2024/4/10、変幻の仮面の新カードが発表されました。
ジャミングタワーです。
ほぼ同じ効果の「フラダリラボ」というカードがサンムーンにありましたね。
同じ効果のカードでも名前を変えて出してくれるの、ありがたいです。わたしは古めのカードもちょこちょこ集めているので、急に値上がりして集めにくくなると困るんですよね。まぁ、昔のデザインのものが使えてバリエーションがある、というのはいいことなんですけども。
実際のところ、SVシリーズでフラダリラボを出しても「フラダリって何……?」ってなりそうですしね。ふしぎなアメとかのアイテム系は登場以来皆勤のものも多いのでシリーズごとに同名カードを出しやすい一方で、スタジアムはシリーズごとに地名が全く違うので同じ効果でも名前を変える方がその時代のプレイヤーに伝わりやすそうですよね。実際、ほぼ同じ効果の「無人発電所」と「頂への雪道」は、それぞれカントーの地名とガラルの地名ですし……
ただ、ジャミングタワーというのはおそらくポケモンSVの地名ではないオリジナルの名前ですし、パルデアの地名でもよかったのでは?とも思いますね。「ゼロラボ」なんかは奇しくもフラダリラボと同じ研究所ですし、どうぐが使えなくなりそうな雰囲気もあるので、ありな気がします。まぁ、開発側でも俎上に載せられたうえで却下されたのかな、と思いますけれどもね。
閑話休題。
ジャミングタワーの強さについて、わたしの感想を書いてみます。
フラダリラボについては、採用デッキはあったもののさほど多くはなく、あまり強くはなかったように記憶しています。
ただ、カードの強さというのは環境によって変わるものです。パッとしなかったカードが環境の変化で急に強くなるというのはよくあることですよね。
あくまでメタカードなので「最強!」というわけではないかもしれませんが、相対的にフラダリラボより環境への刺さりがいいのは間違いないと思います。
・理由1:他のどうぐ対策が弱い
クリムゾンヘイズ環境の現在、どうぐ対策は弱めです。
というより、どうぐメタカードの性能を控えめにすることでどうぐが活躍しやすくしていると思います。
かつて、「暴風」「フィールドブロアー」といった、スタジアムとポケモンのどうぐを場から合計2枚トラッシュするという汎用どうぐ・スタジアムメタカードが存在しました。「ツールスクラッパー」という、スタジアムを壊せないどうぐ限定版の2枚トラッシュもありましたね。フラダリラボがイマイチだったのも、フィールドブロアーが同時に存在したのが一因だと思います。「どうぐ対策はフィールドブロアーで足りてるよ」ということですね。
ですが、クリムゾンヘイズ環境のどうぐ対策といえば「ロストスイーパー」です。手札を1枚ロストゾーンに送ったうえでスタジアムかポケモンのどうぐを場から1枚だけ消すカードであり、どうぐメタ性能は低めでしょう。送る先がトラッシュでなくロストゾーンというのも微々たる差で、そもそも2024/4現在トラッシュからどうぐやスタジアムを回収することはほとんどないですから、どちらに送られようとほぼ同じです。ハマナのバックアップも採用デッキは少ないですしね。
実際のところ、ロストスイーパーとジャミングタワーは枠を争うことになると思います。ジャミングタワーはどうぐを場から消せるわけではないデメリットがありますが、相手がスタジアムを張り替えられなければ2ターン以上持続しますし、相手のスタジアムを破壊できるという点はロストスイーパーと同じ……というか、相手のスタジアムを壊しながら相手のどうぐを無効化できるわけですからね。まぁ、自分が他のスタジアムを出しているならそれを破壊せざるをえないのはデメリットですけれども。
ちなみに、ツールジャマーというアンチどうぐどうぐも最近までありましたが、Eレギュが落ちたことで使えなくなったため、2024/4/10現在の環境はどうぐメタがほぼロストスイーパー1本という、かなりどうぐ対策の手薄な環境だったといえますね。
ツールジャマーもそうですが、瞬間的などうぐ対策であるフィールドブロアーやロストスイーパーと異なり、置いておくタイプのどうぐ対策については相手の番に貼って即起動されるエヴォリューション、森の封印石、マキシマムベルトといったどうぐへの対策にもなるという点で優れています。もっとも、先置きしておかないといけないので、どうぐ対策自体を対策される(ジャミングタワーを割られる)という可能性はありますけどね。
