2024年1月上旬、ポケモンカード公式から発表された3枚のカードについて、考えてみたいと思います。
・なかよしポフィン
バトルVIPパスの後釜。
HP70以下のポケモンに限定された代わりに、1ターン目限定の制限が解除されたバトルVIPパスもどきです。
ポケモンを呼んでくる系のカードなのにボールじゃない!?と思いましたが、冷静に考えたらバトルVIPパスも別にボールではありませんでした。バトルVIPパスの存在に馴染みすぎて、なんだかポケモンの世界にあって当たり前のものだと思ってました。それに、ポケモン通信やキャプチャーアロマもボールではないですし……
HP70以下限定なので、主に1~2進化exデッキの進化前たねポケモンを出すのに使える感じだと思います。
バトルVIPパスのスタン落ちにより序盤の展開が遅くなり、環境全体が低速化する可能性が示唆されていましたが、なかよしポフィンを見るとあまり低速化はしなさそうですね。
個人的にはいいカードだと思っていて、現環境で一番早いデッキってターボトドロクツキやミライドンexデッキといった後攻1ターン目から動ける可能性がある速攻デッキなのですが、速攻デッキはHPの高いルール持ちのたねポケモンがアタッカーであるがゆえに、なかよしポフィンが使えません。
つまり、バトルVIPパスのスタン落ちによって環境全体が低速化するのではなくて、HP70以下の進化前たねポケモンを擁するデッキはなかよしポフィンによってある程度速度が維持される一方で、ルール持ちたねポケモンで後攻1ターン目から暴れるような速攻デッキに限ってはなかよしポフィンが使えず速度が落ちやすいという、「速攻デッキの速度を落とし、それ以外の速度をあまり落とさない」調整に見えます。
環境全体が低速化したというよりは、速攻デッキの速度だけ少し落とされた、という印象です。後1くるいえぐるや後1ごっつあんプリファイは正直あまり面白いゲーム体験ではないと感じていたので、個人的には好きな調整です。
まぁ、ミライドンexデッキはミライドンexの特性でバトルVIPパスみたいなことができるので、実質的にあまり影響を受けていない感じはしますけれどもね。とはいえ、タンデムユニットではイキリンコexやかがやくゲッコウガは持ってこられませんから、やはり速度はある程度落ちそうです。
あと、進化デッキといってもたとえばリザードンex+ピジョットexのデッキでは、ロトムVやかがやくリザードンは持ってこられないですから、そこはマイナスポイントです。「へんしんスタート」のメタモンを採用する手はありますが、ロトムVやかがやくゲッコウガのようなベンチに置いておきたいポケモンを呼ぶ時、ポフィンでメタモンをベンチに出す→入れ替えてバトル場で特性を使う→山札のポケモンを入れ替わった後さらにベンチに戻す、という工程がけっこう大変そうには感じるので、そのあたりやっぱりバトルVIPパスよりは使い勝手が落ちる部分もしっかりありそうです。
まぁ、同じリザードンexのデッキでもビーダル型の場合は、かがやくリザードンが呼び出せないだけでほとんどバトルVIPパスと同じ感覚ですし、2ターン目以降も使えてベンチさえ空いてれば空撃ちで手札を減らして「はたらくまえば」を使いやすくできるので、もはやバトルVIPパスよりも強く使える感じがしますね。
……余談ですが、個人的に「1ターン目しか使えなくて、2ターン目以降は紙切れになる」ってデザインはあまり好きじゃなかったので、こちらの方が好みです。ちなみに「1ターン目だけ強く使えるけど、2ターン目以降もそこそこのパワーは残る」というリーリエみたいなデザインはむしろ好きです。
・ベラカス
ベンチをワザのダメージや効果から守ってくれる特性です。
大雑把に言えば、「1進化でマナフィ+ジラーチ+αのベンチ保護特性持ち」です。1進化で場に出しにくいぶん、防御性能が高いという感じですね。
かがやくゲッコウガの「げっこうしゅりけん」やヤミラミの「ロストマイン」など、ベンチを攻撃するワザは数多くありますから、それらをまとめて防げる点で安心感の強い1枚です。
どうせ進化前と2枠使うならマナフィジラーチで2枠使えばいいのでは?という気もしますが、ワザの効果からの防御についてはジラーチよりも対応範囲が広く、「たねポケモンからのダメカンを乗せる効果」限定のジラーチと比べて、「進化ポケモンも含むあらゆるワザの効果」を防げるのが、けっこう違うところです。
