ポケポケではポケモンのカードを場に並べ、戦います。
しかし、対戦においてはポケモン以外のカードも重要になります。それらポケモンでないカード群を「トレーナーズ」と呼びます。
本記事では、トレーナーズの中でもおすすめのカードについて、わたしの独断と偏見に基づきご説明してみたいと思います。デッキ構築の参考になれば幸いです。
博士の研究
山札を2枚引くドローサポートです。
「最強の遺伝子」のみの環境では唯一手札を増やせるサポートです。
全デッキにとりあえず2枚積んでいいカードだと思います。カードゲームはカード引いてナンボですからね。
効果自体にデメリットは特にありませんが、サポートなので他にカスミやナツメといったサポートが使えないのがデメリットといえばそうです。
逆に言えば、他にサポートを使う必要のない時はとりあえず使っておきたいカードといえます。ドローして困ることはあまりないですからね。まぁ、相手のレッドカードを誘ってしまって手札の進化ポケモンを流される、みたいな展開はありえますが……
なお、初期山札が15枚なので、博士の研究を使いつつやや膠着した展開になると山札が尽きることがあります。
ただ、紙のポケカと違ってポケポケは山札が無くなっても負けないので、引きすぎを気にする必要はあまりないと思います。
おそらく、第2弾以降で他にも手札を増やすサポートは登場すると思いますが、「最強の遺伝子」環境は手札を増やす手段に乏しいため、博士の研究はとりあえず全デッキに2積みしていいカードだと考えています。
第2弾では……そうですね、紙のマサキのメンテナンスくらいの強さなら登場しうるでしょうか? 地底探検隊は強すぎかもしれません。
なお、博士の研究は初期状態で2枚持っています。
ナツメ
相手に入れ替えを強要するサポートです。
「相手のバトルポケモンをのけて、ベンチポケモンを引きずり出す」というのが主な目的です。
出すベンチポケモンは相手が選べるとはいえ、「バトル場のポケモンでさえなければ倒せる」というシチュエーションは割と多く、強く使える機会の多いサポートです。
相手のポケモンを倒すためだけではなく、相手のプランを崩すこともできます。
たとえばカモネギやガルーラで時間稼ぎをしながらベンチの主力を育ててくるケースで、早々にナツメを使って主力を引きずり出すことで、育成中の主力を倒したり、あるいは手負いにすることで後々倒しやすくすることができます。特に進化デッキだと、進化前のポケモンを倒すことで主力ポケモン自体を出せなくすることすらできますね。
また、ポケポケは3ポイント先取なので、「2ポイント取らせたうえで、高耐久のexをバトル場に出して戦う」という戦法が非常に有用です。これによって、相手の勝利に実質4ポイントぶんの労力を強いることができます。
しかし、バトル場にexポケモンがいたとしても、ベンチにいるとは限りません。あるいはいたとしてもエネルギーがついていなくて動けないとか、HPが減っているとかなら、バトル場のexポケモンよりもそっちを攻撃した方がいいはずです。そういう時、ナツメは有効に作用してくれます。
紙のポケカであなぬけのヒモやテツノツツミが強かったのもそうなんですが、基本的にプレイヤーは一番バトル場に出したいポケモンをバトル場に出すわけですから、それを強制的に入れ替えさせるというのは相手のプランを崩せて強い行動なのですよね。まぁ逃げられなくて仕方なくバトル場に置いているというシチュエーションもありえますが、そう読むならナツメを温存して普通に戦えば有利でしょう。
ほんとはベンチポケモンを狙って呼び出せればそれが一番強いんですが、トレーナーズでは無理なのですよね。ウツボットの特性でたねポケモンを呼び出すことはできるんですが、2進化なのがネックです。
ただ、サポート枠を使ったとしても相手に対する強制入れ替えは十分強く、ナツメは採用の価値が十分あるカードだと思います。
なお、ナツメは「最強の遺伝子 リザードン」に収録されています。博士の研究と違って、パックから引かないと手に入りません。レア度は◇◇です。
サカキ
バトルポケモンに与えるダメージを+10するサポートです。
たかが+10されど+10です。HP300以上のポケモンが珍しくない紙のポケカですらデッキによってはげんきのハチマキが採用されていたのですから、HP200未満しかいないポケポケで+10が弱いわけがありませんね。たびたび10ダメージで明暗の分かれるゲームです。
ダメージが10足りない状況が頻発するデッキでは特に強いですが、そうでないデッキでも10足りないことは珍しくないので、雑に積んでも有用なカードだと思います。
でも、どうせ使うなら意図を持って採用の有無や枚数を決めたいところかな、とも思いますね。自分のデッキでメインで使うワザが90ダメージで、環境にHP100のポケモンが流行っているのでそこを対策したい、とか。50ダメージを簡単に出せるデッキなので、カモネギを倒すためにもう10ダメージ欲しい、とか。
なお、サカキを使われる側はキズぐすりで対策できます。HP150のポケモンが70ダメージ×2+サカキでぴったり倒されるところを、70ダメージ受けた時点でキズぐすりを使って追加の80ダメージを耐えるようにする、とか。
