ポケポケには、優秀な無色ポケモンがいます。
ワザに必要なエネルギーのタイプの縛りが原則ない無色ポケモンは、いろんなデッキで採用できる「傭兵」の立ち位置をしています。
そんな無色ポケモンの中でも、傭兵として気軽に採用しやすいたねポケモンについて、主要なものを本記事で考察してみたいと思います。なお、一部例外として「傭兵として採用しうるけど、無色でないポケモン」も含んでいます。
よろしくお願いします。
カモネギ
HP60、1エネ40ダメージ、にげる1の優秀な無色ポケモンです。
軽くて優秀なアタッカーで、たねポケモン+1エネ確定40ダメージは相手の弱点を突けない無色ポケモンだけに許された組み合わせであり、中でもカモネギが有しているのは進化できないからこそだと思われます。(リリース時点でのお話です)
その性能ゆえにポケポケをはじめたての頃はたいへんお世話になりますが、各タイプの優秀な無進化たねポケモンが増えてくると抜けてきやすい……と思いきや、優秀な無進化たねポケモンと比較しても1エネで安定して40ダメージを出せるポケモンは他にいないため、大いに採用の余地があるポケモンです。
たとえば、スターミーexが流行っているから後攻の最初の番からヒトデマンを倒したい、と思った時、それを弱点に依存せず安定して実現できるのはカモネギ+サカキの組み合わせしかありません。(最強の遺伝子環境)
ですので、1エネ40ダメージに価値を見出すのであれば採用の余地があるカードかと思います。
後攻の最初の番から40ダメージを出せるのはロケットスタートという感じでとてもいいのですが、カモネギ自体もHP60と脆く、相手にも序盤からのポイント獲得を許しやすい点には要注意です。
ガルーラ
HP100、1エネ0~60ダメージ、にげる3の無色ポケモンです。
カモネギより硬く、1エネでダメージも出せるというのが優秀なポケモンです。
最強の遺伝子環境では、ピカチュウexやスターミーexといったメジャーなポケモンが2エネ90ダメージを使いがちなので、HP100以上あるというのは耐久面で信頼性があります。サカキで届いてしまいますが、逆に言えばサカキ要求ということになります。また、サカキを使うということはその番他のサポートは使えないということでもあります。
ワザはコイントス依存で安定感がないですが、1エネで平均30ダメージです。
カモネギの40ダメージには劣るものの、HP3桁のわりかし堅牢な壁で、かつちゃんと1エネで攻撃できて相手の場にダメージを蓄積していけるというのは優秀です。
攻撃面も耐久性もカモネギとカビゴンの中間みたいな性能をしていて、HP60は脆すぎるけどマトモに攻撃できない壁は困る、ということであれば採用が検討されるかと思います。
にげる3と重めなので、自分の意思で入れ替えにくいのも難点といえます。
ワザの安定感のなさはデメリットの側面がもちろんありますが、「ひょっとしたら1エネ60ダメージ出すかもしれないワザ」は相手にとってプレッシャーなので、ガルーラを使われる側もわりと嫌な感じではあります。場合によっては相手の拙速を引き出せるかもしれません。
どうしてもコイントス依存が嫌、という場合はHP100、2エネ50ダメージのケンタロスを採用するのも手です。こちらはにげる2なのでガルーラより入れ替えやすいですが、ワザの使用に2エネ必要なのがネックで、「壁役を立ててベンチを育てる」という考え方をするなら、壁役を育てるのにターンを使うのは本末転倒です。
また、にげるエネルギーに着目するならファイヤー・サンダー・フリーザーなど各タイプの伝説の鳥ポケモンがにげる1でHP100なので、この辺も壁として優秀です。軽くて優秀なワザはないですが、ある程度のパワーの攻撃ワザを持っているため、基本は壁として運用しつついざという時はメインアタッカーとしても活躍させられます(タイプの合ったデッキであれば)。
ガルーラが優秀なのは1エネでそこそこ優秀なワザを持っていることと、硬めの無進化たねポケモンが存在しない鋼や悪のデッキでもワザが使えることです。
カビゴン
HP150、4エネ70ダメージ、にげる4の無色ポケモンです。
最強の遺伝子環境のたねポケモンの中では最も高いHP150を有する、最硬の壁です。なお、もう1匹のHP150たねポケモンはミュウツーexであり、名だたるexの面々を抑えて堂々のトップタイは素晴らしいです。
