ミュウツーexとラウドボーンexのスターターで遊んでみた

　第6回ポケカ四天王決定戦を見てたら、試合が熱くて楽しそうだったので、衝動に駆られてポケカのスターターセット テラスタルを買ってきてしまいました。

　その感想と、これから買う予定の人に対して知っておいてほしいことを書いてみたいと思います。

　なお、ポケカは以前にちょっと遊んだことがあって経験者ですので、ポケカ自体完全初見というわけではありません。ご了承ください。

　俗に500円スターターと呼ばれる、より簡素なスターター（exスタートデッキ）もありました。

　こちらは1つ1800円する分、exスタートデッキよりもだいぶ豪華仕様になっています。

　箱が豪華だったり（右の小さいのはexスタートデッキです）、

　カードがキラキラ光ってたり（exスタートデッキには光っているカードはありません）、

　コインや紙製プレイマットといったサプライがついてたりします。

　ルールブックも付いているので、ルールを知らない初心者の方でも読みながら遊びやすいですね。

　まぁ、exスタートデッキの3倍以上の値段ほどの豪華さか？というと微妙なところですが、デッキの中身もより豪華なので、その差かもしれません。

　exスタートデッキは、さすがに500円だけあってカードも全体的に弱めになっています。デッキのエースであるexポケモンなど複数欲しいキーカードが1枚しか入ってなかったり、「たんパンこぞう」のような構築採用レベルに満たないカードが多めに入っていたり、基本エネルギーがやけに多く20枚近く入っていたり、です。

　なので、exスタートデッキで対戦した時のプレイ感覚は、慣れたプレイヤー同士のそれとはだいぶ異なります。簡単に言えば、exスタートデッキは展開が遅く、単調になりやすいです。

　でも、基本的にはそれでいいはずです。exスタートデッキというのは、ポケカを遊んだことのない人がルールを理解するためのものでしょうから、複雑な処理や難しい展開にはなるべくならず、ポケカというゲームの基本的な流れがつかめることが大事なのだと思います。

　あとはもちろん、ポケカを売る側からしても500円で満足して辞められても困るので、基本的には「楽しいけど、物足りない」と感じさせる必要があります。なんだかズルい感じもするかもですが、商売ですからね。

　一方で、ラウドボーンexとミュウツーexのスターターセット テラスタルは、exスタートデッキよりも「ガチ」仕様です。

　もちろん、これで公式大会や店舗大会に殴り込みをかけて勝てるかというと勝てないと思います。でも、やれることは公式大会や店舗大会で使われているデッキとそこまで大きな乖離はありません。

　基本ルールの習熟に留まらず、盤面を整えてボスの指令でベンチを狙う、劣勢になったらナンジャモで相手の手札を減らして行動を制限しながら反撃していく……といったポケカ対戦のよくある流れが体感できるようになっています。

　あと、どちらのデッキにも特性を持つポケモンが入っていて、勝つためには特性をしっかり利用する必要があったり、「すごいつりざお」でトラッシュのカードを回収して再利用することでより有利に戦えたりと、exスタートデッキよりも少し複雑で、慣れた人同士のポケカ対戦にちょっと近いやり取りになります。

　exスタートデッキが「ポケカの基本ルールを理解するためのチュートリアル」なら、スターターセットテラスタルは「ポケカ対戦の基本的な流れを体感するための序盤ステージ」みたいな感じです。

　なので、ポケカ自体全然知らない、見たことない、やったことない、という方はまずはexスタートデッキからでもいいと思います。そこである程度どういうゲームか理解したなら、スターターセットテラスタルで更にポケカの実戦に近い対戦を体験する……というのがスムーズな流れといえるでしょう。

　ただ、小学生のお子さんとかであればその方がいいかなと思いますが、中高生以上であればいきなりスターターセットテラスタルを買ってみてもいいと思います。ポケカって小学生でも遊べるよう、基本ルールは簡単になってるので、中高生以上なら多少の応用が入ったスターターセットテラスタルでも初見である程度使っていけると思います。

　どっちもいいデッキです。

　明らかにどちらが強い、というのはないと思いますが、ミュウツーexはデッキの作りとして、速攻しやすく安定感があって取り回しがいいので、使いやすいのはミュウツーexの方だと思います。

　一方で、ラウドボーンexは盤面が完成すればミュウツーexより強いものの、盤面完成の難易度が高くちょっぴり不安定です。やや出遅れがちなのですが、特性で味方をパワーアップさせることで巻き返しが図れます。

