2024年5月17日、新しい構築済みスターターが登場します。
バトルマスターデッキ 「テラスタル リザードンex」
バトルマスターデッキ 「パオジアンex」
の2つです。
まだ発売前なので、わたしも現物を手に取ったわけではないのですが、デッキリストが公開されていたので、それを見ながら「どんな人におすすめかな？」とか「リザードンとパオジアンのどっちがよさそうかな？」とか色々と考えてみたので、記事にしてみました。よろしくお願いします。
・どんな人向け？
ポケカを初めて遊ぶ人や、遊んだことがあるけどリザードンexやパオジアンexを組んだことがないので組んでみたいという人におすすめです。
ただ、特性が多くて行動の組み立てが初心者には多少難しかったりもするので、ポケカを全く知らない小学生とかならexスタートデッキあたりから始めた方がいいかもしれません。多少難しいといっても、高校生や大人であれば遊びながら十分理解していけると思います。
これらのデッキは、いずれも一度は最強クラスのデッキとして名を馳せたデッキです。
リザードンexデッキは長らくtier1（環境トップ）に君臨し続けたパワフルなデッキですし、パオジアンexデッキはポケカ四天王決定戦という本邦トップクラスのプレイヤーたちの大会で最も多くのプレイヤーが使用したデッキです。
そのため強さは折り紙付きで、発売する2024年5月時点の環境にも合っています。公式大型大会の出場権をかけて戦う「シティリーグ」という公認の店舗大会でも、リザードンexデッキとパオジアンexデッキはいずれもTOP10には入る、いまだ現役の環境デッキです。
なお、使用率1位はドラパルトexデッキ、2位はルギアexデッキなので、さすがに環境最先端のトップデッキではありません。ただ、最近のシティリーグで優勝実績もある強いデッキタイプなのは確かです。
・リザードンexとパオジアンex、どっちを買えばいい？
どちらも強いデッキですが、片方だけ買うのならリザードンexがおすすめです。
パオジアンexもとっても強いデッキなのですが、扱うのがリザードンexデッキより難しいです。駆け引き面もそうですが、自分の番に行動を組み立てるのがややパズルめいており、確率的に最善の動きをし続けるのが難しいデッキです。選択次第ではうまく回らないことも多く、初心者がポテンシャルを引き出しにくいデッキということです。
一方でリザードンexも駆け引きについては奥深いのですが、パオジアンexのように最善の行動を追求しなくても、適当に振り回してるだけである程度強いです。そこから動きを洗練させることで更に隙がなくなっていく……という、間口が広いが奥も深いデッキなのがリザードンexデッキです。
なので、2人で1つずつ買う等であれば、よりポケカに詳しそうな方、あるいは年かさの方がパオジアンexデッキを買い、そうでない方がリザードンexを買う、というのがバランスがいいかもしれませんね。あと、パズルのような行動の組み立てが好きという方はパオジアンexデッキに向いていると思います。
なお、リザードンexデッキはテラスタルで悪タイプになり、パオジアンexデッキは水タイプですので、お互い弱点の関係には当たりません。ポケカ公式がチャンピオンズリーグ2024愛知大会Day1の統計として出していたデータでは、リザードンexデッキの対パオジアンexは勝率51%でした。少なくとも極端な相性差はない組み合わせかなと思います。
ちなみに。
2024年5月12日時点で、バトルマスターデッキ「テラスタル リザードンex」の中身を全てカードラッシュ通販でシングル買いすると、上記の通りの価格となります。計7560円です。（※1）
まぁ、このセットが発売すると該当カードの流通量が増えるので多少値下がりすると思いますが、それでも劇的に安くなるというわけではないでしょう。シングル買いの半額以下でデッキが組めると考えれば、お買い得なスターターだと思います。
なお、パオジアンデッキを全カードシングル買いすると6670円でした。アルセウスラインやリザードンexなど、ポケモンがリザードンデッキの方がやや高めなので約900円安くなっています。ただ、それでもお得なスターターであることには変わりありませんね。
・デッキ改造案：パオジアンexデッキ
これらのスターターはおおむね環境のリザードンexデッキ、パオジアンexデッキに沿った構築にはなっているものの、少し最新の構築と比べると異なる部分があります。環境で活躍しているデッキを参考に、改造案を挙げたみたいと思います。
まず、パオジアンexデッキですが、セビエはHP70の採用が多めです。2024年5月の大会上位入賞リストを見ていると、HP70のセビエ2枚、HP60のセビエ1枚という構築が多いです。