耐久力は最強ながら、エネルギーを4個つけないと攻撃できないうえ、逃げるためにもエネルギーが4個必要なので、自ら壁の役割を放棄しづらいという欠点があります。
要は、カビゴンを壁にしてベンチを育てようにも、育った後にカビゴンを引っ込める方法がないのですよね。カビゴンにエネルギーをつけて入れ替える手もありますが、相手にそのぶんの猶予を与えてしまううえ、相手は準備ができたらナツメでカビゴンをのかせるため、攻撃の主導権を相手に渡しがちです。ベンチにもカビゴンがいれば話は変わりますが……
しかし、逆に考えると、カビゴンがバトル場にいたとしても相手にプレッシャーをかけていけるようなデッキであれば採用価値はありそうです。
たとえばゲッコウガはベンチにいても特性で自分の番ごとに20ダメージを飛ばせますから、バトル場にカビゴンが鎮座していたとしても相手の場に干渉することができますね。
ラッキー
HP120、3エネ60ダメージ、にげる3の壁です。
ガルーラとカビゴンの中間みたいな性能をしています。
スターミーexやピカチュウexの90ダメージ+サカキで突破されないHP120の高耐久を誇りますが、にげる3と重いデメリットもあります。
ワザのエネルギーが3個と重いため、カモネギやガルーラのように1エネだけ付けて相手の場を削りながら壁として運用することができず、エネルギーを付けずに置いておくのならHPの高いカビゴンとの比較になります。また、ワザを使わない前提ならHP120、にげる2のミュウツーが超デッキ以外でも比較対象になりえます。
ただ、別になにかの劣化というわけではなく、「いざという時は3エネ60ダメージで攻撃できる、HP120の堅牢な壁で、入れ替えるのもカビゴンほど難しくない」というのはラッキーの強みです。スピーダー2個あれば1エネで入れ替えられますしね。
ニャース
HP60、1エネ10ダメージ1ドロー、にげる1のポケモンです。
カモネギなみの脆いHPに1エネ10というよわよわ火力を併せ持つものの、ワザで山札を引けるという他にない能力を持っており、その点でとても優秀です。
ただ、HPが60しかなく、相手の場への干渉が弱いわりにポイントを献上する速度は速いので、ニャースを使いたいならばちゃんと場が完成したら巻き返せるデッキパワーが必要です。
特に「場が完成すれば最強だが、それまでは弱い」という性質を持つ2進化デッキと相性がよく、ドローを進めることで盤面の完成を急ぐことができます。
たとえばミュウツーexとサーナイトを組み合わせたデッキなら、場が完成すればHP150から毎ターン150ダメージを出せて非常に強いですが、2進化ポケモンを使用するがゆえに場の完成に時間がかかります。そこでニャースが活躍できる余地があるわけですね。
また、ニャースはペルシアンという進化先があるのも優秀な点です。
2エネ40ダメージは1進化としては弱いですが、50%の確率で相手の手札をランダムに1枚トラッシュできるという相手からすれば厄介な性質があります。勝敗に直結しうる効果ですね。
ただの壁役兼ドロー要員であればペルシアン採用の必要性はないですが、不利な相手にペルシアンでワンチャン狙いにいくことができますし、ペルシアン不採用でも相手にペルシアンを警戒させられうるという点で、進化先の存在しないガルーラやカモネギにはない利点があるといえます。
コダック
無色ポケモンではないですが、ワザに必要なエネルギーが無色であり採用が検討されうるので挙げました。
HP60、1エネ10ダメージ、にげる1です。
ダメージは小さいながら、ワザ「ずつう」によって次の相手の番のサポート使用を封じます。
博士の研究というドロー手段を封じられますし、ナツメによる強制入れ替え、サカキによるダメージアップ、カスミによるエネルギー加速など、サポートを封じる恩恵は大きいです。
ドローやエネルギー加速を封じれば相手の場の完成を遅延させられますし、ナツメを封じることでコダックがベンチに下げられることがなくなり、「ナツメでどかされるとベンチを守れない」という壁役最大の弱点が解消されているのがコダックの大きな強みといえます。
ニャースのように自分の場の完成を助けるのではなく、相手の場の完成を遅らせることで対戦を優位に進める変わったポケモンです。なお、相手の手札にサポートが溜まりやすいので、コダックが倒されたタイミングでレッドカードを使うのもありかもしれません。
採用デッキは……「序盤に時間稼ぎをしたいけど、ドローはあまりしなくていい」というデッキでしょうか?