　簡単に言うなら、やや速攻寄りのミュウツーex、どっしり構えて戦うラウドボーンexという感じですね。もし大人と子供とか、中学生と小学生とか、年齢差のある組み合わせであれば、年上がラウドボーンexデッキを使った方がフェアかもしれません。弱いからではなく、使いこなすのが難しいからです。

　それよりも、1人で片方買ってもあまり面白くないので、対戦相手を見つけて両方買うのがいいです。で、2人で交代で使ってみて、好きな方を自分のものにする、とかが理想ですね。

　余談ですが、わたしはネイティオというポケモンが大好きだったので、ネイティオの入っているミュウツーexデッキにしました。そういう観点で選んでもいいと思います。好きなポケモンのいるデッキを使った方が楽しいですしね。

　ネイティオをしっかりと並べることだと思います。

　ネイティオはネイティから進化するポケモンで、特性「アカシックセンス」により、手札からベンチのポケモンに超エネルギーを1枚付けながらカードを2枚引けます。

　ポケモンカードではエネルギーは1ターンに1枚しか付けられないのですが、特性やワザを利用することでエネルギーを余分に付けることができ、これを俗にエネルギー加速と言います。2023年11月現在、ポケカの環境デッキのほとんどは何かしらのエネルギー加速手段を持っています。

　ネイティオはそのエネルギー加速を担当しつつ、更にドローまでしてくれて、エネルギー加速によりミュウツーexの火力も間接的に上げてくれるという、ミュウツーexデッキのキーパーソンもといキーポケモンです。

　ネイティオデッキと改名してもいいくらいネイティオが重要なので、序盤はミュウツーexを出すことよりも、ネイティをいっぱい出してネイティオをたくさん並べられるように頑張る方がいいかもしれません。ネイティオが2匹以上並べば、ミュウツーexデッキはそうそう止まりませんからね。

　なお、ミュウツーexはたしかに青天井のパワーを持っていて強いんですが、ナッシーやデオキシスといった脇を固めるポケモンたちもエネルギー3個でそこそこのダメージが出せて強いので、ミュウツーexだけで戦わないのが大事です。

　特にHP330もあるラウドボーンexをミュウツーexが1発で倒すことは困難なので、事前にナッシーやデオキシスのワザでHPを減らしてからミュウツーexでトドメ、がいいかもしれません。ラウドボーンexをどう突破するか？を考えておかないと、ラウドボーンexには苦戦を強いられるでしょう。

　ラウドボーンexを育てつつ、色んなポケモンで戦うことだと思います。

　ミュウツーexデッキは要点がネイティオに集中しているので、ネイティオさえ立てれば火力アップ、ドロー、エネルギー加速の全てができてデッキがうまく回ります。

　一方、ラウドボーンexデッキの方は特性で味方を強くするラウドボーンex、エネルギー加速はスタジアムの「マグマの滝壺」、ドローは「博士の研究」などのサポートで……と、役割が分散しているため回すのにちょっとコツが要ります。その分、デッキがしっかり回った時の爆発力は高いです。

　序盤強いのはミュウで、特性でグッズを持ってきて盤面の完成を早められます。ボルケニオンのワザでエネルギーを加速するのも強いですね。ホゲータはベンチでぬくぬくと、ラウドボーンexになれるよう守りながら育てたいところです。

　そして、ラウドボーンexが育ったら、上手に使いましょう。すぐにバトル場に出したくなりますが、ラウドボーンexは単体だとミュウツーexをぎりぎり倒せない火力設定になっているため、他の炎ポケモンでダメージを与えてからラウドボーンexでトドメ、とかの方がいいかもしれません。ラウドボーンexの特性によるパワーアップは他の炎ポケモンにも有効なので、たとえばブーバーンなら特性込みでミュウツーexを一発で倒せたりします。状況に応じた立ち回りを考えていきましょう。

　盤面の完成に時間がかかるため、ミュウツーexデッキに対しては先にサイドを1～2枚取られる可能性もありますが、後追いで攻撃し始めてまくれるくらいのパワーは持っています。逆に言えば、ミュウツーexデッキとほぼ同時に盤面が完成したなら、ラウドボーンex側に分があると言っても差し支えないと思います。

　まとめます。

　……という感じでしょうか。

　コロナ禍も落ち着いて、ポケカの盛り上がりもそろそろ下火になるかな？と思いきや、まだまだ大人気のようなので、これから新しく始めたい、という方もおられるかと思います。

　そんな方は、ぜひこの「スターターセット テラスタル」を触ってみてほしいです。わたしは超楽しかったです。このラウドボーンexとミュウツーexの対戦に慣れたら、一部のカードを入れ替えてデッキの改造→対戦の流れを体験してみるのもいいかもしれませんね。

　それでは、また。