ポケモンカードMEGAとメガシンカexについて

 2025年2月27日のポケモンPRESENTSで、ポケカの新情報が発表されました。
 それが、サイドを3枚取られるexポケモン、メガシンカexです。


 かつてポケモンカードにもMタブンネEXのようなメガシンカポケモンがいました。
 しかし、あれとはだいぶ仕様が異なるように思います。本記事では、ポケモンカードにおけるメガシンカexポケモンについて考察したいと思います。


サイドを3枚取られる超大型ポケモン

 かつて、タッグチームGXVMAXといった、倒されるとサイドを3枚取られる超大型ポケモンがいました。
 メガシンカexポケモンも同様の仕様を持っており、M進化ポケモンというよりはこれらに近いといえます。
 タッグチームGXはたねポケモンだけ、VMAXは1進化(ルール上はV進化)だけという違いがありましたが、おそらくメガシンカexポケモンについてはたねも進化もいるのではないでしょうか。


 なぜなら、メガサーナイトexは「キルリアから進化」と書いてあり、2進化ポケモンということですから、メガシンカの進化回数はメガでないポケモンと同じなのですよね。ポケカにはLv.XBREAK進化という、実質3進化を含む進化の追加もありましたが、どうも今回のメガシンカは違いそうです。
 そして、ゲームでメガシンカするポケモンはたねも進化も混在しています。メガサーナイトexが2進化、メガルカリオexが1進化なら、メガタブンネexはたねと考えるのが自然です。


 なお、VMAXはサイドを3枚取られるだけでしたが、タッグチームGXには特殊なGXワザがありました。
 まずGXワザというのが「対戦中1回だけ使える奥義」のようなもので、FでいうところのVSTARパワーでした。VSTARパワーは特性も含まれましたが、GXワザはその名の通りワザだけでした。
 そして、タッグチームGXのGXワザはエネルギーが一定量余分についていると強化されるという性質を持っていました。雑に言うなら、タッグチームGXはGXワザを2つ持っていたのですよね。
 当時はワザを3つ持つポケモンもいましたから、タッグチームGXの中には実質的にワザを4つ持つポケモンも珍しくなかったということです。ゲームのポケモンみたいですね。


 ただ、少なくともメガルカリオexとメガサーナイトexについては、サイドを3枚取られる以外には特にこれといった独自要素はないように見受けられます。
 M進化は「M進化するとターンが終わる(ソウルリンクというどうぐで回避できる)」という仕様がありましたが、そういうこともなさそうです。なので、純粋に「exポケモンの大型版」としての登場になるのではないでしょうか。


 とはいえ、ソードシールドのVポケモンも最初はVMAXの存在が伏せられていて、後から登場してきた経緯がありますから、メガシンカexもまた独自要素を隠している可能性はあります。
 メガシンカといえばメガストーンですから、メガストーンっぽい専用どうぐを持たせることで使えるワザや特性が増えて、それがGXワザやVSTARパワーのような奥義枠……とかはありえるかもしれません。ちょうどVSTARパワーがスタン落ちしたところですしね。




メガルカリオexとメガサーナイトexについて


 メガルカリオexは、1エネ130点+闘3エネ加速という、ハイドロランダーを弱くしたようなワザになっています。
 弱くした、といってもガブリアスexと違って1進化なので30ダメージ低いのはおかしくないですし、そもそも一緒に発表されたパワープロテインが重ねがけ可能なダメージ+30グッズということで、160はおろか190や220出せる可能性もあります。



 パワープロテイン、要は闘版のエレキパワーパワータブレットなのですが、闘って無色・雷・悪の3タイプに弱点を突けるという攻撃的なタイプですので、そんな闘が重ねがけ可能なダメージ+30グッズを手に入れたというのはなかなかすごいことだと思います。なんならダメージ不足のゲッコウガexとかでも使えそうですよね。


