今更ながら、大阪・関西万博に行って参りました。
本ウェブサイト「まどのむこう」はゲーム好きによるゲーム好きのためのブログですが、「万博ってゲーム好きにこそおすすめできるかも」と思ったため、記事を書いてみました。よろしくお願いします。
なぜゲーム好きに大阪・関西万博がおすすめなのか
ゲーム好きにも色々な方がおられるかとは思うのですが……
わたしはゲームの大きな魅力の1つは疑似体験だと思っています。
等身大の自分のままでヒーローになれる、自宅にいながらにして異世界を冒険できる……そんな「ありえないことを疑似体験できる」のがゲームの面目躍如であり、それを求めてゲームをやっておられる方も少なからずいるのではないでしょうか。
たとえばこんな世界で。
そして、ゼルダの伝説やゼノブレイドといったRPGで砂漠や雪山やその他色々の個性豊かな地域を訪ねて冒険するのが好きな方々は、言ってみれば旅行の疑似体験を楽しんでいるのだと思います。
……と書くと「ゲームは旅行に劣る代用品だというのか?」みたいな受け取り方をされてしまうかもしれないので、念のため言っておきますが、わたしはゲームの疑似体験は現実の体験に必ずしも劣らないと考えています。というか、明らかに劣るならゲームやめて旅行いってますからね。
旅行しても、生身で空を自由自在に飛び回ることはできませんし、魔法を使って原生生物と戦うこともできませんし、一介の旅行者以上の存在になることも困難でしょう。ゲームをする人はゲームでしかできない体験を求めてゲームを遊びますし、それは何物にも代えられないもののはずです。
ただ少なくとも、ゲームにおいて旅行に通じる体験ができることと、それに魅力を感じている方々がおられるであろうことは事実だと思いますし、そんな「旅に通じる疑似体験」というのが万博にもあるので、ゲームで異世界の冒険を楽しんでいる方は万博も楽しめるはず……というのがわたしの言いたいことでした。
万博では、普段そうそう行けない国のパビリオンがあり、そこの暮らしを覗いたり、そこの伝統的な料理を食べたり、そこの工芸品や織物やアクセサリーを購入したりすることができます。こういったものは、まさに「異世界の疑似体験」に通じるものがあります。
まぁ、Nintendo Switch 2やSteamのゲームを起動するほど気軽ではないですが、各国に直接行くよりは大阪は夢洲に行く方がだいぶと手軽ではないでしょうか。
万博かんたんレポート
わたしの撮影した写真を交えつつ、簡単にレポートしてみたいと思います。
ちなみにわたしは何度か万博に行ってますので、複数日ぶんの写真が混在している場合があります。ご容赦ください。写真はタップで拡大できます。
9時予約で8時50分に夢洲駅到着です。
人によっては始発で到着して並び始めるなんてこともあるようですが、わたしはそこまでの情熱はないので、普通に間に合うように着きました。人が多いですね。
9時30分くらいに西ゲートに到着です。(バスの順番待ちで時間がかかりました)
東ゲートは夢洲駅のすぐ前ですが、西ゲートは更に2kmほど歩くか、バスに乗って移動する必要があります。わたしはバスで移動しました。バスの料金は400円です。
なので、早く入場したいという方は東ゲートの方がいいと思います。わたしが西ゲートにしたのは、当日の9時の予約枠が西ゲートしか空いてなかったからです。
なお、9月も半ばになりましたがまだまだ暑いですし、日差しも強いので、日傘を持っていった方がいいです。わたしも持っていきました。わたしが日焼けすると赤くなって痛むタイプなのもありますが、単純に暑さが和らぎますからね。夢洲駅を出てから入場するまではほぼほぼ差しっぱなしでいいと思います。
9時55分頃に入場しました。
日によっては1時間近く待つこともあったので、30℃以上の炎天下で1時間立ち続けても耐えられるような準備は必要です。折り畳み式の椅子を持参し、立たなくてもいいようにしている方も結構おられますね。パビリオンの待機列でも使えますから、椅子の持参もありだと思います。
ちなみに入場に時間がかかる理由は空港のような持ち物検査があるからです。持ち物検査の都合上、どうしても時間あたり入場者数に上限があり、サクサク入場はできないのですね。
入場後、JRのお店で大人気のICOCAセットを買いました。
合皮パスケース以外は売り切れており、その合皮パスケースの残数も見ての通りの状況でしたが、わたしが一番欲しいのは合皮パスケースだったので、渡りに船という感じでした。
おひとり様2個までとのことで、2個買いました。ICOCAも2枚ゲットです。以前万博好きのお友達にお願いして1枚は持っていたんですが、これで3枚になりました。大事に使っていこうと思います。
この大人気ICOCAセットはすぐ売り切れるので、9時予約でないと厳しいと思います。9時予約なら買える、というわけでもありません。入場時には売り切れていたという状況は普通にあります。
また、西ゲートそばのお店でしか売ってないので、東ゲート入場より西ゲート入場の方が買いやすいです。9時入場で西ゲートを予約している方は、入場して最初に覗いてみてもいいかもしれませんね。
