ゼンゼロの恒常Sレア音動機考察【ゼンレスゾーンゼロ】

 ゼンレスゾーンゼロがサービス開始してから20日以上が経ちました。
 恒常ガチャ(未加工マスターテープで引けるガチャ)からSレア音動機を引いた方もおられるかと思います。
 余波シグナルも徐々に溜まってきて、まだ引き換えられるほどではないまでも、恒常Sレア音動機の引き換えについて悩んでおられる方もおられると思いますし、わたしもその1人です。
 そんな恒常Sレア音動機について、性能の詳細な比較や引き換えの優先度を見てみたいな、と思ったのですがあまりそういった指標を見つけられませんでした。まぁ、サービス開始して1か月経ってませんし、複数の恒常Sレア音動機を使っている方もそうそういないでしょうからね……

 ですので、この記事では恒常Sレア音動機のカタログスペックを眺めつつ、「どれを手に入れたらいいのかな?」と考えてみたいと思います。
 なお、実際に全種使い比べたとか詳細な計算結果等に基づくとかではなく、数値を見ながらの独断と偏見による感想ですから、しがないプロキシの意見としてご笑覧いただければと思います。また、「それは違うんじゃない?」と思った方は、コメントをいただけると助かります。
 それでは、よろしくお願いします。

【目次】
ブリムストーン
複合コンパイラ
燃獄ギア
拘縛されし者
啜り泣くゆりかご
鋼の肉球
まとめ



・ブリムストーン

 強攻用、11号のモチーフ音動機です。
 ひたすら攻撃力に振り切った音動機で、攻撃力が重要な強攻エージェントととても相性がよさそうです。
 大抵の強攻エージェントにとって、モチーフ音動機ほどではないものの二番手三番手の強さを発揮するパワーがあり、「Sレア強攻エージェントは引いたけどモチーフ音動機は引く気ないな」という方にとって、色んな強攻エージェントに持たせられる便利音動機です。無課金微課金こそ手に入れたい音動機ですね。

 ただし、通常攻撃・ダッシュ攻撃・回避反撃を何度も当てることで攻撃力がどんどん上がっていく性質があるため、多段になりやすい通常攻撃をあまり使わない強攻エージェントにとってはさほど強くないかもしれません。
 とはいえ、現状の強攻エージェントで通常攻撃をあまり使わないキャラはいないですし、原神でもそうですが一番通常攻撃を使うのはアタッカーですから、杞憂のような気もします。
 まぁ、朱鳶だとパーティによってはブレイク中に散弾を撃つだけで、ボタン連打での通常攻撃をほとんど使わないという運用もありえます。が、散弾も通常攻撃の一種ですから、散弾が当たるたびに攻撃力の補正はかかりますし、朱鳶は会心ステータスよりも攻撃力が不足するキャラですから、補正最大であまり撃たないとしても十分強く使えると思います。

 ほとんどの強攻エージェントにとっては最適と言えないまでも次善、次次善の武器になりえるポテンシャルがありますから、確保する価値は高そうな気がします。
 まぁ、強攻についてはAレア音動機のスターライトエンジンが同じサブステータス攻撃力%かつ攻撃力バフ効果もあって強めなので、そちらを使うというのも手です。回避反撃かクイック支援をトリガーとして攻撃力バフがもらえるのですが、支援キャラを入れているならクイック支援は簡単に出せますからね。

(ここから原神プレイヤー向け説明)
 ちなみに、同じHoyoverseのゲーム「原神」では攻撃力+n%の補正はすべて基礎攻撃力(キャラの攻撃力+武器攻撃力)にかかりましたが、ゼンレスゾーンゼロでは武器効果やエージェントのスキルによる攻撃力+n%の補正は最終攻撃力(基礎攻撃力にドライバディスク等の補正をかけたもの)を基準に算定される、という仕組みになっています。
 つまり、ブリムストーンのサブステータスの攻撃力+30%は基礎攻撃力にかかりますが、音動機の効果である攻撃命中を条件とした攻撃力+28%までの補正は最終攻撃力にかかり、この音動機だけで爆発的に攻撃力を増すことが可能です。
 原神の感覚だと「攻撃力だけ盛りまくる武器って弱くない?」という感じもありますが、計算式の都合上盛り方が半端なく、原神の計算式に準ずるならこの音動機のサブステータスと武器効果だけで攻撃力+100%されうると言っても過言ではないですから、さすがに強いです。