ただ、一発で倒される分には対策できないので、そこはサカキの強みです。HP80のポケモンが70ダメージ+サカキで倒されることは防げません。最大HPを増やしたり受けるダメージを減らしたりするトレーナーズが無いからです。
サカキは「最強の遺伝子 ミュウツー」に収録されています。ナツメともども2枚手に入れておきたいカードですね。
モンスターボール
ランダムなたねポケモンを山札からサーチするグッズです。
ランダムサーチかつ相手に見せなくていいという、DCGならではのカードですね。紙のTCGだとたねポケモンをランダムに引かせるのに手間が必要かつ、ちゃんとたねポケモンを引いたことを相手に証明するため見せる必要があるので……
モンスターボールは非常に汎用的なカードです。
ポケモンカードではたねポケモンを並べなければ試合になりませんし、場のポケモンが1匹だけの場合はそれを倒されるとポイント無関係に負けとなってしまうため、たねポケモンを持ってくるというのは非常に強力な効果です。
紙のネストボールやクイックボールのように好きなたねポケモンを持ってくることはできないのですが、とりあえずたねポケモンを持ってこられるだけでも有用なのは間違いありません。
紙のポケカでもたねポケモンサーチは多くのデッキで複数採用されていますし、ポケポケでも特にこだわりがなければ2積みしていいと思います。わたしも現状「博士の研究2、モンスターボール2」から構築を始めています。
逆に進化ポケモンをサーチするカードがないのが進化デッキにとってしんどいところだったりします。博士の研究などで枚数を引いて進化先を持ってくるしかないですからね。
モンスターボールは最初から2枚持っているようで、特にパックから出す必要はありません。
きずぐすり
HPを20回復するグッズです。
サカキについて「10ダメージで明暗の分かれるゲームなので、与えるダメージ+10は強い」と書きましたが、10ダメージが明暗を分けるゲームなら当然20回復も強いです。
相手と自分のポケモンを見ていれば、相手がどういうプランでこちらを倒しに来るかはある程度予想がつくので、その予想を崩すように使い、自分のポケモンを相手の想定より長く戦わせられる使い方が、きずぐすりの理想的な使い方の1つです。
こちらのHP110のポケモンを60ダメージ×2で倒そうとしてくる相手に対して、一発目の攻撃を受けた時点できずぐすりを使って回復し、届かなくする……みたいな感じですね。ただし、10足りないだけだとサカキできぜつに追い込まれることがあるため、そこは意識しておく必要があります。
200ダメージ出せるリザードンexのような、高火力でワンパンしてくるデッキに対してはあまり役に立たないこともありますが、そうでないデッキの方が多いですから、有用なカードだと思います。
フリーザーexのふぶきで受けた10~20ダメージを回復させて、ハギギシリの「既にダメージを受けているポケモンに対して与えるダメージが増える」というワザの性質を不発にする、というのも有用な使い方の1つでしょうね。
きずぐすりの有用な使い方は単純な算数ではあるのですが、相手がどういうダメージの与え方で攻めたいかを理解していなければ奏功させることが難しいため、環境のカードに対するある程度の理解度が必要です。
たとえば、相手のバトル場のカモネギが40ダメージの攻撃をしてきた番の返しでカモネギを倒せる際、きずぐすりを使うかどうか?みたいな話ですね。相手のベンチにはタマタマが1匹おり、次の相手の番に攻撃してくるとしたらタマタマまたはその進化先のナッシーなのですが、はてナッシーが出せるダメージはいくらだっけ……?とか。
場に見えている情報だけでは判断基準として不足していることもあり、知識も問われます。
サカキもそういう部分がありますが、きずぐすりは守りのカードであり、有効に作用するかは相手の行動次第という部分もあるため、余計に先読みが大事です。
たとえばお互い山札も少ない終盤戦で、「サカキはまだ1枚も使われていないが、相手のデッキタイプならサカキは2積みされている可能性が高い」としたら、きずぐすりを使ってもサカキ込みでやられるHPだった場合に、きずぐすりを使うべきか……?みたいな話ですね。
これは読みを働かせるというのもそうですが、「相手のデッキタイプならサカキは普通2積みする」という環境のデッキ構築への理解度も必要となります。
……と書くと難しそうですが、ポケポケは現状シンプルなゲームなのでそんな膨大な知識は必要ありませんし、そもそもきずぐすり自体は場に見えている情報だけを元に雑に使っても弱くないカードですから、デッキに合っていればどんどん採用していいと思います。
きずぐすりはショップでのチケット交換で手に入るカードです。(1枚は「遊びかた」で手に入ります)
グッズ系は全部そうで、「最強の遺伝子」のパックから出るトレーナーズはサポートだけなのですよね。キャラクターじゃなくてただの薬やボールがパックから出てもあまり嬉しくないからでしょうか?
