シレン6発売前にシリーズを振り返ってみる

 シレン6の発売が来週に迫ったので、シレンシリーズファンとして、シレンジャー……として、シリーズの思い出を振り返ってみたいと思います。
 全体的に記憶がおぼろげなので、「それは違うんじゃない?」と思ったところは突っ込んでいただけると助かります。よろしくお願いします。

・風来のシレン2 ~鬼襲来!シレン城!~
 おすすめ度:★☆

 わたしの初めて遊んだシレンです。
 ローグライク自体が初めてだったため、新しいことの連続で、とても刺激的でした。
 遊ぶ前は、「1000回遊べるRPG」「潜るたびレベル1から」みたいなローグライクお馴染みの文言は、それまでにRPGを遊んでいたわたしからすると「それ、ほんとに楽しいの?」という疑問を抱くものでしたが、実際楽しかったです。

 シレン2はたしかシリーズで一番売れたゲームだったと思いますが、それも納得です。たしか伊集院光さんが「僕はシレンに哲学を求めてるので、子供のシレンが笑ったりするのはダメなんです」みたいなことを仰っていましたが、子供が感情移入しやすい少年のシレンがいなければわたしはシレンシリーズを始めてなかったかもしれません。もちろん、往年のファンからすると解釈違い、というのも想像できますし、別に伊集院光さんが間違っているとかは思いません。ただ、わたしは子供のシレンを出してくれて嬉しかったというだけです。

 また、装備の合成システムは心踊りましたね。RPGを遊んだことのある人にとって、「武器を好きに合成して強くする」なんてロマンの塊でしょう。しかも、ただ装備を素材により強いのを生み出すだけでなく、「同時に3方向を攻撃する」武器と「与えたダメージの1/3を回復する」武器を混ぜると「同時に3方向を攻撃しつつ与えたダメージの1/3を回復する」武器が作れるとなると、組み合わせが無数にあって、オリジナルの武器を作りたい!という欲求が芽生えますしね。この自由度も、シレンシリーズに魅せられた理由の1つです。
 シレン2はシリーズでは比較的易しいバランスで、モンスターの壺で悪さもできるので、クリア後要素も楽しくて最高でした。もののけ王国はどことなくポケモン図鑑の風情があり、文章のセンスも独特で好きでした。音楽ももちろん、かの巨匠すぎやまこういち先生の楽曲で、傑作揃いです。

 お話も好きでした。フレーバー程度といえばそうかもしれませんが、サスミさんやリクくんやキララといった主要メンバーはもちろん、村人の一人一人もキャラが立ってて、自分もナタネ村に住んでいるような気分になっていました。

 シリーズで一番売れている傑作で難易度も易しめなので、おすすめ度は高いんですが、2024年1月現在ニンテンドー64の実機でしか遊ぶ方法がないのが難点です。

・風来のシレンGB 月影村の怪物
 おすすめ度:☆☆☆

 わたしが2作目に遊んだシレンです。
 ……が、あまり覚えてません。すみません。
 たしか難しかったことと、月影村から脱出できなかったことは覚えています。あと、月影村のネタバレというか、お話の核の部分はおぼろげに覚えています。

不思議のダンジョン2 風来のシレン
チュンソフト
1995-12-01


・不思議のダンジョン2 風来のシレン
 おすすめ度:★☆

 わたしが3作目に遊んだシレンです。
 時代を逆行するようですが、シレン2でシレンを知ったわたしは、オンラインのファンサイト等を眺めているうち、どうしても初代シレンがやりたくなってしまったんですよね。理由はたくさんありますが、中でも一番はブフーの杖です。拾った時にブフーの杖よりわくわくするアイテム、そうそう思いつきません。
 ちなみに不思議のダンジョン2とありますが、シレンシリーズとしてはこの作品が最初です。元々チュンソフトはローグライクとして初めて出したのがトルネコの大冒険だったため、それに次ぐソフトとしてオリジナルのシレンを遊んでもらいやすいよう、「トルネコの大冒険の次の作品だよ」と分かりやすいよう銘打ったのかなと思います。

 たしかペルソナシリーズも最初は「女神転生外伝」みたいな副題?でしたし、ルーンファクトリーシリーズも「牧場物語外伝」みたいな副題でしたから、それと似たようなものでしょうか。

