ガラスのラッパ発表時考察【ポケカ】

 2024年7月19日発売の新拡張「ステラミラクル」の新カードが発表されました。
garappa
 ガラスのラッパです。
 なかなかすごいカードが出てきましたね。無色ポケモン1匹ずつが対象とはいえ、グッズによる2エネ加速はロストゾーン軸デッキのミラージュゲートに並ぶ効果であり、「テラスタルポケモンが自分の場にいること」というのは「自分のロストゾーンにカードが7枚以上あること」よりはるかに緩い条件です。
 ミラージュゲートと違って1ターン目から普通に使えるのが強いですね。ただ、山札からではなくトラッシュからなので、事前にトラッシュにエネルギーを落とす必要はあります。オーリム博士の気迫っぽさがありますね。
 テラパゴスexデッキで使って強いカードなのは間違いないんですが、それ以外のデッキについても可能性を感じるので、実用性のありそうなものから絵空事レベルのものまで、ガラスのラッパの可能性について色々と考えてみたいと思います。よろしくお願いします。
 
 
■相性のいいポケモン
 ミラージュゲートは誰にでもエネルギーを付けられますが、ガラスのラッパは無色ポケモン限定です。
 当然、テラパゴスexのような無色ポケモンがメインのデッキならそこに付けておけばいいんですが、ガラスのラッパはそうでないデッキでも採用可能性があるカードだと思いますので、相性のいいポケモンをメインアタッカー枠以外で考えてみたいと思います。
 
・ハピナスex
045776_P_HAPINASUEX
 ワザマシン「エナジーターボ」を使わなくてもエネルギー加速ができるようになります。
 加速したエネルギーを「ハッピースイッチ」で動かせるのが素晴らしく、ハピナスデッキで使えるのはもちろん、別にハピナスデッキでなくても「ガラスのラッパ+ハピナスexによるエネルギー供給を活用したデッキ」として成立しうる可能性があります。
 ハピナスex自体はテラスタルではありませんが、メインアタッカーにテラスタルのポケモンを据えて、ハピナスex+ガラスのラッパでエネルギー加速……という手ですね。ハピナスexがHP300とかなり硬いので、負け筋にもなりにくい利点があります。
 ただ、問題はハピナスexが1進化なので枠を取ってしまうことと、にげる4と重すぎるので逃げられず負け筋になる可能性があることです。まぁおんがえしで攻撃はできますが、おんがえしで十分なパワーがあるなら他にメインアタッカーを用意する必要もないわけですから、不利を強いられる可能性は少なくないでしょう。
 あとは、タイプ不問なぶん特性1回でエネ1個という制限がありますから、ガラスのラッパを連発して盤面にエネルギーを溜めた後特性で一気に動かす、みたいな動きはしづらいですね。
 
・ガチグマ アカツキex
045628_P_GACHIGUMAAKATSUKIEX1
 エネルギー加速により、相手のサイドが3枚以上の中盤でも動きやすくなります。
 特別なシナジーがあるわけではないですが、まぁ強いポケモンが強いカード使ったら強いというだけの話ですね。ガラスのラッパ採用デッキではガチグマ アカツキexが動かしやすいため、採用価値が相対的に少し高めかもしれません。
 
・メタモン(いきなりへんげ)
042378_P_METAMON
 特性でトラッシュのたねポケモンのワザがなんでも使えます。
 無色ポケモンにしか加速できない、でも無色じゃないポケモンのワザを使いたい……という時に、メタモンにエネルギー加速して使わせることで、ワザをたやすく使えます。
 よくコントロールデッキで使われるカードでもありますが、エネルギー加速が難しいアタッカーのワザを使わせてアタッカーにすることも可能でしょう。
 ……ただ、「非ルールのたねポケモンのワザしか使えない」という縛りがあって、これはまぁまぁしんどめかなと思います。もちろんそういったポケモンが環境にいないわけではないんですが、弱点を突く前提だったり、大ダメージを出すには重めの条件があったりしますからね。
 あと、もしメタモンを軸にする場合、非ルールのメタモンがアタッカーなのにも関わらずガラスのラッパのために場にテラスタルのexポケモンを出さないといけないため、非ルールデッキ特有のサイドレースの優位性が損なわれるというデメリットもあり、デッキとしてまとめるのは難しそうですね。
 
・カビゴン(へいきなしぼう)
044492_P_KABIGON
 HP150に加えて特性でワザの効果を受けない堅牢さがあり、いざという時は3エネ180ダメージでアタッカーになれます。ルギアVSTARデッキでも使われていましたし、そのパワーに偽りはありませんね。
 まぁ、にげる4という重さ、ワザで眠って動けなくなる可能性があるなど、デメリットも多いですが、サブアタッカー兼エネルギーのプール役として採用価値があるかと思います。後者は要するに、無色ポケモンにエネルギーをとりあえず溜めておき、それを他のポケモンの特性やエネルギーつけかえ等で移す、という使い方ですね。あるいはタケルライコexのきょくらいごうみたいな、場のエネルギーを消費してダメージを出すワザであれば移す必要もありません。
 エネルギーを溜めておくのはガラスのラッパの対象に取れる無色ポケモンなら別に誰でもいいんですが、カビゴンであればHPと特性による防御力と180打点の攻撃力を併せ持っていますから、エネルギープール兼サブアタッカーで悪くない選択だと思います。いちおう耐性面でいえばビッパも特性でベンチアタックを防いでくれますが、HP60は心もとないので……
 あとはビーダルもありかなとは思います。ドロー要員兼エネルギーのプール役、という感じで。ただ、ビーダルにエネルギーを付けた状態で番を返してしまうと、ビーダルを倒されることでドロー要員が排除されつつ場のエネルギーも減るため、盤面を崩されやすくなるかもしれません。
 