そして、パビリオンを巡りました。
人気のパビリオンも9時予約での入場直後はあまり待たずに入れるので、9時で予約を取っておられる方は最初に人気のパビリオンへ突撃するのがいいと思います。
10時予約、11時予約、12時予約と順次入場してきますが、夕方以降まで退場する人は少ないので、時間が経てば経つほど会場内はどんどん混雑してきます。早めの時間が勝負ですね。
万博を満喫して、18時に退場です。
いちおう閉場時間は22時であり、ぎりぎりまでいたこともありますが、朝からいると足が棒になってきますし、20時を過ぎると終了するパビリオンも増えてくるので、9時予約で来る方は割と17~19時で退場することが多いのではないでしょうか。
ちなみに遅い時間に退場すると、非常に混雑します。夢洲駅まで長蛇の列ができており、「夢洲駅パビリオンか!?」というくらい並びます。パビリオンの待機列よりは早く進みますが、退場してから電車に乗るまで30分かかることもあります。列がなければ退場10分後には電車に乗っていてもおかしくないんですけどね。
それが嫌だという方は、少し早めの退場をおすすめします。電車で帰るなら駅に近い東ゲートがいいです。
ちなみに、ミャクミャクグッズ等の土産物屋も東西問わずゲートのすぐそばにありますが、退場が集中する17時以降は混みます。これもまた「土産物パビリオンか!?」というくらい混みます。各パビリオンのショップの方がよっぽど空いてます。
これについては、会場で配布されるQRコードとパスワードがあれば通販もできますから、それでもいいと思います。ただ、このパスワードは日替わりで、翌日の朝で切り替わってしまうため、帰ったら寝るまでに忘れず通販を終えておく必要がありますね。
どうせなら実物を見て買いたいですし、送料もありますから現地で買えるのがベストですが、みんなそう考えているのでやはり混みます。朝や昼に買うと荷物になりますし、夕方以降に買いたくなりますが、みんなそう考えているので夕方以降に混みます。
まぁ、個人的には通販がおすすめです。QRコードとパスワードの書いた紙は店内にもありますし、店外でも貼付されていたり配っていたりするので、それを撮影して帰宅中や帰宅後にゆっくり選ぶのがいいと思いますね。
食事も万博の醍醐味、ただし値段に注意
食事も色々ありますが、全体的に高いです。遊園地やテーマパークのお値段ですね。
「せっかく万博に来たんだし多少散財してもOK!」という方は、各国のレストランに行くといいと思います。
パビリオン内にレストランが併設されているところが多いです。展示を見に入場しないとレストランにも行けないパビリオンと、展示とは別にレストランだけ入れるパビリオンとがそれぞれあります。事前に調べておくといいかもしれません。
わたしは「普段食べないものを食べたいな」ということで色々食べましたが、特に中東系のレストランは新感覚でいいと思いました。
バーレーン王国のパビリオンでのお昼ごはんです。
右下から時計回りにアルー・バシール、グージー・ブリオッシュ、デーツケーキ、ルメーソーダです。
アルー・バシールはバーレーン風トマトソースがどことなく柑橘系っぽい感じがあって新鮮で、グージー・ブリオッシュはラム(仔羊の肉)の口当たりがよく、デーツケーキはデーツ(ナツメヤシの実)の味が印象深く、ルメーソーダはブラックライムの味や風味が独特でコーラ等とは別物でした。
とてもおいしくいただけましたし、普段体感しない味ばかりで、「こんな種類のおいしさがあったんだ」という発見に満ちたお昼ごはんでした。
なお、お値段は7550円です。有名バーレーン人シェフの料理をうたっており、さすがに万博のランチとしても高い方だと思います。
他にもいくつか回りましたが、レストランで1品だけの注文ならだいたい1200~3000円くらいのところが多かったように思います。
まぁ、レストランに飲み物は持ち込み禁止、かつ飲み物だけで1人分500~2000円とかだったりするので、実際に1食1200円で済ませられることは少ないかもしれません。
安く済ませたいという方はテイクアウトがいいですね。インド(バーラト)やネパールのパビリオンはテイクアウトをやっています。わたしもチキンビリヤーニ(2000円)をテイクアウトして食べました。ビリヤニはインドもネパールもおいしいですが、量があるので要注意です。1人で食べるには多いかもしれません。
とにかく食事にお金をかけたくない、という方は会場に持ち込んだ方がいいかもしれません。
大阪万博では、飲食物の持ち込みは禁止されていません。公式ウェブサイトのFAQにも記載があります。
万博内の飲食物は基本的に高額です。ディズニーランドやUSJで食事をすると高くつくのと同じです。コストを考えるなら持ち込みがいいでしょう。
個人的には異邦人の作る異国料理等もまた万博の醍醐味の1つだと思いますが、ゲームでクエストをコンプリートすることを醍醐味とするプレイヤーとそうでないプレイヤーがいるように、何を醍醐味にするかは人次第ですからね。
おすすめ展示について
大阪万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」です。