 この初代シレン、シレン2よりも粗削りなところが多いんですが(最大レベルの敵の多くが攻撃力255だったり)、そのぶん裏道も多くて、やりたい放題できる自由度がありました。村人にモンスターの肉を投げてモンスターにしてしまうとか、「それいいの?!」みたいなことが色々できましたね。
 特にわたしが魅力に感じたのはモンスターの肉です。シレン2にあったのはモンスターの壺で、ポケモンよろしくモンスターを捕まえて戦わせられるものでしたが、初代シレンはモンスターの肉を食べるとそのモンスターの姿に変身し、アイテムが使えなくなる代わりにそのモンスターの特殊能力が使えるようになるという、これまた自由度の高いシステムでした。
 わたしはこのモンスターの肉をどうしても体験したくて、スーパーファミコンを買いましたからね。時代遅れのSFCでしたが、シレンだけでも元は取れました。まぁそもそもSFC安かったですしね。
 無限増殖があったり、モンスターの肉で好き放題できたりして、ゲームバランスという意味では崩壊している部分もあったと思いますが、そこも含めて楽しいゲームでした。

 モンスターの肉システム、もし現代で出るとしたら何かしらの制限があるでしょうし、シレン2の「のりうつりの杖」やアスカの「エレキ箱」はまさにその制限を設けたモンスターの肉改という風情のアイテムでしたね。
 ゲームバランス的にどうかというところはあるものの、「強い敵の能力」へのヘイトを「でも自分もそれを使える」で帳消しにしていたのはシンプルながらすごいなと思います。ガイコツまおうは杖の効果が危険すぎるんですが、肉にして食べた時の無双感もすごくて、大味ながら最高の魅力がありました。あと「モンスターの肉を食べる」という設定というか表現というか、そういうところも好きで、「のりうつる」や「エレキ箱を装着する」は「肉を食べる」ほどの魅力を感じませんでした。

 DSのリメイクは不評なので、初代シレンをやりたい方はリメイクではなくSFC版が推奨なのですが、2024年1月現在、SFC版はSFC実機でしか遊べない難点があります。WiiのVCでも出たのですが、WiiのVCは終わってしまいましたので……

・風来のシレンDS2 ~砂漠の魔城~
 おすすめ度:☆☆

 ギャザーが出世した作品です。
 厳密にはシレンGB2がそうで、DS2はGB2のリメイク作品にあたります。
 ギャザーというとシレン4で新能力を得て急に強くなったイメージがある方もおられるかもしれませんが、杖や巻物の効果を2ダメージに変換する能力自体はGB2からの賜物です。まぁ、それはそれとしてシレン4でステータスも強化されたので、シレン4でギャザーが強くなったというのも間違った認識ではないと思います。
 このゲームは……たしか、一枚絵(CG、スチル)が色々あったのがシリーズとしては新鮮でしたが、内容はあまり覚えていません。
 たしか祝福システムもここが初出でしたか? 祝福カズラとかいましたよね。忘れてしまいましたが……

 なんだか携帯機作品の印象が薄いわたしです。まぁいわゆる実況配信も少なかったので、思い出を回顧する頻度が低くて記憶の底に埋もれているのかもしれません。

・風来のシレン外伝 女剣士アスカ見参!
 おすすめ度:★★

 シレンシリーズの集大成です。
 シレンファンはこのアスカを最高傑作と推す人が多いですが、わたしもその一人です。
 ただ、正直初心者にはあまり向かないゲームでもあります。シレン2は山道初級から中級、上級と徐々に難易度を上げられましたし、苦手な人は初級ばかり行くこともでき、また中腹で難易度の低いルートに変更することもできました。実際、わたしは上級が難しいためあまり行かず、主に初級と中級でお城の建材を集めていました。
 一方でアスカは天輪国初級をクリアしたらすぐ上級という、開幕テーブルマウンテンの初代に近い構造をしています。テーブルマウンテンは長時間かけて攻略する前提で、道中の村や町でイベントが進んで攻略が楽になったりして、繰り返し挑むことを前提としてそれを支援する仕掛けがあるんですが、天輪国にはあまりそういう仕掛けが多くはありません。

 プレイヤーとして、天輪国をある程度サクサククリアできるくらいの腕前を想定されているのだと思います。そういうのも実際ありですよね。ゼルダの伝説ムジュラの仮面だって、時のオカリナ経験者を想定したダンジョンの難易度ですしね。「炎越しに矢を撃って射線上の燭台に火をつける」という時のオカリナなら4つめのダンジョンで出る仕掛け(ディンの炎で別解可)がいきなり1つめのダンジョンから出てきたりしますし……
 まぁ、ドリームキャスト版で「玄人向けすぎたかな?」という反省があったのか、Windows版では「鍛錬の押入」という初心者用チュートリアルダンジョンっぽいところが追加されています。ちなみにわたしが持っているのはWindows版です。今はプレミアついてすごい値段になってますよね。