 原神でいうなら「狼の末路」は攻撃力ばかり盛る武器ですが恒常星5武器の中では強い方ですし、あれに近いかもしれません(ベネットがいなければもっと強いですが……)。あと、原神と違って会心系ステータスを盛りやすいのも相対的にゼンゼロの攻撃力盛りが強い理由になっていると思います。
(ここまで原神プレイヤー向け説明)



・複合コンパイラ

 異常用、グレースのモチーフ音動機です。
 武器効果も含めて高い攻撃力を持ち、サブステータスの貫通率で敵の防御を貫き、特殊スキルを使うという緩い条件で異常マスタリーを高めることができます。
 トータルバランスがよく、攻撃力と異常マスタリーが重要になる異常エージェントで強そうですし、通常攻撃をあまり使わないキャラはいても特殊スキルをあまり使わないキャラはそうそういないですから、汎用性も高そうです。
 また、特殊スキルを「当てる」ではなく「使う」なのもいいところで、今後特殊スキルが攻撃力を持たないバフ・デバフ技や回復技の異常エージェントが出てきたとしても、複合コンパイラの効果は発動できます。

 ……と色々強そうなのですが、バージョン1.0では異常エージェントがグレースとパイパーしかおらず、パイパーはAレアでありモチーフ音動機の入手がたやすいため、複合コンパイラが強いのかどうかが現状では正直よくわかりません。
 汎用性の高いSレア音動機の魅力って、「モチーフ音動機の入手が難しいSレアエージェントが使った時、モチーフ音動機ほどじゃなくともそれにある程度近いパワーが出せて、ほとんどのAレア音動機より強い」というところですからね。
 ただ、書いてある内容を読む限り汎用性が高くて強そうな性能ではあるため、割と使いやすい音動機である可能性は高いと思います。限定Sレア異常エージェントが登場してからが本番でしょうね。


・燃獄ギア
・拘
されし者


 どちらも撃破用の音動機です。
 サブステータスで衝撃力に補正がかかるのと、武器効果によって更に衝撃力やブレイク値が上がります。
 燃獄ギアは控えにいる時エネルギー自動回復が増えて、強化特殊スキルを使うと衝撃力アップ10秒です。拘縛されし者は攻撃を当てるたびに通常攻撃のダメージとブレイク値が8秒アップです。

 どちらもそこそこ汎用性が高そうですが、個人的には燃獄ギアがより汎用的に思えます。みんな使う強化特殊スキルで衝撃力アップに、強化特殊スキルの回転率を上げるエネルギー自動回復アップの組み合わせは合理的ですからね。
 一方、拘縛されし者も攻撃を当てさえすればいいという条件の緩さは魅力ですが、ブレイク値が増えるのが通常攻撃だけですから、通常攻撃をあまり使わない運用をするタイプの撃破エージェントにとっては微妙な音動機かもしれません。パリィ、支援突撃、強化特殊スキルで主に削っていくようなタイプですね。
 まぁ、撃破編成の場合ブレイクするまでは撃破エージェントが通常攻撃を駆使して戦う可能性が高いですし、燃獄ギアも強化特殊スキルの回転率がいいエージェントだとエネルギー自動回復が無駄になるかもしれませんので、一概には言えないかと思いますが、いずれにせよ衝撃力やブレイク値を盛って、撃破の役割遂行に繋がる両者の音動機はある程度汎用的だと思います。

 ちなみに余談ですが、煉獄(れんごく)ギアではなく燃獄(ねんごく)ギア、拘束(こうそく)されし者ではなく拘縛(こうばく)されし者です。
 あなたは勘違いしていませんでしたか? わたしはどちらも勘違いしていました。