きょうび見るワザの効果だと、特に強力なのは「デヴォリューションを防げる」というところでしょうか。他、ジラーチでは防げずベラカスなら防げて環境にあふれかえっているワザの効果というのはちょっと思いつかないんですが、今後そういった効果が暴れた時に対策カードとして使えるフェイルセーフの意味合いもあると思います。
あと、ワザが地味にそこそこパワーがあるので、弱点を突ける相手だとありかもしれません。トドロクツキは3エネつくので弱点で200ダメージ出ます。まけんきハチマキが発動すれば260ダメージで一撃ですね。
フェイルセーフとして使えそうな一方で、隙が少ないので「ベンチ干渉が主な戦い方となるデッキ」を詰ませてしまう可能性についてもちょっと心配にはなりますね。まぁ結局デッキを2枠取る1進化ポケモンなので、そういうデッキが環境から減れば抜けてくるカードだとは思いますし、HP70しかないのでバトル場に出されてキャンセルコロンからの月光手裏剣などに対してはだいぶ弱そうなんですが……
しきりに「ロスト終わった」と言われていましたが、まぁヤミラミメタのジラーチが出てきてもなんだかんだでロストデッキは頑張れていた(というか2024CL京都で優勝した)ので、まだやれそうな気はしています。というより、わたしはロストバレットが好きなので、まだやれてほしいというのが本音です。
・ミストエネルギー
相手のワザの効果を受けなくなる、無色1個分の特殊エネルギーです。
トドロクツキexの「くるいえぐる」、ギラティナVSTARの「スターレクイエム」あたりが主でしょうか。ワザ効果からの防御はベンチでも有効なので、ベラカスと同じく「デヴォリューションを防げる」「ロストマインを無効化する」といった用途でも使えますね。
ただ、ジェットエネルギー等と違って相手次第では腐ってしまう効果ではあるため、デッキにどのくらい積むかな?というところではあります。まぁ、ウィークガードエネルギーやVガードエネルギーも使われてきましたから、色拘束が薄めのデッキなら1~2枚採用はありかもしれませんね。
特にくるいえぐられたくないポケモンといえば2進化ポケモンだと思うんですが、リザードンexではミストエネルギーはちょっと採用しづらいですよね。構築的にエネルギー加速は「れんごくしはい」に任せていますし、「バーニングダーク」の要求エネルギーは炎炎なので、ミストエネルギーでは足しになりません。
「ルギアVSTAR」のような、元々特殊エネルギーが強く使えるデッキでは高確率で入りそうですし、そうでないデッキでも上記のような「一発できぜつさせるワザやデヴォリューションが怖い2進化デッキ」なら、色の縛りさえ薄ければお守り代わりに1枚採用の余地はあると思います。トドロクツキexは230ダメージ、ギラティナVMAXは280ダメージが出せますから、HPが230を上回るポケモン、特に290以上の2進化exポケモンを使うデッキでは負け筋を1つ消せるカードとして環境次第で使われそうです。
かつてのムゲンダイナVMAXデッキも、HPの高さが売りで、かつワザが悪無の2エネだったので、ウィークガードエネルギーを採用して闘ポケモンから倒されないよう防御を固めることができました。まぁ、それを剥がしながら攻撃するガラルサンダーVとかいうガチガチのメタカードも出たわけですが……
これもまた「ロスト終わった」の声の根拠になっていましたが、まぁスターレクイエムを防がれるのはたしかにしんどいですよね。ロストギラティナについては雪道スタン落ち、ベラカス、ミストエネルギーとマイナス要素がだいぶと多いので、新拡張で新しい武器が手に入らないことにはちょっと辛いのかもしれません。ベラカスもミストエネルギーも環境で見なかったとしても、単純に雪道のぶんパワーは落ちますしね。
……といった第一印象です。
現在わたしはロストバレット、サーフゴーexなどを主に使っているんですが、そろそろHレギュを想定してバトルVIPパスやクロススイッチャーを抜いた構築も考えないといけないかな、と思っています。
まぁ、ただバトルVIPパスが抜けて環境全体の低速化が進むと思いきやなかよしポフィン登場で意外とそうでもなさそう、みたいなところもありますので、やっぱり新カードが大体公開されてこないとなかなか環境を読み切れないところもあるんですよね。
とりあえずHレギュの構築についていろいろ考えつつも友達との対戦ではGレギュの構築を使って、新拡張のカードリストが公開されたらHレギュのデッキを組んでいこうかな?と思っています。
それでは、また。
※本記事の画像はポケモンカードゲームトレーナーズウェブサイトからの引用です。
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