 そんなわけで経験者想定っぽいアスカなのですが、経験者からするととても楽しいゲームです。◯◯の試練シリーズはエンディング前にこの手の尖ったダンジョンがある点で異質ですが面白いですし、白蛇島、裏白蛇の魅力は格別です。
 特に裏白蛇はデビルカンガルーの登場間隔や怪盗ペリカンの出現率、白紙の巻物や透視の腕輪の不在、保存の壺の絞り具合など、「これ開発者やってるでしょ」という絶妙な調整が多く、シレンジャーの心をくすぐります。「あかりの巻物」は元々強いアイテムですが、このゲームほどあかりの巻物が頼りになるシリーズ作品はなかなかないと思います。
 文句があるとすれば、裏白蛇の罠が増えるのはいらなかったかな、というくらいですね。あと、シレン2のスパークソードが大好きだったので、アスカにもあると嬉しかったです。ドドロの印剥がしはメッキ印を最優先で剥がしてくれた方が好きかなと思います(金の剣/盾で入れられる青金だけその設定でもいいので)。ダメージ計算式的に盾の重要度が高すぎるので剣の重要度ももう少しあると嬉しかったです。あとはまぁ……店主を焼くとちからが上がる変なバグはない方が嬉しかったです。

 ……なんか、けっこう要望ありますね。ただこれはアスカが不満の多いゲームだからというわけではなく、アスカが面白すぎて遊びまくったのでそのぶん細かい変更希望も出てきやすいというだけです。そもそも満足してなければそんな遊びません。

 あとはダンジョンの多さもアスカの魅力ですね。そもそもエンディングまでもそうとう多いですが、持ち込み不可が多いのも特徴的です。トルネコの大冒険もそうですが、エンディングまでのダンジョンってふつう大抵持ち込みありですからね。ここもまた玄人志向な感じがします。
 エンディング後にしても、◯◯魔天の挑戦シリーズは「掛軸裏の洞窟」みたいな特殊ダンジョンで刺激的ですし(冥炎魔天はそうでもないですが……)、無明地獄や一致団結といった週替わりダンジョンも更なる変化球という感じで、シリーズでも屈指のボリュームでした。

 わたし、このゲームが好きすぎて攻略本も2冊持っています。だいたい同じなんですが、ドリームキャスト版は開発者インタビューが載っていて、Windows版は裏白蛇のデータが載っています。いま買う人はいないと思いますが、もしいま買うならドリームキャスト版の攻略本がおすすめです。開発者インタビューが面白いので。裏白蛇のデータはwikiにいくらでも載ってますしね。

 亀えりかさんという美術担当の方がスタッフインタビューの記事を制作総指揮の偉い人よりもはるかに長く書いていて攻略本に載せきれません、と書かれてたのが面白かったです。ぜひ読んでみたいと思い、どこかに全文載ってないかと探した記憶があります。見つかりませんでしたけれども。

 今買うなら裏白蛇もあるWindows版一択だと思いますが、Windows版はプレミアがついて値段がすごいことになってるので、あまりおすすめできません。ただ権利的にリメイク等も難しいと聞くので、どうしても遊びたい場合はプレミア価格で買うほかないと思います。

・風来のシレン3 からくり屋敷の眠り姫
 おすすめ度:評価不能(未プレイ)

 未プレイです。

 評判がすこぶるよくなかったので、スルーしてしまいました。アスカの喋り方が……とかはまだよかったんですが、ゲームのテンポが悪いのがだいぶプレイ意欲を削いでしまったんですよね。いつかやってみたいような、そうでもないような……そんな感じです。

