カービィのエアライダーがおすすめな理由【おためしライド】


 カービィのエアライダーのオンライン体験会「おためしライド」、遊んできました。
 私生活多忙につき長時間は遊べませんでしたが、在りし日の「エアライド」の残影を見た思いがして、胸が熱くなりました。
 本記事は、そんなカービィのエアライダーについて、ゲームキューブ版「カービィのエアライド」をプレイ済みのわたしが独断と偏見によりおすすめするものです。
 よろしくお願いします。


カービィのエアライドは名作

 スーパーマリオサンシャインやゼノブレイド2には、大いなる期待が集まっていました。
 それはなぜか? 前作が名作だったからです。
 カービィのエアライダーはゲームキューブの「カービィのエアライド」の続編であり、前作とゲーム性も類似していますから、エアライドが名作であることはエアライダーもまた名作であるという1つの目安になります。


 そして、カービィのエアライドは名作でした。
 アクセルボタンを排してブレーキボタンだけにしたとか、スティックと1ボタンだけで操作できるようにしたとか、そのあたりのすごさは正直分かりません。わたしは元々ゲームが好きでしたし、マリオカードシリーズもよく遊んでいましたので、複数のボタンを使って操作するということにあまり抵抗はありませんでした。
 ただ、その独特のゲーム性やプレイフィールについては、間違いなく唯一無二の素晴らしいゲームだったと思います。まぁ、思い出補正も入っているとは思いますけれどね。


 カービィのエアライドの素晴らしさの一端は、その個性豊かなマシンでした。
 わたしはマリオカートシリーズも大好きですし、マリオカートワールドもたいへんな名作だと思っていますが、マシンの個性についてはエアライドが上をいくと思っています。個性がダイナミックすぎます。「このマシン、なんか別のルールで走ってない?」みたいなものがちょこちょこあります。
 マリオカートシリーズにも滑空がありますが、エアライドの飛行は滑空よりも自由度が高く、またマシンによって性能が大きく変わります。ウィングスターやジェットスターのような、そもそも飛行に極端に比重をおいたマシンもあることがそれを象徴しています。


 カービィのエアライドはそれゆえに、局地的に見るとゲームバランスはあまりよくありません。
 明らかに通常のレース向けではないマシンもあり、ルールによっては乗る意味を見出せないこともあります。
 しかし、一方でシティトライアルのデスマッチなど敵を倒す競技だと強かったり、そもそも速さを競わないという軸もありそちらに最適化されているケースもあります。基本的にはレースゲームですが、レースに勝つだけが能ではない、ということですね。




シティトライアルという革命的な遊び

 カービィのエアライドというゲームが語られる時、その筆頭に必ず出てくるのがシティトライアルです。
 そのくらい、シティトライアルの面白さは革命的でした。
 エアライド未プレイでも、エアライダーの「おためしライド」を遊ばれた方はその一端を体感したのではないでしょうか。あれがエアライドの面白さの真髄だと思います。


 シティトライアルは、基本5分の間にフィールドの中でマシンを乗り換えたりパワーアップアイテムを集めたりして、自分のマシンをどんどん強くしていくというものです。
 そして、5分後にそれぞれのマシンで競技を行い、順位を競います。競技の種目はその時々により変化し、ゆえにどんなマシンを育てればいいかについても試合ごとに異なります。


 また、シティトライアルの最中には様々なイベントが起こり、マシンの強化に繋げられるため、多人数制のローグライトのような不思議で愉快で中毒性のある遊びになっています。わたしはあまり詳しくないんですが、拾った武器で柔軟に戦うFPSのバトルロイヤルに近い部分があるといえるかもしれません。
 更に、シティトライアルの最中にはプレイヤー同士で攻撃し合うこともできるため、マシン強化そっちのけで他のプレイヤーを倒すことに血道を上げることもできました。マルチプレイがとても楽しいゲームでしたね。
 ゲームキューブなのでオンラインでは遊べませんでしたが、友達と集まって遊ぶのに最も適したゲームの1つだったと思います。


 なお、スマブラfor3DSのフィールドスマッシュは、このシティトライアルの基本システムを踏襲しています。
 それだけ人気のシステムだった、ということでしょうね。
 ただ、大元のゲームがレースなのとアクションなのとで大枠は同じでもやることはだいぶ異なりましたから、個人的にはそれぞれが地続きであったというよりも、「あのシティトライアルが2025年ついに蘇った」という感覚です。
 もっとも、顔を突き合わせてやるマルチプレイとオンラインのランダムマッチによるマルチプレイとではだいぶ話が変わりそうで、そこはうまく調整されているのではないかと期待しています。




エアライダーは名作エアライドをグレードアップした正統派続編


 まだ「おためしライド」を少し触っただけで、口が裂けても遊びつくしたとは言えません。
 しかし、しばらく遊んでみた第一印象として、カービィのエアライダーは在りし日の傑作エアライドの魅力を損なうことなくグレードアップされた正統派の続編という印象を受けました。
 BGMやらマシンやらもだいぶエアライドを踏襲しており、エアライドファンの方々は懐かしく思うのではないでしょうか。わたしは懐かしく思いました。