・理由2:どうぐ自体が強い
フラダリラボの存在したサンムーンと違い、現在はどうぐがより強いです。
どうぐメタカードが弱いから相対的に強く使える、という部分ももちろんあるんですが、森の封印石やエヴォリューション、ヒーローマントほど強いどうぐというのはサンムーンにはあまりありませんでした。エスケープボードとかねがいのバトンは強かったですけどね。
ヘビーバトンはカウンターカイナの軸ですし、ブーストエナジー古代やブーストエナジー未来もけっこう強いです。サンムーンではどうぐを貼りすぎるとフィールドブロアーでまとめて剥がされるのでエスケープボードを2枚持ってても貼るのは1枚だけにしてフィールドブロアーを誘う、みたいな駆け引きがありましたが、ロストスイーパーは1枚しか割れないので、強いどうぐが手札にいっぱいあるなら全部貼っておくという選択肢がわりと現実的ですよね。
相手の場に強いどうぐを持ったポケモンが3匹いる、みたいな状況で有効な対策というのは今まで無かったんですが、ジャミングタワーがその役割を担えるため、大量に貼ったどうぐを活用して戦う、みたいなデッキはジャミングタワーで一気に止まることがありえます。そういうデッキへの対抗策はフィールドブロアーなき現在ほとんどないですから、ジャミングタワーの地位というのは相対的に高くなるでしょう。
・メタカードとしての性質
ジャミングタワーはあくまでメタカードなので、安定して最強というわけではないはずです。
まぁ、頂への雪道くらいメタ対象が多いとさすがに安定して強いんですが、ポケモンのどうぐに対する依存度が極端に高いデッキというのはそこまで多くないです。少なくともルール持ちポケモンの特性への依存度が極端に高いデッキと比べるとかなり少ないといえるでしょう。
現在で言うなら、序盤の盤面づくりをエヴォリューションに任せているデッキや、勇気のおまもり・ゴージャスマント等の重要度が高いデッキには刺さりがいいでしょう。サーナイトexデッキはまさにそうですね。個人的には好きなデッキで、E落ちから復活しつつあったのに向かい風で少し残念です。ロストバレットなんかも緊急ボードでくるくるする動きが強かったのでけっこう痛いでしょうか。
ただ、使用率が上がればそういったデッキが消えてメタが回るので、そうなればジャミングタワーの環境への刺さりが悪くなり、採用価値も下がるでしょう。たとえばピジョリザやパオジアンがジャミングタワーを置かれて困るかと言えばそれほど困らないでしょうしね。
TCGはよく「さかしらなメタカード1枚投入より、自分の勝ち筋をひたすら太くした構築の方が勝てる」と言われますが、ポケカはサーチがとても強いのでそうとも言い切れない部分があり、ジャミングタワー投入が最適解になる環境というのは十分ありえると思います。幸か不幸か「グズマ&ハラ」のような便利で汎用的なスタジアムサーチはきょうび無いんですが、森の封印石やらピジョットexやらでサーチはききますからね。
まとめです。
・ジャミングタワーはフラダリラボと同じ性能だけど、フラダリラボのあった頃と違ってフィールドブロアーという便利などうぐ対策がなくて、ツールジャマーも落ちた今、どうぐ対策は微妙性能のロストスイーパーほぼ一本という手薄さなので、相対的に強く使えそう。
・どうぐを消すカードと違って、エヴォリューションや森の封印石など相手のターンに貼ってそのまますぐ起動するどうぐを妨害できるという点で優れている。
・役割的にはロストスイーパーと近いので、枠を争う可能性がある。自分ではどうぐをあまり使わず、競合するスタジアムの少ないデッキに採用されるかも。
・現在はどうぐ対策が手薄なのに加えてどうぐ自体がわりと強いので、特にどうぐ依存度の高いサーナイトex等のデッキに対して強く出られそう。
・所詮はメタカードの一種であり、頂への雪道ほどの爆発的な汎用性ではないため、メタの回り具合次第で強くなったり弱くなったりしそう。
……といった具合です。
個人的には好きなタイプのカードですが、この手の選択肢を制限するタイプのカードは流行りすぎるとつまらないので、適度に使われてほしいなと思っています。
それでは、また。
※本記事の画像はポケモンカードトレーナーズウェブサイトからの引用です。
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