・啜り泣くゆりかご

 支援用、リナのモチーフ音動機です。
 エネルギー自動回復が付いているのが、強化特殊スキルを多用したい支援エージェント向けでよさそうです……が、他の効果は多少キャラを選びそうに見えます。
 サブステータスの貫通率について、リナは自身の貫通率を味方に配れるので、実質的にアタッカーの貫通率増加に繋がって強いんですが、蒼角やルーシーにそういった性質はないため、自身の与えるダメージを増やすだけになります。
 また、対象に与えるダメージが増える効果についても、持続時間3秒かつ6重というのは持続の長い多段技、特に自身がアタッカーに交代して以降もしばらく持続してくれるような性質の技でないと恩恵が小さいように見受けられます。

 これらの性質を勘案すると、リナ以外の支援エージェントが使った時に強いか?というと微妙な感じはします。
 そもそも、攻撃力や衝撃力が上がれば役割遂行しやすくなる強攻や撃破と異なり、支援エージェント自体が「どう支援するか?」にバリエーションがあります。
 敵の防御力を下げる(ニコ)、味方の攻撃力を上げる(蒼角・ルーシー)、味方の貫通率を上げる(リナ)等々ですね。
 ダメージ計算式にはいくつもの変数があるため、どれに介入して支援するかがエージェントにより異なり、ゆえに支援エージェント用の汎用的な音動機というのが構造的に作りにくいのではないかと思います。

 まぁ、支援エージェント用の汎用的な音動機がありえるとすれば、音動機そのものが味方への汎用的なバフをしてくれる、というものでしょうね。たとえば「味方全員のエネルギー自動回復を中程度増加させる音動機」があれば、汎用性が高くて強い音動機といえるでしょう。(原神でいう西風長槍、サイフォスの月明かり)


・鋼の肉球

 強攻用、猫又のモチーフ音動機です。
 サブステータスの高い会心率はいいんですが、物理属性のダメージバフに背面攻撃強化と、音動機効果の汎用性がエレンや朱鳶のモチーフ音動機なみに低く、啜り泣くゆりかごより更に汎用性が低いように見受けられます。恒常Sレア音動機唯一の属性バフ持ちです。
 
 まず「物理属性の強攻」でないと物理ダメージバフがほとんど無意味ですし、更に背面攻撃に至っては通常攻撃で簡単に裏回りできる猫又に特化した仕様にすら見えます。一応エレンも通常攻撃で裏回りしますが……
 猫又は1凸効果で「敵がブレイク状態にある時、猫又がその敵に行うすべての攻撃が背後からの攻撃とみなされる。」という性質を獲得するため、1凸猫又ならブレイク中の敵に対して鋼の肉球の背面攻撃ダメージバフ25%が常時かかることになります。
 しかし、それ以外のキャラだとブレイク中でも関係ないですし、ビリーのような遠距離物理アタッカーだと背面への回り込みはあまり現実的ではなさそうです。

 ただ、逆に言うと猫又にとっては強そうな武器というか、限定エージェントのモチーフ音動機めいた風合いに感じられます。
 猫又自体、1凸でブレイク中の攻撃が常時背面攻撃扱いとなり鋼の肉球とシナジーがあって、2凸で1vs1の時にダメージバフ25%がかかり対単体で常時強い……と、凸やモチーフ武器による恩恵が大きいエージェントのように見受けられます。
 そういう意味では、伸び代のあるキャラなのかもしれません。無凸猫又は恒常Sレアエージェントの中では強さ的にハズレという見方もありますが、条件が整った場合の伸び代は大きそうです。
 ただまぁ、鋼の肉球の汎用性が高いかと言われれば低いでしょうし、恒常Sレア音動機として単体の評価をするのであれば、ハズレのそしりは免れないのかもしれません。


