幻想シアター、やってみました。
螺旋と並ぶ原神のエンドコンテンツということで、大いに期待していました。
まだやりこんでいるわけではないのですが、軽めに遊んでみましたので、その感想を書いてみたいと思います。
・ローグライトっぽい戦闘コンテンツ
キャラの加入や祝福の獲得にランダム要素が絡みつつ楽しめる、ローグライト系の戦闘コンテンツという感じでした。
わたしは崩壊スターレイルをあまり遊んでいませんが、あれの模擬宇宙に近いかもしれません。別のゲームでいうならSlay the Spireっぽいと言えなくもありません。デッキを作る代わりにパーティを作る、みたいな。
螺旋はランダム要素があまりなく、実力勝負!という感じだったので、差別化されていていいなと思いました。模擬宇宙は面白かったので、そっちに寄せるとしたら大歓迎、とは思っていましたしね。
・難易度は螺旋より簡単
上の画像がわたしの初挑戦時の結果です。
星を全部取ることは出来ませんでしたが、ハードモードを無事第8幕まで完走し、今月分の原石はすべて獲得することが出来ました。
わたしは別に原神のアクションが特別得意なわけでもないですし、なんならキャラと武器のレベルを最大80までしか上げていないですから、そんなわたしが初見の挑戦で完走できるというのはけっこう平易な方だと思います。星を全部取るのはともかく、完走して原石を全部獲得するのは簡単そうです。
……もちろん、初回なので手加減されている、という説は大いにあると思います。
・キャラをいっぱい準備するのが大変
ハードモードだとキャラクターが18人必要です。
ただ、お試しキャラが6人用意されているため、それらを除いて12人育成していればOK、ということになりそうです。
とはいえ、12人育成済みというのはなかなか高めのハードルだと思います。
制約なしの12人なら3パーティ分といったところですが、炎雷風だけで12人ですからね。しかも、お試しキャラと被ることもありますから、「特定3元素のうち、お試しキャラと重複しない12キャラを育成する」となると、かなり大変そうです。
レベル70あれば参加はできますが、聖遺物が弱いとあまり活躍できませんし、レベル70以上かつ聖遺物をある程度厳選済み、武器も育成済みというのは、なかなか高めのハードルかなと思います。特に最近始めたばかりの旅人さんに対しては。
まぁ、わたしは1年以上前から原神を遊んでいますし、最強パーティを作るよりも色んなパーティで遊びたいのも手伝って、各元素のキャラをある程度育成していますが、人によっては育成にあまり興味がなくて、螺旋をクリアできる程度しか育てていない、というのは十分ありえるお話です。
「幻想シアターのためにいっぱい育成したって、どうせシアターが終わったら使わないよ」と言っている方なんかは、「とにかく強いパーティを育成する」ということにこだわりの強い方だと思います。
わたしは色んなパーティを使いたいので、育成済みのキャラがいっぱいいることはそれ自体が嬉しいですし、同じボスや秘境でも「今回はこのパーティを使おう」と色々変えて遊ぶことが多いです。カードゲームでも色んなデッキを使うのが好きですし、格闘ゲームでも色んなキャラを使うのを楽しむタイプです。
新キャラが発表された時も、「使っていて楽しそうか」が最重要で、強さはそこまで気にしていません。もちろん、あまり弱くても敵を倒せないので困りますし、下位互換キャラは存在しないのが理想だとも思いますけど……ただ、性能的に多少劣っていても、操作して楽しいのなら使う意味があります。わたしはヌヴィレットを引いて育成しましたが、神里綾人も現役で使っていますし。
……まぁ、ですから「最強のパーティ!」みたいなのは、わたしのもとにはいません。そこまで1つのパーティにこだわって鍛えぬいていないので、聖遺物厳選も妥協が多いです。聖遺物のレベルも16止まりのキャラがちょこちょこいますしね。ただ、バキバキに鍛え上げられた珠玉の1パーティではなくて、ある程度戦える5パーティがいた方が楽しいと思うがゆえの、移り気な育成です。
