2024/6/7発売の「ナイトワンダラー」の新カードが発表されました。
力士処刑人ことチヲハウハネです。
テツノカイナexが強すぎたのか、未来ポケモンに対する対策カードとして堂々登場したポケモンですね。
「てつつぶし」は闘無の2エネで20ダメージ、相手の場に未来ポケモンがいれば140ダメージと、刺さる相手にはとても強力です。弱点を突けば280ダメージで、テツノカイナexが勇気のお守りを持っていても関係なく一発で倒せる、強力なメタカードといえるでしょう。
「スマッシュウイング」も3エネ130ダメージは悪くないですが、闘2個要求なのでルミナスエネルギーでは使えないのが難点です。闘エネルギーを積むデッキ用のワザですね。
では、この新しいチヲハウハネの使い方について、考えてみたいと思います。よろしくお願いします。
・テツノカイナex対策
弱点込みでテツノカイナex+勇気のお守りのHP280に届く闘の140ダメージ持ちということで、テツノカイナexが明確なメタ対象だと思います。
勇気のお守りを貫通する以上、テツノカイナexが耐える方法は主にヒーローマントやサバイブギプスといったACE SPEC依存になります。一応あんぜんゴーグルというたねポケモンの弱点を消すポケモンのどうぐがあるので、それでも耐えますが、少なくとも変幻の仮面環境ではほぼ採用されないカードです。
また、このチヲハウハネは攻撃面のみならず耐久面も優秀で、ごっつあんプリファイの120ダメージをしっかり耐えてくれます。HP130でなく140であることで、サンダーの特性「エレキシンボル」が1匹分働いてなお耐えられるという信頼できる耐久力です。
なお、「未来ポケモンに対して+120ダメージ」ではなく「相手の場に未来ポケモンがいれば+120ダメージ」なので、倒せるのはテツノカイナexだけではありません。たとえばCL2024札幌でも優勝したミライドンデッキについて、ベンチにテツノカイナexがいれば、てつつぶしでミライドンexやライチュウVにも280ダメージをお見舞いできます。ロストバレットのベンチにテツノカイナexがいればガチグマ アカツキexにも280ダメージが叩き込めますね。
ミライドンデッキ以外にもテツノカイナexはよく採用されており、パオジアンデッキとかロストバレット、ルギアVSTARデッキあたりもそうですね。テツノカイナexを倒してサイド2枚取り、も強いですが、そうでなくとも2エネ140ダメージを連発できる非ルールHP140は普通に強いです。古代バレットのコライドンみたいな感じですからね。
なお、過去にテツノカイナex対策で採用されることのあった闘ポケモンとの比較を挙げると、まずはメテノでしょうか。
メテノはワザの色拘束がない利点があり、テツノカイナexのにげるコストの重さにつけこんで弱点込みで1エネ160ダメージを叩き出せます。特性でベンチからバトル場にぶっとんでくれるのも優秀です。
ただ、HP230のテツノカイナexを一撃で倒すにはばつぐんグラスやマキシマムベルトが必要ですし、それらを持ってなお勇気のお守り持ちのテツノカイナexを倒せません。ここは素手で勇気のお守りごと引き裂けるチヲハウハネに軍配の上がるところでしょう。メテノはメテノでカビゴンを一撃で倒せたりするのが偉いんですけどね。
フーパexもいましたが、まぁ要求が悪悪なので採用デッキが大いに限られますね。
相手の場のエネルギーの個数依存とはいえ、まぁだいたいの状況でテツノカイナexをワンパンできるとは思います。ただ、前述の悪悪という色拘束の強さに加えて、言うまでもありませんがexポケモンですので、倒された場合にサイドを2枚取られてしまいます。チヲハウハネは非ルールなのが優秀ですね。
・テツノイバラex対策にも
テツノカイナexほどメジャーではないですが、テツノイバラexも雷タイプなので、同様にメタられます。HP230なので、やはり勇気のお守りを持ってなお一撃です。こちらはボルトサイクロンが140ダメージ出るので、お互いに一撃ですけれどもね。まぁ、ルール持ちが非ルールを3エネでワンパン、非ルールがルール持ちを2エネでワンパンですから、テツノイバラex側がだいぶ不利ではあります。
・テツノツツミで発動することも時々ありそう
テツノカイナex以外にも汎用的な未来ポケモンが1匹います。テツノツツミです。
相手にポケモンいれかえを強制するカードで、出した番に特性を使って盤面から消すことも多いのですが、手札を流されても使えるようベンチに置いておいて、狙ったタイミングで使う、ということもあります。そういう戦い方をしている相手には、てつつぶしのダメージ+120が発動します。
たとえば、とあるドラパルトexのシティリーグ優勝デッキにはテツノツツミとロトムVが同時採用されており、同様の構築がシティリーグ上位に複数ありましたが、もし両方置いて番を渡してくるのであれば、ロトムVを呼び出しててつつぶし280ダメージで倒せます。
非ルールHP140から繰り出される2エネ140ダメージというのはたしかにそれだけで強いのですが、やはり弱点を突いてこそ真価を発揮するところではありますね。
テツノツツミを使う側からすれば、「まぁごっつあんプリファイされたら嫌だけど、普通に倒される分にはアタッカーや他のサポーターを守れてラッキー」みたいなところもありますから、テツノツツミはベンチに置いておくのにそこまで抵抗のあるポケモンでもないと思いますが、てつつぶしのダメージアップのトリガーにされて他のポケモンの闘弱点を突かれるとなるとけっこう嫌ですね。チヲハウハネを積みそうなデッキ相手には多少警戒が必要になるかもしれません。
・何のデッキに入れる?
