アクロマの執念 発表時考察【ポケカ】

 札幌CLで、新拡張「ナイトワンダラー」の新カードが発表されました。

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 アクロマの執念
 スタジアムとエネルギーを1枚ずつ持ってこられるカードです。
 この新カード、一目見て気に入ったので、このカードについて考えたことや抱いた感想を書いてみたいと思います。よろしくお願いします。
 わたしはアクロマの執念を見た時、とあるカードを思い出しました。グズマ&ハラです。

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 グズマ&ハラは手札を2枚トラッシュするという条件付きで、当時サーチの困難だった特殊エネルギー、スタジアム、ポケモンのどうぐを1枚ずつサーチすることが出来ました。特殊エネルギーを軸にしたデッキでよく採用されていましたね。まぁ、グズマ&ハラが強かったのはそれ自体の性能はもちろんのこと、タッグコールでサーチできたことも大きいと思いますが……
 アクロマの執念はポケモンのどうぐが持ってこられない代わりに、手札トラッシュが不要かつ基本エネルギーを含むエネルギー全般とスタジアムを持ってくることができます。変幻の仮面環境ではスタジアムも特殊エネルギーもサーチが難しいので、このどちらかを軸にしたいデッキからすると心強い1枚ですね。
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 たとえば、ダブルターボエネルギーを軸にしたデッキについては、今まではピジョットexのような万能サーチを使ったり、あるいはエネくじという不安定なグッズで引きにいったりする必要がありましたが、これからはアクロマの執念でサーチすることができます。ACE SPECのネオアッパーエネルギーレガシーエネルギーもサーチしやすくなりますね。
 更に言えば、特殊エネルギー対策のシンオウ神殿を相手が置いていても、一緒にサーチしてきたスタジアムでトラッシュできるわけですから、特殊エネルギーを活用するデッキにとっては大いに強化要素であるといえるでしょう。まぁ、特殊エネルギーについてはアーケオスがいるため、Fが落ちるまであまり強いのを刷りにくいところはありそうですが……
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 また、スタジアムを軸にしたデッキでいうならば、ナイトワンダラーで一緒に実装されるニュートラルセンターなんかもサーチしやすくていいですね。ピジョットexや森の封印石など、ニュートラルセンターで守られないポケモンを用いてサーチしたら、結局ボスの指令などが弱点になってしまいますから。
 あとはスタジアムへの依存度が高いデッキといえば、マグマの滝壺グレンアルマによるエネルギー供給を行うデッキとか、お祭り会場を出して特性を発動させるカミッチュのデッキとかでしょうか。また、タウンデパートを採用することで、スタジアムサーチを実質どうぐサーチに変換することができます。

 後攻1ターン目にペパーエヴォリューションなかよしポフィン(or大地の器)を持ってきてエヴォリューションをする構築がありますが、アクロマの執念もまたタウンデパート+エネルギーを持ってきてタウンデパートからエヴォリューションを持ってくることで、ポケモンさえ並べられれば後攻1ターン目エヴォリューションを狙いにいけますね。
 あとは、ポケモンのどうぐメタのジャミングタワーも更に使いやすくなるかもしれません。フワンテ勇気のおまもりトドロクツキexブーストエナジー 古代など、本来の最大HPを超えてダメージの乗っているポケモンをどうぐ破壊で倒しにいきたい時、ハイパーボールネオラントV→ペパー→ロストスイーパーというルートでアクセスする手が有用でしたが、ここでペパーではなくアクロマの執念からジャミングタワーにアクセスするという第二のどうぐメタルートが生まれました。
 あと、小技として「どうしても特殊エネルギーをサーチしたいけど負け筋のネオラントVを出したくない」という場合、ハイパーボール→ネオラントV→アクロマの執念→特殊エネルギー&崩れたスタジアム、のルートであれば、特殊エネルギーをサーチしつつ崩れたスタジアムでネオラントVをベンチから追放できます。
 個人的には特殊エネルギーのサーチを特に評価していて、ダブルターボエネルギーやルミナスエネルギーリバーサルエネルギーを軸にした構築を考える場合、これらのカードがサーチしづらいというのがネックになりがちでした。
 たとえば、わたしはマスカーニャexが好きなのですが、ダブルターボエネルギーがサーチしづらいのがしんどいなと思っていました。ピジョットexを採用すればサーチできるんですが、マスカーニャexの特性が相手のベンチへのダメカン3個乗せなので、かがやくフーディンでダメカンを動かしたりボスの指令でベンチを呼んだりと色々とやりたいことがあって、ダブルターボエネルギーのサーチにかかずらっていては思うように動けないと感じることも多かったです。
 ですが、アクロマの執念であればサポート枠でダブルターボエネルギーサーチができますから、その分ピジョットexでカウンターキャッチャーをサーチしてくる等、多少余裕ができそうな感じがしました。
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 ここまでいいところをメインで見てきましたが、そうでないところもあります。
 まず、グッズサーチが可能なペパーほど汎用的か、といえばそこまでではないような感じもあります。ペパーは4枚積んでいいカードでしたが、個人的にアクロマの執念は現状4枚も積む気はしないですね。特殊エネルギーとスタジアムというのはグッズほどの幅はないでしょうし、グズマ&ハラも4積みはほとんど見なかったように思います。
 また、キュレムという強力なメタカードがあります。環境でのアクロマの執念の採用率が増えるとともにキュレムの採用率も増えて1エネ110ダメージ×3の強力なお仕置きが飛んできますし、そうでなくともロスト軸デッキの対策になることからロスト対策に巻き込まれてしまうおそれがあります。更に言うなら、今後新しくアクロマの名を関するカードが増える可能性もありますからね。

 まとめです。
・アクロマの執念は、変幻の仮面環境までサーチの困難だった特殊エネルギーとスタジアムがサーチできるようになるため、これらが軸になるデッキで採用価値が高く、このカードのお陰で環境入りするデッキも出てきそう。
・特殊エネルギー軸のデッキとしては、一緒に持ってこられるスタジアムによって特殊エネルギーメタのシンオウ神殿をトラッシュできるのが強いところだと思う。
・タウンデパートを入れてどうぐサーチに繋げたり、ジャミングタワーがあることでポケモンのどうぐ対策をしつつエネルギーを引けたりと、器用に立ち回れる良質なサポートだと感じる。
・ただ、グッズサーチができるペパーにはさすがに汎用性で劣るし、キュレムという対策カードがあるという大きなデメリットがある。キュレムがどのくらい使われるかは未知数だけど、アクロマの執念がなくてもロスト軸のデッキの対策になるので、ロスト対策に巻き込まれて割を食う可能性がある。

 ペパーもそうですが、この手の器用なサーチカードがあるの、試合におけるプレイヤーの技術介入を重視している感じがして、とても好みです。
 特殊エネルギー好きのわたしとしてもぜひ使いたいカードではありますが、キュレムの採用率がどのくらいになるのかが懸念点ですね……あまり高くないと嬉しいなと思っています。
 札幌CLでもルギアデッキはベスト4に入りましたし、アーケオスがいる間は強い特殊エネルギーを出しにくいきらいがあると思いますので、ひょっとしたら真価を発揮するのはFが落ちてから、つまり2025年以降になるかもしれませんね。その頃にはロストゾーン軸のデッキも落ちているので、キュレムも「ああ、そんなカードあったね」くらいになっているのかもしれません。まぁそもそも、FGH環境でキュレムがどのくらい採用されるかがまず未知数ですけれどもね。
 それでは、また。

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