 まとめです。

・恒常Sレア音動機について、汎用性という観点からカタログスペックを元にその強さを考えてみた。

ブリムストーンは、攻撃力に特化した強攻用の音動機。ゼンレスゾーンゼロの仕様上、攻撃力を爆発的に高めることができるので、攻撃力を基準にする大抵の強攻エージェントにとってかなり強く使えそう。


複合コンパイラは、総合力の高い異常用の音動機。高い攻撃力、貫通率に、ゆるい条件で異常マスタリーを高められ、異常エージェントにとって必要なものを高水準で揃えた優秀な音動機……に見えるけど、現状異常エージェントが少なくて汎用性を評価しにくいので、真価を発揮するのはたぶん限定Sレア異常エージェントが登場してから。


燃獄ギアは、衝撃力の高い撃破用の音動機。強化特殊スキルを使うことで更に衝撃力を高められるし、その強化特殊スキルを使うためのエネルギー自動回復を加速させるという、合理的で優秀な性質を持っている。多くの撃破エージェントで使えそうな汎用性の高い逸品。


拘縛されし者は、衝撃力の高い撃破用の音動機。攻撃を当てるだけで通常攻撃のダメージとブレイク値を増幅してくれる。音動機効果の補正が通常攻撃に限定されるため、通常攻撃をあまり使わない撃破エージェントでは微妙かもしれないけど、そうでなければ強く使えそう。


啜り泣くゆりかごは、貫通率の高い支援用の音動機。支援エージェント全般にとってありがたそうなエネルギー自動回復があるけど、貫通率の上昇や3秒6重のダメージバフについてはリナに特化した性質で、他のキャラの恩恵は低い。リナにとっては強そうだけど、あまり汎用的ではないかも。


鋼の肉球は、ダメージバフ大盛りの強攻用の音動機。ただし物理属性バフ、背面ダメージバフなどエージェントが限定される要素が多くて、猫又以外がポテンシャルを引き出すのは難しそう。1凸猫又とはすごく相性がいいので、限定音動機みたいな調整に見える。猫又以外でも、物理強攻エージェントならそこそこ使えそう。


 ……という塩梅でしょうか。
 恒常Sレア音動機の当たりハズレについては、汎用性という観点からは
 ブリムストーン≧複合コンパイラ≒燃獄ギア≧拘縛されし者>啜り泣くゆりかご>鋼の肉球
 くらいに感じます。
 上4つは汎用性の高さという観点からも当たりで、下の2つについてはモチーフ音動機としているエージェントが使ってこそ真価が発揮される音動機でしょうね。

 個人的な意見なのですが、音動機はあまりモチーフを揃える気が起きないのですよね。持っている武器の見た目が変わるわけではないですし、髪の毛とかが光るのは別に……という感じで、原神ではむしろ武器のレベルとともに光るのをオプションで無しにさせてほしいなと思っていました。ゼンゼロはちゃんとオンオフが切り替えられていいですね。
 もちろん、見た目を差し置いても強い音動機でエージェントが強くなるのはいいことですが、強くするためだけにガチャを回したいかというとそうでもなかったりします。対人戦があるわけでもなし、他人よりエージェントを強くすることにあまり意味を感じませんから。
 ただ、ゲーム内の戦闘、特に式輿防衛戦や零号ホロウといったやりこみ系コンテンツもポリクローム等のためになるべくならクリアしやすくしておきたいので、落としどころとして「色んなキャラで強く使える、汎用的な強い音動機を持っておきたい!」というのも1つの考え方なのかな、と思います。

 もっとも、恒常Sレア音動機は狙って手に入れようとすると余波シグナルを引き換える必要がありますし、恒常Sレア音動機1個を引き換える余波シグナルでマスターテープ30本が引き換えられますから、実際引き換えるか?というのは微妙なところかなと思います。高難度コンテンツに興味のない人からすれば、エージェントガチャを30回引ける方が嬉しかったりもするでしょうし。

 それでは、また。


※本記事の画像はHoYoverseのゲーム、ゼンレスゾーンゼロからの引用です。

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