 メガルカリオexの下ワザは火力重視の2エネ270ダメージです。
 1進化exとしてはかなり高いダメージです。ソウブレイズexのアメジストレイジが炎超鋼280で同じ効果(エネルギー全トラッシュ)なのを考えると、闘闘270は強いといえるでしょう。更にここからパワープロテイン1枚につき+30され、2枚使えば既存の2進化exもほぼほぼ射程圏内です。
 ちなみに、サイドを3枚取られるポケモンがいる環境では連続で2匹倒されるとそれだけでゲームが終わってしまうため、おそらくはメガシンカex→非ルールor通常ex→メガシンカexみたいに、間にメガシンカでないポケモンを挟むのが定石になりそうですが、分岐進化先の非ルールルカリオは1エネ150ダメージ出せて繋ぎのアタッカーとして適性がありそうです。



 メガサーナイトexは……というか、またサーナイトなのすごいですね。サーナイトは初登場のADVでトランスシェイドやサイコストームで大活躍して以降、ポケカでは折に触れて環境に現れるアイドル的存在ですね。
 上ワザで自分の場に超エネルギーを一気に加速し、下ワザでエネルギーの数に応じたダメージを与えます。
 エネルギー加速とエネルギー比例火力を併せ持つ、サーナイトGXめいたデザインです。ワザでエネルギー加速はやや悠長にも思えますが、加速の量が大きいため大いにその価値はあるように思えます。山札から5エネ加速ってソルガレオGXのGXワザですからね。



 現在、リファインのキルリアが落ちてサーナイトexはだいぶ苦しくなった(けどまだやれる)という話がありますが、メガサーナイトexの登場に伴い新しいキルリアも出るでしょうから、そこでまた輝くかもしれません。
 なお、メガサーナイトexはIのカードですから、Gのサーナイトexと共存します。「ワザでエネ加速なんて悠長じゃない?」と思われる方は、サーナイトexのサイコエンブレイスでエネ加速して、メガサーナイトexのメガシンフォニアで殴るという、サーナイト同士のシンフォニアもといシナジーを活用するという手があります。
 2026年1月にはサーナイトexが落ちるので、そうなったらメガサーナイトexは上ワザでのエネ加速を軸に戦うことになるのかもしれません。サーナイトが活躍してると「ポケカ」って感じがして、個人的には大好きです。




対戦は少し大味になりそう?


 タッグチームGXやVMAXの時もそうでしたが、サイドを3枚取られる超大型ポケモンは、対戦の展開を大味にしがちです。
 ピカチュウ&ゼクロムGXレシラム&リザードンGXが対戦の展開を大きく加速させ、同時に試合展開を大味にしましたし、かの三神ザシアンが「後攻1ターン目オルタージェネシスGXからデデンネGXクロバットVを計2匹倒して3ターン目で試合終了」という超高速試合を量産していたことが昨日のように思い出されます。
 もちろん、全てのデッキがそうではありませんし、例外もあるでしょうけれど、全体の傾向として大味になっていたのは否めないと思っています。ちなみに当時、わたしはルカメタHANDやれんげきウーラオスVMAX、レッドパーフェクションを好んで使っていました。


 誤解してほしくないのですが、わたしは対戦の展開が大味になることがポケカにとって悪いことだとは思っていません。
 ポケモンカードって昔から、複雑なカードを色々と作って対戦環境を玄人好みの難しいものにした後、数値が高くて強いシンプルなカード群でそれらを駆逐して初心者でも遊びやすいよう環境を大味に変えていき、また複雑化して……と繰り返す傾向があると思います。
 わたしはこれらを勝手に「効果のインフレ」「数値のインフレ」と呼んでいます。
 ただ、当然ながら効果が複雑化しても単純に数値が大きいデッキが絶滅するわけでもなければ、数値が大きくなっても効果が複雑なデッキは一部生き残りますから、あくまで例外はあります。


 ただ、時期的に「そろそろシンプル化の波が来そう」とは思っていました。
 というのも今のポケカ、複雑なんですよね。
 特性で130ダメージ飛ばすヨノワールに、0エネにげ0グッズロックのスボミー、汎用ダメカン操作要員マシマシラと、最近のポケカは混沌としています。難しすぎてアンプレイアブルとかではなく、マルヤクデVMAXに炎エネをつけまくって殴るのが強かった時と比較してだいぶ複雑なことをやっている、ということです。
 ですので、そろそろまた数値で殴るD環境のような波が来てもおかしくないのでは……と思っていました。