これはドラパルトexのファントムダイブによってHP60のポケモンが一発で倒されてしまうことに由来しており、環境に合わせるならHP70セビエを使いたいです。ただ、HP60セビエはにげるエネルギーが少なくて小回りがきく利点があるため、2枚だけHP70セビエを買い足して入れ替えるのがいいと思います。
画像のHP70セビエなら、引きが悪い時にワザ「もってくる」でカードを引きにいける強みもあります。HP70セビエは80円で買えます。（※2）
手札を1枚捨てる代わりに基本エネルギーを2枚引ける大地の器も相性のいいカードです。
パオジアンexが特性「わななくれいき」で水エネルギーを2枚持ってこられるのと、トラッシュから基本エネルギーを回収してくるスーパーエネルギー回収があるのとでエネルギー事情は大丈夫にも見えますが、トラッシュにエネルギーを溜める前にまずは手札にエネルギーを持ってくる必要があり、パオジアンexデッキは水エネルギーが大量に必要なので、「わななくれいき」だけでは足りないことがあります。
そこで大地の器を使うことで、山札のエネルギーをより効率的に手札に集められます。大会上位入賞デッキでも1～2枚積んでいることがほとんどであり、採用価値が高いです。1枚500円前後と少しお高いですが、少なくともカイで持ってこられるよう1枚は積んでおけると強いかなと思います。
また、プライムキャッチャーが強く使えるデッキでもあります。
プライムキャッチャーはデッキに1枚しか積めない「エーススペック」のカードで、相手のベンチのポケモンを呼びだしつつ自分のバトルポケモンを入れ替えられるという、高性能なカードです。
パオジアンexデッキととても相性がよく、採用率も高いのですが、強さと汎用性の高さにより2500円前後することが多いです。さすがに高くて買えないよ、という方はカウンターキャッチャーで代用するのもありだと思います。
サイドの枚数が負けている時しか使えない、自分のポケモンを入れ替える効果は無いなど、プライムキャッチャーには劣りますが、こちらも強くて汎用的なカードかつ500円前後で買えます。
更に言うなら、なかよしポフィンを採用したいところです。パオジアンexデッキは盤面の完成度が落ちると大きくパフォーマンスが下がりがちなデッキなので、序盤の展開や中盤以降の再展開に役立つなかよしポフィンが強く使えます。大会上位リストでも3～4枚積んでいる人がほとんどです。
なかよしポフィン、1枚1180円とかなのでかなり高いんですが、色んなデッキで使えるので、長くポケカを遊ぶつもりであれば買っておいても損はありません。
・デッキ改造案：リザードンexデッキ
リザードンexデッキでは、まずマキシマムベルトが強く使いやすいです。
序盤のリザードンexはどうしてもダメージが足りないところがありますが、それを補える強いカードです。デッキに1枚だけ入れられるエーススペックのカードですが、これがあれば最序盤からパオジアンexを一発で倒せるようになります。
880円とプライムキャッチャーよりはお安くなりますが、それでもやはりカード1枚の枚数としては高いですし、特に最近ポケカを始めたばかりの人だと尚更そう感じやすいと思います。そのため、代用を何かしら考えるとなると、こだわりベルトあたりでしょうか。
対Vポケモン限定ですが、与えるダメージが+30されます。
現在はVポケモンよりもexポケモンが軸になるデッキが多いので、マキシマムベルトの方が刺さりやすいきらいはありますが、ルギアVSTARなどVポケモンが軸のデッキはまだまだ健在ですし、サポート役としてロトムVなどが入っているデッキは多いですから、こだわりベルトも十分強いです。80円で買えます。
リザードンexは優秀なポケモンですが、与えるダメージが相手のサイドの枚数で変動するので、逆に言えば相手がわざと序盤攻めずに動きを押さえたりすることで、リザードンex側はあまりダメージを与えられず攻めあぐねる事態が起こりえます。そんな状況を打破するために、与えるダメージを増やして相手の計算を狂わせる要素があると強いです。
同じく与えるダメージを+30するスグリもいいカードです。
1ターンの間に他のサポートと併用することはできませんが、無条件で与えるダメージを+30できますし、ポケモンを入れ替える用途で使うこともできる柔軟なカードですね。これも80円で買えます。
ダメージ以外の面でいえば、ペパーも強いカードです。