 シティトライアルのはちゃめちゃな感じはそのままに、隕石落下やボス襲来のようなエアライドでお馴染みのイベント群に加えて、突如レースが始まるなどエアライダーならではの新規イベントもあり、なかなか刺激的でした。
 レースについても、プッシュによるメリハリがよりはっきりしたような印象を受けましたが、基本の部分はエアライドと似た感覚で遊べました。新要素として、前を走るプレイヤーの軌跡を辿ると速くなる「スタースリップ」は思った以上に速くなってびっくりでした。


 当たり前ですがグラフィックは桁違いに美しくなっており、特にフォーリスはお気に入りでした。
 名前の通り、秋(Fall)めいていて、滝(Fall)を下る爽快感もあり、素敵なコースでした。特にゴール前、夕暮れ時の薄暗い景色が絶景でした。マジックアワーというやつでしょうか。好きすぎて何度も走りました。
 基本的な走りの楽しさはそのままに、ライダーを選べたりスペシャルで派手に盛り上がれたりと、新しい楽しさが上乗せされている感じで、とっても楽しかったです。これは買いだな、と思いました。まぁ、わたしはエアライダーの情報を見てNintendo Switch2の購入を決めたので、もとより買うつもりではありましたが。




懸念点

 ただ、少し心配というか、Not for me(自分向けじゃない)では?と思った点もありました。
 おそらくほぼほぼ杞憂でしょうけれど、発売後に「バカだな、こんなこと心配してたんだ」と振り返る意図もあり、わたしの浅薄な第一印象として書き残しておこうと思います。


 1つはスピード感です。
 2位以下でわちゃわちゃしている時はスタースリップ等もありスピード感があるんですが、1位を走っている時ってゆっくりなんですよね。スペシャル等で一気に1位に躍り出た後、あまり大きく加速する要素がなく、2位以下に追いつかれるのをただ待っている時間のような、そんな感じが少しありました。マシンのせいかもしれませんが。
 ただ実際のところ「やるべきことがあまり分かっていない最初のうちは手持ち無沙汰に感じやすい」みたいな部分があり、そのせいではないかと思っています。マリオカートワールドも発売前にスピード感がないと言われていましたが、発売後は壁を走ったりワイヤーを走ったりするのに忙しくてそんなことなかったですしね。

 あと、エアライダーはそもそもゲームスピードを調整できるらしく、体験版がゆっくりになっていた可能性もあるのかな?と思っていますが……体験版がどっちだったのかはわたしには分かりません。
 ただ普通に考えて、わざわざゲームスピードを調整できるようにしているのですから、速い方のゲームスピードでスピード感が足りないということは考えにくいと思います。


 1つは変化です。
 エアライダー、エアライドの要素が多数踏襲されていて懐かしさを感じる一方で、逆に変化が少ないようにも感じました。
 マシンも同名のものが多いですし、BGMも聞き覚えのあるものが多く、もっと根本的に大きく変わっていた方が新鮮だったかも……とか。まぁ、体験会で上っ面を撫でただけですから、実際遊べば遊ぶほどその違いを体感するでしょうし、そもそも前作がかなり前なので飽きがどうとかいう話にはならないでしょうけども。

 同年発売のマリオカートワールドがオープンワールド化で大きく変化したこともあり、そのくらいの劇的な変化を内心期待してしまったのかもしれません。シリーズ9作目のマリオカートと2作目かつ22年ぶりのエアライドはあらゆる意味で異なるので、勝手に期待されても……という感じですけどね。
 ただ、わたし個人の感想として、焼き直しのBGMはもっと少ない方が嬉しかったです。エアライドのBGMはわたしも大好きでしたが、聴き飽きるくらい遊んだので、もう聴けなくても大丈夫です。


 1つはキャラクターです。
 スターマンとかコックカワサキとか、わたしの好きなキャラクターがいっぱいいてたいへん嬉しいのですが、個人的にはアドレーヌやリボンあたりのファンシーでガーリーなところから1人欲しかったです。
 まぁ、あの辺はスターアライズで久々にキャラクターとして登場していましたし、別にシリーズおなじみのレギュラーキャラでもなんでもないので、役者が足りていないと言われればそんな気もするんですが……1人いてくれたらぜひ使いたかったかな、というところではありました。個人的な願望です。

 ひそかにアップデートに期待していましたが、発売前からエアライダーダイレクトでアップデートの予定はないと宣言があったこともあり、ひそかに落ち込んでいました。
 一応スージーがガーリー?ではありますが、まぁロボットですし……
 ちなみにおためしライドではスターマンを使っていました。2Pカラーのスターマン、胸の宝石がダイヤみたいでいいですね。製品版ではとりあえずスージーも触ってみたいと思います。




さいごに

 ……という感じです。
 簡単にまとめると「前作のファンが体験会を遊んで、よさそうで安心したので新作も買います」というお話でした。

 なお、私生活多忙につき、発売日に買って遊ぶかというと微妙なところです。
 まぁ買うことは決めているので、とりあえず買うだけ買って少し遊んで積んでおき、来年以降に本格的に遊び始める……とする可能性が高いかなと思いますが、いずれにせよとっても楽しみです。
 かの傑作が現代に蘇ったこと、感謝に堪えません。ありがとう任天堂、ありがとう桜井さん。

 それでは、また。