーチ手段の多くないグッズなのが助かるポイントです。
 デンジやカイといった特定のタイプのデッキが主に使われるグッズサーチというのは今までもありましたが、汎用グッズサーチはけっこう珍しい方のような気がします。G環境ではEのカード「バトルVIPパス」が序盤の展開に強いため、ハイパーボール→ネオラントV→ペパー→バトルVIPパスの流れで、この4枚のどれかが手札にあれば1ターン目から強く動くことができ、ペパー採用デッキにとって後攻が悪くない理由となっています。一昔前のハイボテテフリーリエみたいですね。
 この汎用グッズサーチサポートがあるお陰で、2進化デッキも多少動きやすくなっていると思います。ポケモンのどうぐについては「森の封印石」がVSTARポケモンを使わない(がVポケモンを採用している)デッキでとても強力で、ペパーから何でもサーチに繋がるのがパワフルです。
 ボタンはハギ老人の思いやり系統のバウンスカードですが、たねポケモン限定なのがやや使いづらく、盤面整理の役割は「崩れたスタジアム」に譲っているきらいがあります。サーナイトexデッキのような進化ポケモンを回収したいデッキでは「フトゥー博士のシナリオ」が使われてますしね。
 ネモは言わずもがなのただの3ドローで、ネモのリュックで2枚回収できる強みはあるものの、どちらかというとハンサムホイッスルのような山札圧縮効果の方が使いやすかった気もします。まぁ、山札圧縮については博士の研究が強いですし、手札を捨てたくない場合でもアクロマの実験が強いため、仮に山札からのサーチだとしてもあまり使われなかったかもしれませんが……
 そういうわけで、いわゆるホームウェイ組の中では1人抜きんでた評価を得ているペパー、G環境のサーチの自在性を象徴するような1枚でもあるため、個人的にとっても気に入ってます。後攻1ターン目にバトルVIPパスと森の封印石を持ってくるのはズルです。エヴォリューションもズルです。
 ただ、HレギュになってバトルVIPパスが無くなると、ペパー1枚で序盤にそこまで強く展開できるわけではなくなりそうですから、今後活躍し続けられるかにも期待がかかります。まぁ、ふしぎなアメと森の封印石がある限り、カイを使わない2進化デッキではペパーを使う選択肢は残り続けそうですけれどもね。
 
・ヒスイのヘビーボール
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 たねポケモンのサイド落ちをケアできるボールです。
 サイド落ちのケアができるというのはポケカにおいてはとても重要で、デッキに1枚きりのメタカードを引けるか否かで対戦の展開が大きく変わってしまうことがあります。まぁ、あまり簡単にケアできるようにすると対戦の再現性が高まりすぎて展開が似通うのでよくないと思いますが……
 そういう点で、ヒスイのヘビーボールはバランスが取れていると思います。サイド落ちをケアできるけどたねポケモン限定、というところが。
 ロストバレットのようなたねポケモン主体かつ1枚だけ入れるポケモンが多いデッキで大いに活躍します。ポケカはサーチが強いTCGなので、1枚だけ積むのが普通に有用なんですよね。ただもちろんサイド落ちのリスクはありますから、それをケアできることは重要です。
 過去にミラクル・ダイヤモンドやミステリアス・パールといった、サイド落ちケア可能かつ大会入賞者にしか配られないという悪夢のようなカードがあり、相場がおかしなことになっていたようですが、今回はちゃんと入手性の高いカードでサイド落ちケア手段が出てくれて嬉しいです。
 大会入賞者限定カードを特別な効果にしたいのはなんとなく分かるんですが、それが格差を生むのはあまりよくないので、最近も出たような「エネルギー転送と同じ効果」みたいなのがいい落としどころかなと思います。ポケモンカードが、数十万円のレアカードの有無で有利不利が決まるTCGになっちゃうなんて、よくないと思いませんか? まぁ、エネルギー転送を5枚以上積みたいデッキが出てくると格差を生む可能性はあるので、大会で使えない完全な記念品にするのが安牌ではありますが……
 サイド落ちケアといえばグラジオも好きだったんですよね。どんなカードのサイド落ちもケアできるけど貴重なサポート枠を割く必要がある、という。進化デッキの好きなわたしからすると、ヒスイのヘビーボールで進化ポケモンも持ってこられると嬉しかったんですが、まぁきっと欲張りというものでしょう。
 ヒスイのヘビーボール、大好きです。サイド落ちによる運負けというポケカの避けられない運要素をケアできるからです。まぁ、ヒスイのヘビーボールも一緒にサイド落ちしてしまうという、2024京都CL決勝みたいなシチュエーションは起こりえますけれどもね。まぁその場合も片方引けばよくなりますので、無いよりはだいぶマシじゃないでしょうか。どんなデッキにも1枚積みたくなりますが、まぁ1枚積みのポケモンが多いか、その重要性が高いか、どちらかのデッキに積極的に積むべきでしょうね。

 

・クロススイッチャー
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 2枚使えばグズマさんになれるグッズです。
 1枚だけでは使えず、2枚使うと「ボスの指令」+「ポケモンいれかえ」の効果になります。かつてサンムーン環境では「グズマ」というサポートが同じ効果でしたが、2枚とはいえグッズでサポートの効果を使えるのは嬉しいです。
 かつてサンムーン環境には「カスタムキャッチャー」という、1枚使えば手札が3枚になるまでドロー、2枚使えばボスの指令(突風)の、素敵なグッズがありました。クロススイッチャーはこれと似たカードで、1枚だけでは無用の長物な代わりに、2枚使うとボスの指令だけでなくポケモンいれかえもしてくれます。すごい。
 このカード、サポートをドローやサーチに使うことが重要なのでボスの指令を使う暇があまりなく、けれど山札を割と多めに引けるデッキで使いやすいイメージです。サーフゴーexデッキはまさにそれで、「ポケストップ」も使うことでドローをぐんぐん加速し、サポート権は「さぎょういん」や「カイ」に消費しつつ、クロススイッチャーでベンチを狙う役割も果たしてくれます。
 このカードが好きというのは、ポケストップが好きということとも関連しています。正直、ポケストップについては初見のイメージはよくなかったです。運ゲーカードやん、みたいな。ただ、ポケストップは気持ちがいいタイプの運ゲーでした。構築もポケストップが強くなるよう寄せられますしね。グッズ多めにして、落ちたサポートやポケモンは「ともだちてちょう」や「すごいつりざお」で回収する、という。ポケストップ使用→さぎょういん→ポケストップ貼って使用、で山札9枚掘るの、気持ちよすぎないですか?
 いいグッズでしたが、Eレギュのカードなので間もなくさよならです。そして、Hレギュでは1枚で同じ効果のACE SPECグッズ「プライムキャッチャー」が登場します。どうなってしまうのでしょうか。分かりません。楽しみです。
 ……という感じです。
 これら推しカードのうち、クロススイッチャーは2024年1月でお別れとなってしまいますが、他は引き続き使えるので、2024年も推しカードをめいっぱい使いながらポケカを楽しんでいきたいと思います。
 今年もよろしくお願いします。
 それでは、また。

※本記事の画像はポケモンカードゲームトレーナーズウェブサイトからの引用です。

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