サブテーマも踏まえると、人類・自然・科学の融合によって未来の社会を実現しよう!……みたいな感じですね。
このテーマ自体は1970年の大阪万博、2005年の愛知万博と大差ありません。まぁ、科学技術が自慢の国もあれば自然を前面に押し出したい国もあるでしょうからね。
テーマ自体が広いため、各国の展示も特色があります。以下に、わたしのおすすめの展示を書いてみます。
コモンズ館A~Dは、個人的にかなり「推し」です。
わたしはパビリオンの中でも「映像鑑賞が主体のもの」は心の中で「映画館」と呼んでおり、あまり好きではありませんでした。映像を見るだけならYoutubeでいいですし、その国々ならではの物品の実物やレプリカの展示品が見たいな、という気持ちの方が強かったので……
そんなわたしにとって、コモンズ館は物品展示が多く、映画館が少なかったので、かなり楽しめました。20前後の国々が集まって1つの建物で展示をしているので、1つ1つの展示は小規模ですが、逆に言えば1つの建物だけで20前後の国々を一気に楽しめるので、とても素敵なパビリオンです。最高です。
なお、コモンズ館はFまでありますが、Fは3か国だけなのと、Eは日本の漫画の展示なのとで、だいぶ毛色が違いました。
コモンズ館Eは漫画の展示といっても、「最近の漫画が好きだから行こう」という方には微妙かもしれません。わたしはあまり刺さりませんでした。
漫画家の年代的にも、新進気鋭の漫画家というより大物ベテラン漫画家が中心っぽくて、知らない方が多かったです。赤塚不二夫さんや黒田bbさんはわたしも存じ上げていましたけどね。
昔の漫画に詳しい方なら楽しめるのかもしれませんが、「鬼滅やフリーレンが見たいな」「乙骨vsミャクミャクが見たいな」みたいな心構えで行くと肩透かしになると思います。
トルクメニスタンもおすすめです。
犬や馬がフィーチャーされていますし、絨毯や日本語教本の展示も面白いですし、ショップのラインナップも素敵ですし、色々と楽しめます。パビリオン内のレストランはおいしいことで有名らしく、いつも長蛇の列ができています。わたしはバーレーンの方で食事をした後だったので入っていません。
絨毯っぽいコースターと、絨毯っぽいマウスパッドを買いました。
映像鑑賞も何やら勇ましい感じで見ていて飽きませんでした。わたしは映画館がイマイチと書きましたが、トルクメニスタンやオマーンの映像は好きでしたから、内容次第だと思います。
中国もよかったです。
中国パビリオンに行ったのは、わたしが原神や鳴潮といった中国のゲームを遊んでいるからという、ただそれだけの動機だったのですが、色々な物品の展示があって見ごたえがありました。終盤に映像鑑賞がありましたが、長くないうえに面白い映像だったので、楽しめました。
映画館ではないので比較的回転率もよく、列が長い割にはあまり入場まで待たない気がしました。見るものは多いのでパビリオン内の滞在時間はけっこう長くなりがちです。あまり待たずに色々楽しめて、ちょっとお得な気分でしたね。
ドイツはサーキュラー君がかわいかったです。
入口で音声ガイドをしてくれる手掌大のマスコットキャラ「サーキュラー」を渡されます。マリオギャラクシーのチコみたいな星型のキャラクターです。このキャラクターがかわいくて、ショップでも販売しているので、つい買ってしまいました。チコが好きな人におすすめです。
ただ、「循環」をテーマにした展示は人を選ぶ感じがしました。展示そのものの面白さだと個人的にドイツは下の方でした。ベルギーとかの方が面白かったですね。ベルギーの方はほぼほぼ映画館で医療系の話ばかりでしたが、個人的には好きでした。
……という感じでしょうか。
上に挙げたパビリオンは予約しなくても入れますので、気軽に見やすいです。
待ち時間は日時によりますが、わたしの場合コモンズ館は0分、トルクメニスタンは30分、中国は40分、ドイツは1時間くらいだったでしょうか。
「各パビリオンを予約しないと万博は全然楽しめない」みたいな話を聞くこともありますが、全くそんなことはありません。大多数のパビリオンは予約なしでも入れますしね。
まとめ
・ゲームで異世界を冒険するのが好きなゲーム好きの方には、万博はおすすめ。世界各国の文化や食事を疑似体験できるのが、ゲームにおける冒険や旅情と近い部分があるから。
・パビリオンのレストランで異国料理を食べるのも万博の醍醐味。体験したことのない味と出会い、知らない「おいしさ」を発見できる。ただし全体的にテーマパーク価格で割高なので、別に料理はさほど興味ないというならいっそ持ち込んでもいいかもしれない。
・個人的におすすめな展示は、コモンズ館A~D。映像展示が少ないし、1館でたくさんの国の展示が見られて満足感がある。トルクメニスタンや中国もよかった。ドイツはキャラクターがかわいかったけど展示は刺さらなかった。
……という感じです。
もう万博終了まで1ヵ月を切りましたが、駆け込みでいかがでしょうか。まだ暑いですが、9月下旬~10月あたりで涼しくなると行きやすくなると思います。ただ、更に混むと思われますので、予約は早めが吉ですね。
それでは、また。