ゆえに……わたしは幻想シアターと相性抜群でしたね。逆に螺旋と相性が悪い説はあります。
とはいっても、お試しキャラ抜きだと炎・雷・風は各元素4~5人しかいませんでしたから、けっこうギリギリではありました。
いちおう、岩以外はどの元素も5人は育成しているので、おおむね幻想シアターは大丈夫……な気もしますが、お試しキャラの選抜次第では危ういですね。岩元素についてはノエル・ナヴィア・鍾離・雲菫の4キャラしか育ててないので、お試しに鍾離とナヴィアが入ったりするとかなり怪しいです。千織が復刻したら引くつもりなんですが……
・幻想シアターの多キャラ要求は、螺旋と並び立つがゆえの必然
幻想シアターで育成済みキャラが多数要求されるのは、仕方のないことだと思います。
原神は、基本的に他人と競うゲームではありません。それゆえに、キャラを鍛え上げパーティを強化しプレイスキルを磨いたとしても、それを存分に発揮できる相手はあまりいないんですよね。
原神は、重課金や最古参のような上位プレイヤーでなければ完走できない期間限定イベントは極めて少ないです。そういうとっつきやすさが魅力でもあると思いますが、逆に言えば重課金で得られるメリットが少ないんですね。
原神は基本無料のゲームですし、開発側からすればある程度プレイヤーに課金してもらわないと困ります。強い課金圧がなく、広く安くの課金を見込んでいるのも原神の性質ではあるものの、そうはいってもちゃんとお金を集めるための要素が必要で、それが淵月螺旋だったわけです。
淵月螺旋は凸した星5キャラがいないとクリアできないような超高難易度コンテンツではないですが、そうは言ってもしっかり育成されたキャラがある程度揃っていないとスムーズなクリアが難しく、また淵月螺旋が高難易度のやりこみコンテンツとして存在するがゆえに、キャラクターを(聖遺物厳選や凸を含め)無尽蔵に鍛え上げる意味が生まれるわけです。
極端な話、原神内の最高難易度の敵がトワリンだったら、星5キャラを凸する人は格段に少ないでしょう。だって、凸しなくても簡単に倒せますからね。聖遺物を装備しなくてもワンパンできる敵ばかりなら、聖遺物厳選をする甲斐もありません。キャラを強くできる以上、その強さを発揮できる強い敵が必要なんです。
そして、幻想シアターは淵月螺旋と並び立つエンドコンテンツです。
……となると、淵月螺旋と同じく、幻想シアターにはエンドコンテンツとしてある程度の課金圧が求められると思います。
しかし、単に難しいだけの戦闘コンテンツであれば、淵月螺旋の亜種でしかありません。
そこで、難しさは控えめにして、キャラクターが大勢必要になる性質が盛り込まれたのだと思います。
すなわち、淵月螺旋が強いキャラの確保と十分な聖遺物厳選・育成を要求していたのに対して、幻想シアターはキャラの質ではなく数、聖遺物厳選や育成についても多くのキャラにそれらが施されていることを要求するコンテンツになったのでしょう。
要するに、淵月螺旋は「精鋭のパーティを作れているか」、幻想シアターは「多くのキャラを育てているか」がハードルになっており、それぞれが課金圧として働く仕組みになっているのでしょう。
つまり、ちゃんと強いパーティが組めていない人は淵月螺旋がクリアできないため、強いキャラを確保・育成するため課金をし、一部のキャラしか育ててない人は幻想シアターがクリアできないため、多くのキャラを確保・育成するため課金をする……みたいな構造でしょうか。
まぁ、「課金圧」と言うと聞こえは悪いですが、要するに「ちゃんと原神をやりこむ意味がある」と思ってもらえる仕組みが必要、ということですね。