強力なたねのexポケモンだけれど必要なエネルギーが多く、また加速する手段も用意されていない……みたいな感じだとコダックを使いやすいかもしれません。
また、ゲンガーデッキにコダックを入れておくと、相手を「最初の番以外サポートを使えない状態」に追い込むことも可能です。
ポリゴン
HP50、特性で山札の一番上を見る、1エネ20ダメージ、にげる1のポケモンです。
HPが低くワザも無色たねポケモンとしては弱いため、特性を目当てに採用するポケモンです。
自分の山札の一番上を確認することで今後の作戦を立てられるのですが、別に見たカードをトラッシュしたり山札の下に送ったりできるわけではないため、ポリゴン自体でドローの操作はできません。
ただ、モンスターボールによって山札をシャッフルできますから、デッキトップが欲しいカードならモンスターボールの使用を次のターンにし、そうでなければすぐにモンスターボールを使う……というのも手です。しかし、モンスターボールを1ターン遅らせられるほど試合展開に余裕があるかは微妙なところです。
自分の山札の一番上のカードを参照して何かをするカード(紙のセキタンザンVMAXみたいな)がいれば話は別ですが、現状ではよく噛み合うデッキがない印象です。
メタモン
HP70、にげる1で、ワザにより相手の場のポケモンのワザをコピーできます。
ワザに必要なエネルギーは要るため、相手次第ではただの置物になってしまう欠点はあります。たとえば水エネルギーしか入っていないデッキで相手がピカチュウexとサンダーexとシママ・ゼブライカしか採用していなかった場合、使えるワザが1つもないのでメタモンはただの置物です。
ただ、相手の場に無色ポケモンがいればそのワザをコピーでき、たとえば相手の場にカモネギがいるなら、メタモンは実質的にHP70のカモネギになれます。
また、exポケモンや進化ポケモンのワザもコピーできるため、同じタイプの相手との対戦(ミラーマッチ)に強い側面があります。たとえば草デッキでメタモンを採用し、相手がナッシーexであった場合、メタモンはexでないたねポケモンにも関わらず、exの1進化ポケモンであるナッシーのワザをコピーして使い放題です。
また、複数タイプのエネルギーを採用するデッキだと少し使いやすいです。
たとえばカイリューデッキなら水と雷の2タイプを使うため、相手のデッキが水または雷であった場合に、メタモンが相手の主力ポケモンのワザをコピーできる可能性があります。たとえばスターミーexのハイドロスプラッシュをコピーして2エネ90ダメージを出す、とか。
相手の構築に依存する部分があるため不安定ではあるものの、環境を読んで使ったり、苦手なポケモンの対策として採用する、というのも1つの手かなと思います。
ただ、60枚デッキのポケモンカード本家と異なりポケポケは20枚デッキのため、貴重な20分の1の枠を一部デッキへの対策カードとして割くのはややしんどい部分もあります。「ある程度汎用的に使えつつ、特定のデッキに特に刺さる」くらいの性能ならいいのですけどね。メタモンにエネルギー加速する手段がないのも難しいところです。
まとめ
・カモネギは1エネ40ダメージが他に類のない、優秀なサブアタッカー。ただしHP60で脆い。
・ガルーラは1エネ平均30ダメージとHP100が魅力的なサブアタッカー。にげる3が玉にキズ。
・カビゴンは耐久力ピカイチ、HP150の鉄壁。ただしワザもにげるも4エネでほぼ壁だけしかできない。
・ラッキーはHP120の壁。3エネ60ダメージとにげる3で動きにくいがカビゴンほどではない。
・ニャースは1エネ1ドローが優秀なドロー要員。晩成型の2進化デッキで有能。HP60なので脆い。
・コダックは1エネサポート封印が個性的。相手のサポートを封じたい特殊なデッキで使えそう。
・ポリゴンは特性でデッキトップが確認できる。ただしトップ操作はできないのが少し物足りない。
・メタモンは相手の場のポケモンのワザをコピーする。相手次第では何もできないのが辛いところ。
……という感じです。
ポケポケはコレクションがメインのゲームですし、デッキを作って対戦するにしても好きなポケモンを使って遊ぶだけで楽しめるゲームだと思いますが、脇を固める傭兵の無色ポケモンを的確に選抜して組み込むことで、好きなポケモンをより活躍させやすい面もあると考えています。
ちなみに、わたしは2進化ポケモンが好きなので、最近ちょこちょこニャース入りの構築を試したりしています。2進化ポケモンは進化系を2枚ずつ揃えるのが大変で、まだなかなか使えていないポケモンも多いのですが、近々ケロマツをパック開封ポイントで作ってゲッコウガデッキを使ってみる予定です。
それでは、また。
※本記事の画像は、株式会社ポケモンのゲーム、Pokémon Trading Card Game Pocketからの引用です。
コメント