スピーダー
にげるエネルギーを1軽減するグッズです。
ポケポケにおいて、とても重要なカードです。
ポケポケは3ポイント先に取ったら勝ちのゲームです。
つまり、exポケモンを2匹分と数えて、合計3匹のポケモンを先に倒した方の勝ちです。
勝利に近づくためのポイントは、ポケモンを倒さなければ増えません。相手のポケモンをHP10の虫の息まで追い込んだとしても、倒し切らなければ勝利へと近づくことはできないんです。
ということは、傷ついたポケモンをベンチに下げて倒されないようにすることで、そのポケモンに対して相手がしてきた攻撃を無駄にすることができます。
結局のところ、HP0にならない限り相手の勝利条件に貢献することはないですから。
ですので、ポケポケにおいて「にげる」というのは極めて重要な行動であると分かります。
そんなポケポケにおいて、にげる行動のハードルを下げるスピーダーが弱いわけはありません。
手負いのポケモンを守るために有用な手ですし、仮ににげるエネルギーが1個だけだったとしても、エネルギーを温存することで後でまだワザを使わせることもできます。壁にしていたポケモンを逃がすためにエネルギーを付けなくてよくなることで、そのぶんベンチにいた主力ポケモンを育てることもできるでしょう。
また、単純に出したくないポケモンを出していた際に、少ないコストで入れ替えられる、というのも大きいです。
ピカチュウexで攻撃していれば勝てそうな相手に対して、初手にビリリダマしかたねポケモンがいなくてバトル場に出さざるをえなかった時とかですね。ここでスピーダーを使って入れ替えられれば、ビリリダマにエネルギーを付ける必要がなくなるため、ピカチュウexに雷エネルギーを2回つけてスムーズに攻撃に移れます。
相手のナツメによって出したくないポケモンをバトル場に出させられた時のリカバリーにも有用です。
とても便利なカードではあり、1ターンに2枚使ってにげるエネルギーを2個減らすこともできるのですが、欠点もあります。
それは、ねむりやマヒといった「にげる行動自体を封じる特殊状態」に対しては無力である、ということです。アーボックのワザのような「次の番、相手のポケモンは逃げられない」効果についても、やはりスピーダーではどうしようもありません。ポケモンいれかえのような、強制的に入れ替え自体を発生させるトレーナーズがあればいいのですが、「最強の遺伝子」には収録がありません。
しかし、欠点はあれど強いカードには違いありませんので、大いに採用価値があるカードです。
そのうち、強制的に入れ替えを発生させるサポートというか、ナツメの味方版みたいなカードが出ると思いますが、それまで入れ替えはスピーダー頼りになりそうです。ナツメの味方版が出たとして、サポート枠を食ってしまうため、必ずしもスピーダーより強いとは限りませんけどね。
スピーダーはショップのチケット交換で手に入ります。(1枚は「遊びかた」で手に入ります)
とりあえず2枚引き換えておくと安心ですね。
まとめ
・ポケポケにおけるポケモンでないカード(トレーナーズ)について、おすすめを列挙してみた。
・博士の研究は2ドロー。行動の選択肢が広がるドローソースであり、現時点で唯一のドローサポートでもあるため、とりあえず2積みでいいと思う。
・ナツメは相手のバトルポケモンの強制入れ替え。選択権は相手にあるが、どれを選ばれても有利に働くことも多く、勝利に直結するカードでもあるため、採用価値は大いにある。
・サカキは相手のバトルポケモンに与えるダメージ+10。ポケポケは10ダメージの差が容易に明暗を分けるゲームなので、とても強い1枚。仮想敵を定めて採用の必要性や枚数を検討したい。
・モンスターボールはたねポケモンランダムサーチ。たねポケモンがいらないデッキは存在せず、デッキの圧縮にも有用。これも現状とりあえず2積みして問題ないカードだと思う。
・キズぐすりはHP20回復。複数回の攻撃でこちらのポケモンを倒そうとする相手の計画を崩すことができる。相手の攻めの計画を看破して使えるととても強いけど、雑に使っても強い。特に高耐久ポケモンのデッキでおすすめ。
・スピーダーはにげるエネルギー-1。ポケポケは手負いのポケモンをベンチに下げて守る動きが強いゲームなので、にげる行動を円滑にするスピーダーは勝敗に直結するパワーがある。
……という感じです。
このあたりを雑に積むだけでも構築はそれっぽくなるかと思います。
たとえば、ミュウツーex、ラルトス、キルリア、サーナイト、そして上記6種のカードを全部2積み!……みたいに。
「いくらなんでも雑すぎない?」と思われるかもしれませんが、実際これとほぼ同じ構築が100人規模の海外大会で4位入賞しています。
ナツメを1枚減らしてレッドカードに入れ替えている以外、すべて同じです。ですので、上記6種のトレーナーズについては集めて損はないと思いますね。
集めるに際しては、サカキがミュウツーパック、ナツメがリザードンパックなのが少し面倒なところです。他は最初から持っていたり、ショップで引き換えたりするだけで手に入るんですが……
ただ、強さは上記の大会結果を見ても折り紙付きかと思いますので、ぜひ集めてみてください。
それでは、また。
※本記事の画像は、株式会社ポケモンのゲーム、Pokémon Trading Card Game Pocketからの引用です。
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