 対戦の大味化が真なら、複雑なポケカが大好きなプレイヤーからすると、少し受難の時代かもしれません。
 しかし長い目で見れば、ポケカが過剰な複雑化により初心者お断りTCGとなることなく、シンプル化によって新規勢が入りやすくなり、人気を失わず存続してくれるのであれば、ポケカプレイヤーにとってはいいことでしょう。
 今でこそ日本トップの人気TCGみたいな顔をしていますが、サンムーンシリーズで起こったポケカバブル以前のポケカって、存在感薄かったですからね。転売の横行や大会の抽選で辟易しているプレイヤーの方は少なくないと思いますが、わたしはポケカバブル以前に戻りたいとは思いません。




オマケ:ポケポケについて

 最近遊んでいないため、ポケポケについてはあまり言えることがないんですが、ランクマッチの実装はめでたいことだと思います。非公式の大会に出なくとも公式の範囲内だけで腕前が可視化されるようになるわけですからね。
 また、新拡張はアルセウスが主役ということで、初代推し→ダイパ推しの流れは継いでいるようです。
 わたしは当初「初代の次は金銀では?」と予想していましたが、初代初代ダイパダイパと続いているあたり、おそらくは最近のゲームのポケモンを意識していると思っています。


 2025年2月現在、ニンテンドースイッチで遊べるポケモン本編およびリメイクについては、初代(レッツゴーピカチュウ/イーブイ)、ダイパ(BDSP)、ソードシールド、スカーレットバイオレットですからね。
 昔からポケモンを遊んでいる方はともかく、最近スイッチでポケモンを始めたという方にハヤトフウとランをお見せしたところで「どちらさまですか?」となりそうですし、新規の方にも親しみやすいようスイッチで遊べるポケモンシリーズからピックアップしているのだと思います。(金銀も一応遊べはしますが、ほぼVCですし新規の方は少ないと思います)
 ……ただ、もしそれが真なら次はソードシールド拡張やスカーレットバイオレット拡張なの?本当に?という気もします。個人的にはサンムーンが好きなのですが、この仮説だとスイッチで遊べないサンムーンはだいぶ先になりそうで、わたしとしてはこの説が誤りであることを望んでいます。アセロラやスイレンのカードが見たいです。あとグズマさん。




まとめ

・2025/2/27のポケモンPresentsで、ポケモンカードMEGAとメガシンカexが公開された。

・メガシンカexはサイドを3枚取られる超大型ポケモン。その性質から、M進化よりはタッグチームGXやVMAXに近そう。今のところGXワザやVSTARパワーは見えてないけど、サイドが3枚取られるだけの大型exにすぎないかは不明。メガストーン絡みで新要素があるのかも。

・メガルカリオexはエネ加速に高打点と優秀そう。単体性能自体もいいけど、パワープロテインという重ねがけできるダメージ+30グッズが出たのがすごい。環境における闘タイプの立ち位置がだいぶ変わりそう。

・メガサーナイトexはエネ加速とエネ数依存ワザを併せ持つ、サーナイトらしい性能。ワザでエネ加速はやや悠長かもだけどHP360の高耐久のお陰ですぐには倒れなそうだし、サーナイトexのサイコエンブレイスで加速すれば上ワザなしで高打点が出せる。ポケカのアイドル、サーナイトの栄華は終わらない。

・サイドを3枚取られるポケモンが出てくると試合展開が大味になりがちなので、その可能性はありそう。ただそもそも昨今のポケカは複雑化の傾向が強かったし、ここから一度少しずつシンプルになることでより新規プレイヤーにも遊びやすいTCGになるのかも。



 ……という感じです。
 とりあえずライブ感重視で、初見で見たこと感じたことを並べてみました。
 個人的にはゲームの方が楽しみで、バトレボ2みたいな対戦特化ソフトが出るという事実に小躍りせんばかりです。メガシンカも大好きでしたしね。
 当時は「限られたポケモンしか使えないメガシンカは不平等だ」と思っていましたが、ダイマックスやテラスタルを経験した今、メガシンカは限られたポケモンしか使えないからこその豪華仕様だったということを噛みしめていて、ただただその復活に感謝の意を表します。
 とはいえ、一生メガガルーラを見るのはもう嫌なので、バランスがよかったらいいなぁ……と祈っています。


 それでは、また。


※本記事の画像は公式ポケモンカードチャンネルからの引用です。