・風来のシレンDS
 おすすめ度:☆☆

 初代のリメイクです。

 リメイクなんですが、なんだか改悪要素が多かった気がします。カラカラペンペンは面白い敵ではなく、呪いの対象が拡大したのに祝福は無く、ゲイズの催眠術の確率が1/2から2/3程度に上がっている、なのに山彦の盾は削除されてゲイズの盾も最終問題で拾えない、みたいな……
 人気作品のリメイクなんだから、元の要素はそのまま(無限増殖は消してもいいと思いますが)、プラスアルファで新要素を出したらよかったのにな、と当時は思っていました。
 なので、これを買うならSFC版を買った方がいいと思います……といっても、SFC版の項目で書いた通りSFC版のVC等は今は無いので、実機を買うほどの熱量がなければDS版でもいいかもしれません。3DSを持っていれば出来ますしね。まぁ、3DSも2011年発売なのでそこそこレトロなのですが……

・風来のシレン4 神の眼と悪魔のヘソ
 おすすめ度:★☆☆
 夜の概念が生まれたナンバリング第四作です。
 ただ、夜の要素が正直あまり面白くなかったのと、説明文に人気の漫画やゲームのパロディが目立ちましたが、わたしが元々パロディネタがあまり好きじゃないのに加えて、「同人ゲームじゃないんだから、パロディする側じゃなくてされる側になるくらいの気概で作ってほしいな」と感じていました。まぁそれでもパロディネタが面白ければ印象は違ったかもしれませんが、別に面白いと感じなかったので……
 ただ、GB2のギャザーのステータスを上げて採用していたり、食べ物をバナナにして時間経過による変化を導入したりと、面白い新要素はいくつかあったように感じます。装備が成長する要素も一長一短ではあるものの、楽しいところがありました。強化の限界が装備によって異なり、装備の成長によって強化限界や印の最大数も増えていくという仕様が、道具での打開に主眼の置かれるメインのシレンシリーズとしては異色で面白かったです。
 にぎりへんげの剣や回復の剣といった特殊な武器を除いて、通常攻撃で敵を倒すメリットって今まであまりなかったですからね。打開アイテムが節約できるのが利点という感じで。
 いちおう浜辺の魔洞まではクリアして、満足して終わったはずです。敵のステータスが全体的に高かったり、自然回復が遅かったり(回復の腕輪の回復量は多いですが)と、全体的に難しめなバランスだったと思います。

・風来のシレン5 フォーチュンタワーと運命のダイス
 おすすめ度:★☆
 シレン4を改善・パワーアップさせた、シレン4-2みたいな印象のゲームです。
 テキストは相変わらずですが、強すぎると言われたギャザーのステータスが下がっていたり、敵専用だったオーラをシレンもまとえるようになっていたり、夜に使える技のバリエーションが遊んでいて快適なものに変化していたりと改善点が多くて、尖ったバランスの4がフィードバックにより順当に改善された良作という印象でした。新要素の新種道具も面白い試みで、個人的には大好きでした。
 あと、4からですがオーラをまとった敵がいて強さにムラがあるのもよかったです。4は敵にオーラがあるだけなんですが、5はシレンもオーラをまとえるようになっていて、ただ敵がいやらしくなるだけではないので、敵のオーラに対するヘイトもあまり高くなかったです。

 最終ダンジョンでは気配察血の腕輪という、敵の位置が分かるけど毎ターンHPが減る腕輪が強くて、その調整も好きでした。ただ、名前はどうにかならないかなと思います。4以降は名前を含めたテキスト面がイマイチな印象ですね。
 あと4もそうなんですが、武器ゲーに寄せているのが好感触でした。アスカは盾ゲーだったので、盾の修正値を上げつつ剣は印だけ強くて修正値は放置、オドロにも溶かされ放題にしてちからを上げることでパワーを補う……みたいなスタイル、合理的ではあるんですが、「どうたぬき-10」とかが見た目的に微妙だなと思っていたので……
 アスカでも「眠」の印を入れた剣で攻略を優位に、みたいなのがありましたが、そういった状態異常付与の印が増えていて面白かったです。迷子の巻物みたいな今までのシリーズでは微妙だったアイテムが異種合成面で超強力だったりして、新鮮でしたね。一方で「弟」などの回復印はシレン4、5では弱体化が図られていて、アスカとはまた違ったバランスでよかったです。

 ……という具合です。
 いまシレンシリーズに興味があるという方は、初代、2、アスカ、5が個人的におすすめです。ただ、初代と2はレトロハードを入手する必要があり、アスカはプレミア価格なので、現実的なところでは5をプレイすることになるかなとは思います。
 まぁ、6が面白ければ6をやればいいというお話なので、わたしと一緒に期待をこめて6の発売を心待ちにしてみませんか? あと数日ですしね。

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 マイフェイバリットローグライクゲーム。

 それでは、また。

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