ペルソナ5 ザ・ロイヤルの感想

先日、ペルソナ5 ザ・ロイヤルをエンディングまで遊びました。
実はSwitch版の発売時から遊んでいたんですが、途中で積んでいたんですよね。
ただ、最近配信が解禁されたためか、配信でプレイする人が増えてきたため、「配信見たいけど、ストーリー後半を初見で見るのもよくないかな」と思い、再開した次第です。
そんなペルソナ5 ザ・ロイヤルについて、感想を書いていきたいと思います。


・総評

今更語るべくもないかもしれませんが、名作です。
わたしは前作のペルソナ4 ザ・ゴールデンもプレイ済みで、シリーズはこの2作しか遊んだことがないですが、どちらも名作だと感じました。だいぶ味付けは異なるので、それぞれに違った魅力がありましたが、なんにしても名作です。

◎スタイリッシュなUI、デザイン
このゲームの大きな魅力です。
総攻撃で敵を全滅した後の一枚絵、それぞれのパレスのデザイン、果てはメニュー画面まで、ただひたすらにスタイリッシュです。おしゃれで洒脱で瀟洒です。
メニュー画面までも独特のデザインなのは、正直なところ少しばかり可読性を損なってはいる、というのはかのゲームデザイナーの桜井さんも仰っているところではあるんですが、それはそれとしてカッコイイです。デザインの尖り具合と可読性というのはある程度トレードオフの関係になりますので、可読性を損ないすぎない範囲でときんときんに(?)尖らせた感じがしますね。絶妙です。
なんにしてもとにかくスタイリッシュで、音楽も洋楽風味のしゃれた感じになっていて、雰囲気がとてもいいです。
雰囲気というのはとても大事ですからね。いわゆる世界観が好みかどうか、というのはゲームの好悪を語るにおいてよく問題になりますが、デザインやBGMは世界観を構成するとても大事な要素ですからね。
特に総攻撃で敵を全滅した時の一枚絵がわたしは大好きで、えーと、「爆弾のやつ」と「Adieu.のやつ」が好きでした。精一杯のネタバレ防止です。


◎刺激的で飽きにくい戦闘

ペルソナ4もそうでしたが、戦闘が楽しいです。
弱点を突くことで追加ターンを得られる仕様に、バトンタッチによる連携と火力上昇なども相まって、とても爽快感があります。
弱点を突かれたりクリティカルを出されたりすることで、敵も追加ターンを得て連続行動してくるため、お互いに行動の上振れが大きく、戦闘が過度に作業化せず、緊張感があります。コマンドRPGの雑魚戦って緊張感が損なわれやすいですから、このあたり上手に作っているなと思います。
ちなみに難易度はノーマルで遊んでいました。実は最初のパレスまではハードで遊んだりもしていたんですが、初見でやるにはちょっと難しすぎるかなと思い、ノーマルに下げています。
初めて遊ぶ方は、ノーマルで十分だと思います。ノーマルがほどよく緊張感があるので、普通の人はノーマルから始めてしんどかったらイージーに下げる、自信のある人はハードから始めてしんどかったらノーマルに下げる、がいいと思います。まぁ、上げていくのもいいですが、難易度って後から上げにくくないですか? いや、そうでないなら最初からイージーでもいいと思います。ただ、自身の適性未満の難易度だと、戦闘が単調で退屈になりやすい点には要注意です。
ペルソナ4になかった要素にバトンタッチがありますが、これもとても爽快です。序盤は弱点を連続で突きながら火力が徐々に上がっていくんですが、ダーツが解禁されてバトンタッチの補正が上がると、1回のバトンタッチでもコンセントレイトしたのかなってくらい火力が上がるようになるので、バトンタッチそれ自体の価値が大きく上がります。
また、TECHNICALによるダウンが狙える、というのも4の戦闘をパワーアップさせた感じでよかったです。状態異常を付与したうえで、それに応じた属性の攻撃をすることでTECHNICALとなりダメージアップ、更に確率でダウンが取れる、というもので、状態異常の価値を大きく上げているほか、弱点のない敵に対してもTECHNICALからの総攻撃が狙える、という点でより面白いです。
総評として、とてもいいです。4の時点でかなり面白かったですが、終盤は若干マンネリになり「回転説法」などの一撃技を連発して雑魚を一掃しながら進めていたものです。しかし、5は最後までその系統の技を使わずに楽しめました。TECHNICAL、バトンタッチといった要素が戦闘の幅を広げてくれるので、楽しかった4よりも更に楽しい、素晴らしい戦闘システムです。
4は4で面白かったですけどね。戦闘後のタロットカードを選ぶのとか、地味ながら面白かったので、5の戦闘後に何もないことに対して、最初はちょっと違和感があったりしたものです。魔術師のタロットでスキルのレベルアップするの、好きでしたね。

◎ペルソナの強化や合体の楽しみ
タイトルにもなっているペルソナの強化、合体が楽しいです。
ペルソナというのはキャラクターの半身のようなもので、使える技や属性の耐性、攻撃力や防御力などもこれにより決まっています。経験値を得ることで成長していき、仲間たちは皆決まった1つのペルソナを育てていくんですが、主人公のみペルソナを複数持つことができ、戦闘中に切り替えたり、合体させて全く別のペルソナを作り出したり、戦闘を通じて新たなペルソナを手に入れたりすることができます。
ペルソナのデザインは神話や古典、都市伝説などが元ネタになっており、「そういえばペルソナシリーズって、女神転生の外伝だったな」と思い出すところです。
仲間たちのペルソナは基本固定なので、主人公のペルソナをいかに強くするか?がポイントになります。逆に言えば、戦闘中のパーティ4人中3人は仲間なので、主人公が強すぎたところでバランスが壊れにくくなっている感じがします。これが全員カスタマイズできると、しっちゃかめっちゃかになりそうですからね。