課金って、要するに手間のスキップですから。無課金でも、長い時間をかけて少しずつ原石を貯めてキャラを確保していけば、螺旋を毎回クリアしたり幻想シアターを毎回完走できるくらいのキャラを揃えることも出来るでしょう。
そうやって時間をかけてやりこむ意味を生み出しつつ、そんな時間はかけてられないよというプレイヤーのために、課金でキャラや育成素材を確保できるようにすることで、その手間をスキップできるようにしているわけです。キャラの凸にしても、プレイスキルの熟練や聖遺物厳選を含む果てない育成の手間をスキップできるわけですしね。
「古参しか楽しめない」みたいな意見が出るのは分かりますが、「古参でないと十分楽しめないがゆえに、古参に追いつくために課金する」というのは課金の大きな動機であり、原神が基本無料のゲームである以上、そうせざるをえない部分はあると思いました。
・雰囲気がいい
戦闘ステージの景観がいいのと、名前の通り劇場を模した演出が多くて、特にクリア後の演出が好きでした。
このあたりは螺旋と明確な差別化になっていて、とてもいいと思います。
更なる差別化のため、シーズンごとに月替わりで新しい遠景や演出が用意されていると、視覚的にも楽しめて嬉しいな、と感じました。
・もっと思いきったローグライト要素が欲しい
個人的な願望ですが……
ローグライトといっても、キャラの加入に関するランダム要素があるくらいで、あとは螺旋でもあるような祝福にランダム要素が追加されただけ、みたいな感じなんですよね。演出面には独自性がありますが、戦闘面は実際のところそれほど変わらないような。
つまるところ、螺旋の難易度を下げた代わりに参加のハードルを上げて祝福とキャラ加入にランダム要素をまぶしただけの味変螺旋、みたいなイメージはちょっとありました。そういう意味では新鮮味に欠ける印象はありましたし、何度も繰り返してやりこみたい感じもあまりしませんでした。
ですから、もっと大きめのランダム要素を入れて楽しませてほしい気もします。
たとえば、うーん……「次の戦闘だけ全員の攻撃速度+30%」とか「選んだキャラ1人を、次の戦闘だけ完凸状態にする(既に完凸なら別の恩恵)」とか「キャラが別の元素に変化する(元素ダメージバフは元の元素を参照)」とか、どうでしょうか。氷元素の胡桃とか使ってみたくないですか?
完全な素人考えで恐縮ですが、要するに幻想シアターでしかできない体験があると嬉しいな、と思うんです。演出が凝っていても、結局やってることが螺旋とあまり変わらないとなると、飽きも早そうに思えてしまいます。
まぁ、まだ出てきたばかりの新コンテンツですから、真価を発揮するのはこれからなのかもしれませんね。
まとめです。
・幻想シアターは、ランダム要素があって演出も凝っていて、螺旋とはまた違ったやりこみコンテンツ。雰囲気がよくて好き。
・螺旋より多くのキャラを要求されるけど、そのぶん戦闘の難易度は低め。螺旋と並ぶエンドコンテンツだから、多少ハードルが高いのは(課金のことを考えても)仕方ないと思う。キャラがいっぱい使えるのは楽しい。
・自分は色んなキャラを育てて色んなパーティを使うのが好きだから大丈夫だったけど、少数精鋭のパーティを鍛え上げるのが好きな旅人さんはハードモードの人員が足りなくて大変かも。
・戦闘については結局螺旋や秘境とあんまり変わりなくて、多少ランダム要素が混じっただけの味変螺旋みたいなイメージも拭えなかったので、もっと弾けた要素をいっぱい取り入れて、幻想シアターでしか味わえない体験がしたい。
……という塩梅です。
一言で言うなら、「螺旋と違う路線なのはいいけど、もっと違う感じがいい」でしょうか。
現状、「最高に楽しい!」みたいな遊びではないですが、今後もっと面白くなってくれると嬉しいな、という感じでした。
それでは、また。
※本記事の画像はHoYoverseのゲーム、原神からの引用です。
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