基本闘エネルギーを入れているデッキなら採用しやすそうですね。
闘エネルギー採用があるならスマッシュウイングも使えますから、相手に未来ポケモンがいなくてもロトムVやガチグマ アカツキexなど闘弱点の敵を蹴散らすことができます。
とりわけ古代バレットであればコライドンやトドロクツキのダメージアップにも繋がりますし、採用価値は大いにあります。もっとも、闘闘という色拘束の強さに目を瞑るのなら、古代バレットのテツノカイナex対策としてはチヲハウハネ(ねっしょうどとう)もありですけどね。
こちらは勇気のお守り込みのHP280には届きませんが、ガチグマ アカツキexもしっかり倒せるのが偉いです。てつつぶしでももちろん倒せるのですが、ねっしょうどとうなら未来ポケモンがいなくてもいいということです。ただ、ねっしょうどとうのチヲハウハネは反動ダメージでHP50になってしまうため、返しのごっつあんプリファイを耐えられないというデメリットもありました。その点、反動のないてつつぶしは安心ですね。
古代バレット以外だと、ルミナスエネルギーなど多色系のエネルギーを採用するデッキでもありでしょうか。環境上位デッキではルミナスエネルギー採用はあまりいなかったと思いますが、グレンアルマデッキあたりは採用していた気がしますね。ルギアVSTARデッキもレガシーエネルギーが採用されていますが、弱点を突かなくても280ダメージ容易に出せるデッキなので採用するかは微妙ですね。
ここまで優秀な点ばかり見てきましたが、ただただ強いだけというわけでもなく、チヲハウハネは環境読みが重要になってくるカードだとも思います。
というのもチヲハウハネ、にげる3とあまりにも重いです。わたしは「メテノ+ばつぐんグラス」でテツノカイナex対策をしていた時、「メテノのにげる2が重いなぁ……」と思っていましたが、にげる3はそれ以上です。チヲハウハネスタートは絶望です。コントロールデッキのおはやし笛やマンタインで引きずり出されるケースも考えられます。
しかも、構築上闘エネルギーを2個つけられない場合、未来ポケモンがいなければ20ダメージでしか攻撃できません。リザードンexデッキがにげる2のビーダルを縛られて負けることがありますが、にげる3のチヲハウハネはそれ以上です。闘抵抗のピジョットex等には20ダメージすら入りませんから、入れ替え手段が尽きたら一生ダメージを出せずLO負けすらありえます。
そういうわけで、大いに負け筋にもなりえるポケモンですから、テツノカイナex入りのデッキが多いからといってそこまで気軽に採用できるポケモンでもないと思います。ただ、対テツノカイナex性能の高さは本物なので、デッキによっては上手く使っていけそうですね。
たとえば……ロストバレットに闘エネを採用するのなら、チヲハウハネは比較的採用しやすい方だと思います。入れ替えカードがたくさんありますからね。
まとめです。
・チヲハウハネ(てつつぶし)は、テツノカイナexに対する強力な対策カードで、勇気のお守りを持たれていても一撃で倒せるパワーがある。テツノイバラexも同様に一撃で粉砕できる。
・また、比較的汎用性の高いカードとしてテツノツツミ(ハイパーブロアー)があり、ベンチにとりあえず置いておく使い方をしてくる相手には、てつつぶしを140ダメージに強化して、ロトムVやガチグマ アカツキexといった闘弱点のex/Vを一撃で倒せるようになる。
・てつつぶしが闘無の2エネなので、基本闘エネの採用デッキで採用しやすいほか、ルミナスエネルギーやレガシーエネルギーでも使える。ただし相手が未来ポケモンを採用してなければ2エネ20点のカカシ同然だし、にげる3とかなり重いので、縛られる等で負け筋になりえるポケモンである点には注意が必要。テツノカイナex等の採用率を見て採用の有無を決めたいところ。
……という感じです。
ザ・メタカード、という塩梅でわくわくしますね。厄介なテツノカイナexを対策できるカードなので、ようやく来たかという感じでもあります。HP140で闘無140は「すごい!」という感じですが、相手の場に未来ポケモンがいないとよわよわなのが悩みどころです。
140は出なくても、せめて闘弱点全般に対してある程度の汎用性があればもっと採用しやすくかったのですが……いえ、スマッシュウイングはたしかに闘弱点全般に対して汎用性の高い攻撃ワザですけれどもね。闘闘無の色拘束がしんどいところです。
それと、「てつつぶし」という一見無骨な名前ですが、けっこう好きです。「アイアンクラッシャー」とか「メタルスクラッパー」もありですが、「古代ポケモンが未来対策で使うワザ」という観点からは「てつつぶし」の方が合っている感じがします。
なんとなく日本語の方が古代っぽいのと、あとは未来ポケモンがみんな「テツノ〇〇〇」という名前なのを踏まえると、「てつつぶし」というワザの名前から「未来対策!」という感じが大いにするからです。
チヲハウハネ(てつつぶし)、ぜひ採用してみたいと思わせる素敵なポケモンでした。
それでは、また。
(記事内の画像はポケモンカードゲームトレーナーズウェブサイトからの引用です。)
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