ペパーはポケモンのどうぐとグッズをサーチできるサポートで、リザードンexデッキで重要なふしぎなアメや上記のようなダメージを増やすどうぐ（マキシマムベルト、こだわりベルト等）を持ってくることができ、相性がいいです。ワザマシン エヴォリューションと一緒に採用するのもいいですね。
パオジアンexデッキでは水ポケモンとグッズを持ってこられるカイが採用されていてとても強いのですが、リザードンexは水ポケモンのデッキではないため、代わりにペパーをとても強く使えます。380円です。
あとは、リザードンexは相手に先手を取られた後に巻き返す展開も多いので、カウンターキャッチャーを強く使えるデッキです。500円前後ですが、1～2枚積んでおくと役立ちやすいです。
パオジアンexデッキとかぶりますが、なかよしポフィンはリザードンデッキでも強いカードです。
大会上位リストでも3～4枚の採用がほとんどなので、そのうち3枚くらい揃えてもいいかもしれません。ただ、パオジアンexデッキもそうですが、別になかよしポフィンがなくても普通に回りますから、慣れてきて一歩上を目指したいとか、店舗大会に出てみたいとか思った時に買うことを考えてもいいかもしれませんね。
まとめです。
・バトルマスターデッキ 「テラスタル リザードンex」 「パオジアンex」は、かつて環境トップクラスで、今も環境でTOP10には入るガチデッキが収録されていて、ポケカを始めるのにおすすめ。ただし入門デッキとしては少し難しいので、ポケカ初プレイの小学生ならexスタートデッキの方がいいかも。
・リザードンexデッキもパオジアンexデッキも強いけど、どっちか片方だけ買うのならリザードンexデッキの方が初心者でも扱いやすい。パオジアンexも十分強いけど、ポテンシャルを引き出すのにコツが必要。2人で1つずつ買うなら、ポケカの知識が多い方とか年上の方がパオジアンexデッキを買うといいかも。
・それぞれのデッキは直近の店舗大会でも上位を取ってるけど、最新の上位構築とこの商品の構築とは少し異なるので、改造の余地がある。パオジアンexデッキなら大地の器やなかよしポフィン、プライムキャッチャーあたり、リザードンexデッキならマキシマムベルトやペパー、カウンターキャッチャーあたりの採用が改造案として挙げられる。
……という感じです。
この手の構築済みスターターデッキというのは、入門デッキとしてはよくまとまっていても、環境デッキからは大きく外れたものが多かったりもするのですが、これらのデッキについてはガチガチの環境デッキがベースになっており、これらのデッキに習熟することで現環境に対する理解も十分深まりますし、なんなら少し改造したらそのまま店舗大会に出られるくらいのクオリティです。
なので、「ポケカ始めたいけど、何から買えばいいかな？」という方は、このバトルマスターデッキが渡りに船かなと思います。500円のexスタートデッキなどと比べると3000円はお高めですが、主力のexポケモンやサブのVポケモン、ネストボール4枚入りにかがやくポケモンもありと、必要なカードがだいぶ厚めにしっかり入っているので、お値段相応の価値はあるんじゃないかなと、個人的には思いますね。おすすめです。
それでは、また。
※1……複数枚入っている同名カードは合計額を記載しており、状態は全てプレイ用として最良のものを選択しています。SALE商品は選んでいません。
※2……これを含め、カードの値段はすべて2024年5月12日のカードラッシュ通販の価格を参考にしています。
（記事内の画像はポケモンカードゲームトレーナーズウェブサイトからの引用です。）
コメント
もうリザードンデッキを持っているので
パオジアンデッキを買おうと思っているんですが
どう思いますか？
>>1
コメントありがとうございます。
パオジアンデッキを組みたいので、このバトルマスターデッキ「パオジアンex」を買った方がいいか、ということですよね？
「リザードンデッキは崩さず、別にもう1つパオジアンデッキを作りたい、でもナンジャモやネストボールといった汎用カードがあまり余っていない」という場合は、バトルマスターデッキを買うとちょうどいいと思います。
リザードンデッキを崩してパオジアンデッキに組み替えるつもりであるとか、あるいはナンジャモやネストボールといった汎用カードが余っているとかであれば、手持ちのカードを使いつつ足りないカードをお店でシングル買いした方が安上がりの可能性が高いので、今回のバトルマスターデッキは見送ってもいいかもしれません。
まぁ、バトルマスターデッキを買って余ったカードは結局他のデッキにも流用できますから、リザードンとパオジアン以外にも今後どんどんデッキを増やすつもりであれば、買ってしまってもいいかなとも思いますけれどもね。