◎魅力的なストーリー

キャッチコピーは「腐った大人を改心させろ!」だったでしょうか。
異能を持つ少年少女たちが「怪盗団」となって悪人を改心させ、法の裁けぬ悪を討つ。
……という、ピカレスク(悪漢小説)っぽいお話になっています。
言うなれば超能力者の自警団が活躍する物語なのですが……えーと、なんだか何を書いてもネタバレになってしまう感じがして、ストーリーの感想というのは書きにくいですね。
まぁ、「超能力者の自警団が、法の裁けない悪人を改心させる物語」と言われて、まず思い浮かべるようなことがいくつかあると思いますが、その辺は大体ちゃんと作中で語られている感じがしました。
あとはまぁ、燃える展開があり、スリルがあり、逆転があり……という感じで、楽しめました。
ちょっとだけ、多くの人は気にならないであろう小さなネタバレを踏まえて話すなら……
5のペルソナ覚醒、4とは味付けが異なり、どちらもおいしいです。4のペルソナは「自分自身の認めたくない願望と向き合う」ことで覚醒しました。これは抒情的ではありましたが、ペルソナ覚醒が比較的しっとりとした雰囲気でした。一方で、5は身に降りかかった理不尽に対して強い反逆の意思を持つ、つまりはブチギレることでペルソナが覚醒するので、ペルソナの目覚めるシーンが全体的にドラマチックでとても熱いです。わたしは4も5も好きですが、盛り上がるのは5ですね。
ゲームにおける怒りの熱さというと、「カードヒーロー」というGBのカードゲームを思い出します。幼馴染の女の子が非道な悪役に負けて、手持ちのカードのコレクションを全部燃やされて泣いているのを見て、主人公は目の前が一瞬真っ白になり、「ぼくは うまれてはじめて ほんきで おこった!」の一文、そして流れ出すメインテーマ……と激熱でした。あれに通ずるところがある、かもしれません。
ペルソナ5のストーリーに話を戻しますと、義賊的とはいえ「怪盗団」だけあって、その理念にどこまで共感できるか?みたいなところで個人差もあると思いますが、怪盗団自体が一枚岩ではないというか、色々な意見を持ったキャラクターが属しているので、「自分はこう思ってるんだけどなぁ、置いてけぼりにされてるなぁ」みたいな気持ちも抱きにくくなっていると思います。
あまり書いてもネタバレっぽさが増してくるので、このくらいで……

△長大なダンジョン
このゲーム、とにかくダンジョンが長いです。
ストーリーを進めるためには定期的に「パレス」と呼ばれるダンジョンを攻略しますし、「メメントス」と呼ばれるダンジョンにも潜ることになりますが、とにかくこの「パレス」が長いです。ボスも含め、1つ攻略するのに3~4時間くらいは全然かかります。
パレス自体は作りこまれてますし、雰囲気もいいので、長くても気にならないよという方も普通におられると思います。ペルソナ4は全部がローグライクな自動生成ダンジョンでしたが、5は自動生成なのはメメントスだけで、パレスは全部ていねいに作りこまれていますし。ただ、わたしは短めの方が好きです。
ゼルダの伝説シリーズも、トワイライトプリンセスのダンジョンが長くて積んでしまったんですよね。ブレスオブザワイルドはダンジョンが短くなってて好きでした。
そんなわけで、「ダンジョンが長いと中だるみしやすい、飽きやすい、積みやすい」という方にはイマイチかもしれません。難易度を下げると戦闘は易しくできますが、ダンジョンが短くなるわけではないですからね。ただ、ボリュームのあるダンジョンにやりがいを感じる方にはむしろ魅力にもなりうるところなので、好み次第だと思います。ただ引き延ばしただけではない、作りこみがありますし。

△長いストーリー
これも欠点というより、好みが分かれるところです。
ペルソナ4もそうでしたが、とにかく長いですこのゲーム。
パレスにかかる時間が長いのもそうですが、コープのための日常パートも長いので、とにかく時間がかかります。わたしはエンディングを見るまで70時間以上かかりました。ペルソナ4もそのくらいかかったと思います。
ゼノブレイドシリーズも長いRPGですが、あれより少し長いくらいの感覚です。あれはわたし、たしか60時間くらいでエンディングだったので……
この長さを「いっぱい遊べていい」と思う方にとってはいいゲームですし、「長すぎてしんどい」と思う方にとってはイマイチかもしれません。ゲームってボリューム不足も問題ですが、多すぎるのもそれはそれで中だるみしやすいですからね。どのくらいがちょうどいいか、というのは個人差があるので、一概には言えませんが、わたしは長すぎるとしんどくなってしまうので、もう少し短い方が嬉しかったです。

……という感じです。
まぁ、いいところはいっぱいあって、悪いところは長いくらいでしょうか。悪いというか、好みの分かれるところですけどね。
奇抜なデザインが目を引きますが、全体的に丁寧なつくりになっており、多くの人におすすめできる名作だと思います。
あえておすすめできない人を挙げるとするなら……そうですね……「時間は全然ないけど、遊びつくさないと気が済まないタイプ」でしょうか。丁寧に作りこまれているがゆえに、わたしみたいにコンプリートにこだわらずサクサク遊んでも70時間かかりますので、コープやら何やらをやり尽くさないと気が済まないタイプだと、100時間以上かかってもおかしくありません。
そうでなければおすすめです。ターン制コマンドRPGは飽きたよ、という方でも、弱点による1MORE、バトンタッチ、TECHNICALで新たな境地が見えると思います。
……では、安心してペルソナ5配信を見てきます。

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※本記事の画像はアトラスのゲーム、ペルソナ5 ザ・ロイヤルからの引用です。

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