・グレンアルマ(ひおくり)
044557_P_GURENARUMA
 無色ポケモンにつけた炎エネルギーをバトル場に移し替えられます。
 炎限定ですが、これによりガラスのラッパを「バトル場への2エネ加速」として運用できます。炎エネルギーで動くテラスタルポケモンのデッキに採用できる……と言いたいところですが、その筆頭がエネルギー加速内蔵のリザードンexなので、現状微妙かもしれません。
 
■非テラスタルデッキでの条件達成要員
 テラスタルデッキじゃないけどガラスのラッパを使いたい!という場合、ガラスのラッパを発動させるためにテラスタルポケモンを入れる必要があります。その際、有力なポケモンを考えてみたいと思います。
 ……が、実はこれはゼロの大空洞の記事で既に書いているので、詳細はそちらを読んでいただければと思います。
 簡単にまとめるなら、「置物としてテラスタルポケモンを採用するなら、当然出しやすいたねがいい」「たねのテラスタルポケモンはナイトワンダラー環境の現在8匹しかおらず、うち4匹がオーガポンex」ですね。
 もちろん、メインアタッカーとタイプが一致するポケモンがいるならそれでいいですが、その辺を除外して考えた場合、採用に値すると思われるのがこのあたりです。
terapa
 テラパゴスex。テラスタルポケモンかつ無色タイプでガラスのラッパの加速対象ですから、最も基本的な選択肢といえるでしょう。なお、たねポケモンでテラスタルなのは2024/6/15に発表済みのカードの中ではテラパゴスexだけです。進化ポケモンならヨクバリスexとかもいますが……
 ゼロの大空洞を採用しない場合、ユニオンビートは2エネ150ダメージまでになり、そこまで強いとはいえませんね。
045756_P_OGAPONISHIZUENOMENEX
 オーガポン いしずえのめんex。特性を持つポケモンからワザのダメージを受けない特性を持っているので、テラスタルポケモンが場にいるという条件を満たしつつ倒されにくい点でも優秀です。
 HPが低いのが気になるならミュウツーexという手もありますが、こちらはにげる2が難点です。オーガポンexは全員にげる1なので、縛られにくい利点もあります。
 ……という塩梅です。
 まとめると、
・ガラスのラッパはテラスタルポケモンが自分の場にいる必要があり無色ポケモンしか対象にできないけれど、基本エネルギーを2枚加速するというミラージュゲートに比肩するパワフルな効果があり、テラパゴスexデッキでの採用が見込まれる。
・無色のテラスタルポケモンが主力のテラパゴスexで使いやすいのは当然のこと、それ以外のデッキでもハピナスexやメタモン(いきなりへんげ)を使うことで上手に活用できるかもしれない。
・テラスタルポケモンが主力でないデッキでも、たねのテラスタルポケモンを傭兵として採用することでガラスのラッパの使用条件を満たせる。採用エネルギーと同じタイプがいればそれでいいし、それ以外だとテラパゴスexやオーガポン いしずえのめんexが傭兵として優秀そう。
 ……といった具合でしょうか。
 ミラージュゲートもロストゾーン軸デッキの大きな魅力であり、これによって中盤以降、エネルギーを多く要求したり多色要求したりするポケモンを動かしやすくなっていたため、ガラスのラッパも似た部分があり面白そうだと思います。
 ただ、ミラージュゲートよりも条件が緩いぶん効果はさすがに劣っており、「ベンチの無色ポケモン2匹に1枚ずつ加速」という、タイプ限定かつ1匹に大量加速はできないという制限があります。特に無色ポケモン限定なのがやや渋い感じですね。
 テラスタルポケモン、無色ポケモン×2がいて初めてポテンシャルを十分発揮できますから、更にそこから別のポケモンに動かして……みたいなことを考えると、そこまでして使う価値ある?みたいなところに繋がります。
 なので、ある程度デッキは選ぶカードだと思いますが、「グッズで2エネ加速」のパワーはさすがに強く、ミラージュゲートと違って1ターン目から使えるので、自然に採用できるデッキでは強そうです。テラパゴスexは1ターン目にユニオンビートは使えませんが後1クラウンオパール180ダメージがありえますし、そうでなくともバッフロンで後1から130ダメージが出せる可能性はあります。
 事前にエネルギーを落とす必要がある以上、後1クラウンオパールの要求はさすがにやや高いと思いますが、きらめく結晶が絡んだりすれば後1クラウンオパールは決して絵空事ではない……かもしれません。
 それでは、また。

※本記事の画像はポケモンカードトレーナーウェブサイトからの引用です。

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